イラク駐留米軍司令官、月末までに都市部から撤退すると言明
2009年06月03日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ オディエルノ司令官:「アメリカ軍戦闘部隊は、月末までにイラクの全都市から撤退する」
2009年06月03日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【サーマッラー(イラク):本紙】
イラク駐留アメリカ軍司令官は昨日、「アメリカ軍戦闘部隊は、今月末に予定通り、武力勢力の拠点であるモスルを含めたイラクの全都市から撤退する」と発表した。
1月に発効した安全保障協定では、アメリカ軍戦闘部隊は、6月30日までにイラクの町や都市から撤退し、市外の基地に再展開することが定められている。
しかし、アメリカとイラクの一部の当局者は、アル=カーイダなどの武装集団が今なお存在し、度々攻撃を行っているモスルでは、撤退が遅れる可能性があることを明らかにしている。
イラク駐留アメリカ軍のレイ・オディエルノ司令官は、アメリカ軍戦闘部隊がモスルを含めた全都市から撤退する方針かとの質問を受け、「そうだ...我々は共同で評価を行い...そのような結論に達した」と述べた。
またロイター通信のインタビューに対して司令官は、「我々は都市部から出て行く。モスル市内に幾人かの訓練官や顧問官、連絡将校を配置する予定だ...しかし、それが全てだ」と述べた。オディエルノ司令官はこれまで、イラク政府から武力勢力との戦闘に支援を要請された場合は、モスルに残留する可能性を排除していなかった。
オディエルノ司令官はまた、「ここ数ヶ月間、我々はモスルでよい成果を上げてきた。モスルの治安に関して言えば、かなり回復したと感じている。...これをさらに行き渡らせることができるだろう」と続けた。
オディエルノ司令官は、サーマッラー訪問中にロイター通信との会見に応じた。サーマッラーでは2006年2月にシーア派の最も神聖な聖廟の一つが爆撃されたことが原因となり、宗派間の報復攻撃が何度も行われ、イラクを内戦間際の状態に陥れた。
オディエルノ司令官は、「あの時期以来、イラク治安部隊は部隊規模、訓練や装備の面で大きな飛躍を遂げている。しかし、相互安全保障協定の中でイラク政府と合意がなされた撤退期日にあたる2011年末まで、アメリカ軍は顧問的な役割のみを果たすためイラクに残留する」と述べた。
そして、「都市部から撤退する時期が来たと私は思っている。そして、我々が署名した協定を遵守すると人々が理解することが重要だと思っている」と付け加えた。
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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:16653 )