ベルギーで、スカーフをかぶった最初のトルコ系地域議会議員誕生
2009年06月08日付 Yeni Safak 紙
ベルギーで、初めてスカーフを着用した候補者が議員となった。トルコ人女性マヒヌル・オズデミル氏は、ブリュッセル首都圏地域議会入りを果たした。同氏は、首都ブリュッセルで「トルコ人地区」として知られているシャエルビーク市で、2006年以来スカーフを着用して市議会議員の任務を行ってきた。マヒヌル・オズデミル氏は、ベルギーの新しい世代のトルコ人の間で人気を博している。
ベルギーで6月7日から行われた地域議会選挙で、出馬した60名近くのトルコ系候補のうち6人が、選出された。前回の選挙で海外初のトルコ系大臣を誕生させたベルギーで、今回選挙でスカーフを着用した候補を議会に送ったことで、興奮がおさまらない。マヒヌル・オズデミル氏は、ワロン系キリスト教民主党(cdH)からの21番目の候補であり、2851票で選出された。選挙運動期間にはスカーフを着用している理由で極右派の攻撃の標的となった。オズデミル氏は一部メディアで批判報道の対象となり、選挙ポスターでスカーフを着用した写真のために「写真屋」と揶揄されたことで、一時党内で苦境を経験した。
28歳のマヒヌル・オズデミル氏は、ブリュッセル自由大学(ULB)の人間学部を卒業した。大学院で行政学を学んだ新米の議員は、一時期cdH党首のジョエレ・ミルケット氏の個人秘書でもあった。
海外初のトルコ系大臣がさらなる躍進
さらに、2004年にブリュッセル首都圏地域(政府)において史的記念物や、衛生、家族、スポーツ担当大臣として「海外初のトルコ系大臣」となったエミル・クル氏は、今選挙でも票数を伸ばすことに成功した。エミル・クル氏は今回11546票を獲得し、ブリュッセル選挙区で、ワロン系社会党(PS)内ではブリュッセル首都圏地域首相のチャールズ・ピーク氏に次いで二番目の票数を、再度得たことになる。選出が確実視されていたエミル・クル大臣は、新たに重要な役職に就任すると見られている。
前回選挙では、ブリュッセル首都圏地域議会にトルコ系議員がわずか2人しか選出されなかったのに対し、6月7日の選挙では3人の女性を含む計6人のトルコ系議員が選出された。ブリュッセル首都圏地域でワロン系社会党(PS)からエミル・クル氏とエミン・オズカラ氏が新たに選出された一方、ワロン系キリスト教民主党(cdH)からはマヒヌル・オズデミル氏が(ブリュッセル首都圏)地域議会入りを果たした。フランデレン地域(フラマン語共同体)では、元上院議員でゲント市の副市長ファトマ・ペフリヴァン氏と、アントワープ市から出馬したフラマン系社会党(SP.a)のギュレル・トゥラン氏がフランデレン地域(フラマン語共同体)議会に議員として選出された。一方、元新聞記者のヴェリ・ユクセル氏は初出馬となる選挙で健闘し、フラマン系キリスト教民主党(CD&V)選出の議員となった。
ベルギーでは6月7日に、地域議会選挙と同時に、欧州議会選挙も行われ、7人のトルコ系候補が争った。欧州議会のベルギー代表議員の椅子に最も近いとされたトルコ系候補のセラハッティン・コチャック氏は、35000票近くを獲得したものの、選出に及ぶ票数ではなかった。
ベルギーでは、地域議会議員に選出された人々は、来週行われる承認式で承認を得て、着任する。
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( 翻訳者:下中菜都子 )
( 記事ID:16634 )