ギュレン運動は、社会奉仕者にとっての源泉: ダリア・モガヘドとのインタヴュー
2009年06月14日付 Zaman 紙

バラク・オバマアメリカ合衆国大統領の諮問役である、エジプト出身のダリア・モガヘド女史は、フェトゥフッラー・ギュレン氏に共鳴する『ボランティア活動』が、社会の利益のために働くすべての人々にとって、一つの模範と行動を指南する源泉となっていると話した。

ホワイトハウスで働く初のムスリム諮問役であるモガヘド女史は、「私からするとこの活動は、世界に献身的なすべての人々が一団となって働いた際、社会の利益の名の下に何が行われうるのかを示しています」と述べた。同女史は、『ギュレン運動』が(異なる)宗教間の対話や協力といった点で行った仕事を、「すばらしい仕事」という言葉で特徴づけた。

オバマ大統領の諮問役であるダリア・モガヘド女史は、アラブの若者たちの失業問題に解決方法を見出すために創設されたシラテック(Silatech)が開催した第2回ドーハサミットのために訪れたカタールで、特別にザマン紙のインタビューに応じた。同女史は、質問に以下のように答えた。

■ あなたにとってブッシュ氏からオバマ氏への移行による、アメリカのムスリムたちへの見方における最も基本的な変化とは何ですか?

「私にとって二つの基本的な変化がここにあります。一つ目は、オバマ氏のムスリム世界への接近であり、二つ目はムスリム世界のこれに対する答えです。この点から見てみると、この二つの変化の内、一つ目の手段と二つ目の根本理由との関わりにおいて(生じた)基本的な変化は、(オバマ大統領)自身がムスリムたちに話しかけるときに使った言葉です。現在ホワイトハウスには、ムスリムたちに敬意をもって、そして好感のもてる形で話すリーダーがいます。さらにこの人物はムスリムたちと正面からコミュニケーションをとり、メッセージを真っ直ぐではっきりとした言葉で伝えています。以前の政権で行われていたように、ムスリムたちと、または彼らについて話すときに、アメリカにおける自身の支持基盤によく見えるよう努めてはいないのです。このことは本当にとても重要です。もはや、アメリカとイスラム世界の間にはこの対等さのもとに作られた意思疎通の枠組みで、アメリカがイスラム世界に対して始めた戦争のみならず、この二つの側の間にある政治的な差異や連帯が話し合われています。私はこれをとても重要視しています。」

■ つまり、イスラム世界とアメリカとの関係性に関する変化と進展に希望をもつために、現在十分な理由があるということですか?

「はい、そうだと信じています。だから、これは二度と得ることはできないであろう、とても大きなチャンスと思います。」

■ では、今おっしゃったこの変化が、具体的な行動へ転じると信じていますか?

「確信しています。なぜなら、オバマ氏は、この考えを、自国における巨大なあらゆる政治的圧力に立ち向かい、それでもなお続けているからです。はっきり言って、オバマ氏にとってこの種の言動や態度をとることは、合州国内部で彼の個人的、または彼が代弁する政治勢力の利益に繋がるものではありません。」

■ 世界の人々はオバマ氏のカイロでの演説を大きな関心をもって見守りました。この演説でもっとも強調されたのは信教の自由と女性の権利についてでした。スカーフを被る自由は特に彼の演説のこの部分では、ある西洋の国々を、名前を出さずに厳しい言葉で批判しました。オバマ氏はこの話題にどうして触れたのでしょうか?

「アメリカは、信教の自由という問題の世界のリーダーであり、西洋の(この点に関する)後進国同様にその他の国々にとっても運用時期の点でも実施している政策により、とてもすばらしい先例を作り出しています。(つまりアメリカは)広い意味で信教の自由の配慮と、愚かな考えが広まることを阻止する点で身につけた態度との間で設けられた配慮とのバランスとにより、称賛に値する立場にあります。私も、この国の一員としてこの問題における配慮を最後まで持ち続けます。次のことをはっきり明確にしなくてはなりません。ある国で人々に信教の自由を認めることは、決して国家や国家の仕事を脅かすのではなく、逆に国家を強力にし、永久に堅固な基盤を用意するものなのです。」

■ イスラム世界における民主主義の文脈で、この先の前進に希望をもつことは可能でしょうか?

「これを推測することはとても難しいです。しかし、現在ムスリム世界における民主主義の状況を、まったく喜ばしいとは思っていないといわねばなりません。イスラム世界の多くの場所で残念なことに、民主主義は強固ではありません。(しかし)近い未来において、この点について大きな変化を期待するごく僅かな理由があります。オバマ大統領は、アメリカによる民主主義(推進)の仕事と、それが成立するすべての価値をもってして、全世界に先例を作り出すことを望むと常に述べているからです。」

■ それはどのような価値ですか?

「例えば法の優位や、強力な機構とこれらの間における権力の分立、マイノリティーの権利、信教と表現の自由です。この価値がすべての民主主義の基礎にとてもしっかりと据えられることが必要です。オバマ氏のこれらを世界に示したいという願望は、とても重要です。しかしこの態度が、いくつかの場所での民主主義定着の闘いに対し、どのように影響を及ぼすかを推測することは本当にとても難しいです。私たちは時の流れの中でこれを見ることになるでしょう。」

■ あなたにとってフェトゥフッラー・ギュレン氏の活動は、世界に、そして人類に何を約束するでしょうか?彼らが行ったこうした活動をどのように考えますか?

「私見では、この活動は世界に奉仕するすべての人々が一つになって働く際、社会の利益の名の下に何を行うことができるのかを示しています。この活動は、この観点からするとまさに理想的です。人々に、特にムスリムたちに何を成功させることができるのかという件において、指南の源泉となっています。このプロジェクトが、今後トルコ人以外の人々によっても担われること、そしてすべての人類の財産となることを願います。」

■ 世界中のほとんどすべての国で活動していることを考えると、これはすでに実現化したと言えないでしょうか?

「はい、この人々がこれほど広い範囲で活動していることや、行った献身的な行為をもって異なる文化をもつ人々のすべてに奉仕していることは知っています。しかし、ある事実があります。この活動のメンバーの大部分は、まだトルコ人だけで構成されています。そう感じているので、他の国のムスリムたちもこの活動に参加することは、(この運動が)拡大するうえで目標とされるべき方向性だと思います。例えば、アメリカで私が知っているこの活動の代表者たちは極めて組織化をおこなっています。しかしこれを行うのはすべてトルコ人です。私の意見では、この活動は全世界のムスリムが担うプロジェクトになるべきです。これは非常に成功し、称賛に値するこの活動に対する私の唯一のアドバイスといえます。」

■ この活動の(異なる)文化間や宗教間の対話という活動について、どのように考えていますか?この件は、ホワイトハウスであなたもじかに関心をもって取り組んでいることですよね。

「宗教間の対話という名の下、この人々はすばらしい仕事をしました。このため、一定期間話し合いをおこなっており、こうした行動面は活動のとても重要な部分、と明確に見てとれます。あなたがおっしゃった通り、先の件は私の基礎的な仕事の分野であり、私にとってギュレン運動の内部でのこうした(点の)強調は、非常に影響力のあるもので、とても重要です。この人々がすべての世界に教示することは、本当にとてもたくさんあります。この目的への到達を容易にするには、メンバーの出自を多様化させることが必要と考えています。」

■ この活動についてしばしば反対する主張もあります。例えば、隠された目的が内部にはあるといったようなものです。このような主張に対して何かコメントはありますか?

「私はいつも具体的なことに目を向けます。これらの主張を重要視するには、はっきりとした証拠を見たいと思いますし、今までこの面でいかなる証拠も目にしませんでした。したがってはっきりと言うべきでしょう、このような言葉は私にとって注目に値することではないのです。」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:16692 )