ムーサヴィーとキャッルービー、市民に平静を呼びかけ
2009年06月16日付 E'temad-e Melli 紙

ミール・ホセイン・ムーサヴィーは日曜日の夜、ハーメネイー最高指導者と会談した。その中でアーヤトッラー・ハーメネイーは、法的なルートを通じて問題の調査を行うことを強調した。

 日曜日の夕刻に行われた会談の中で、ミール・ホセイン・ムーサヴィーは選挙の実施過程についての自らの意見を、最高指導者に提出した。最高指導者も平静を保つ必要性を強調した上で、「過去の選挙でも、一部の人や候補者から問題が提起されたことがあった。それらはいずれも、選挙に関する訴えの法的な調査権限をもつ護憲評議会によって調査が行われた。当然のことながら、今回も問題は法的な方法によって解決が図られねばならない」と指摘、ミール・ホセイン・ムーサヴィーが護憲評議会に宛てた書簡に触れ、「護憲評議会には、この書簡をしっかりと調査するよう、強調してある」と続けた。

 ハーメネイー最高指導者は、敵の扇動や通りを騒乱に引き込もうとする一部の陰謀について触れ、ミール・ホセイン・ムーサヴィーに向けて、「あなたはこのような〔騒擾を引き起こそうとする〕輩とは違う。どのようなことも、冷静に行うことが必要だ」と付け加えた。

〔中略〕

 これより前、ミール・ホセイン・ムーサヴィーが最高指導者に書簡を送ったとする噂が、一部でささやかれていた。さらに一部報道によると、ここ数日の間に様々な手紙がシーア派の最高宗教指導者たちにしたためられたという。中でも、ミール・ホセイン・ムーサヴィーがアーヤトッラー・サーネイーに宛てた手紙に対しては、サーネイー師から返信があったという。

 現在までに確認されたところでは、ミール・ホセイン・ムーサヴィーとメフディー・キャッルービーの両氏はこれまで、大統領選挙に関して二度にわたって、開票作業とその結果について抗議の意思を表明する声明を発表している。これらの声明の内容については、イランのメディアには公表されていない。しかしその一方で、モルタザー・タマッドン・テヘラン州知事は声明に反発する形で、「ミール・ホセイン・ムーサヴィーはテヘランで最近起きている事件の責任を取らねばならない」と発言している。

 テヘラン州治安評議会議長も務めるタマッドン州知事は、「この2日間、一部の便乗主義者たちがムーサヴィー支援を口実に、状況を悪用して騒乱を煽り、公共財に被害を与えている」と指摘、さらに「残念なことに、ムーサヴィーは開票結果が発表された後、二度にわたって声明を発表し、不適切な態度を示している。妄想に満ちた主張をして、世論を煽り、私欲まみれた一部の便乗主義者たちがテヘランで騒擾を引き起こす素地を作っている」と批判している。

 州知事はまた、対立点については法的なルートを通じて調査されるべきだと強調、「ムーサヴィーはいまだに、自らの支持者たちへの扇動をやめようとしていない」と遺憾の意を表明した。同知事はさらに、ムーサヴィー支持を口実に一部の者が市民に攻撃を加え、バスの車両その他の公共財に火を放つなど、テヘラン市に不穏な状況を作り出していると指摘、これらの者たちについては厳正な処罰が下るだろうと述べた上で、「テヘラン州治安評議会は、今回の残念な事件はムーサヴィーの無責任な行動にその責任があると考えている」ことを明らかにした。

 護憲評議会のアフマド・ジャンナティー書記も、大統領選の各候補者たちに向けて、調査を要求する訴えは書面にて評議会に送付するよう求める声明を発表した。同書記は声明の中で、「第10期大統領選挙に立候補したミール・ホセイン・ムーサヴィー氏との会談でのアーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者の発言を受け、〔‥‥〕本評議会は法に定められた期間内に、すべての抗議・異議申し立てについて調査を行う用意があることを発表する〔‥‥〕」としている。

 他方、ミール・ホセイン・ムーサヴィー、メフディー・キャッルービー、そしてモフセン・レザーイーの三候補はそれぞれ護憲評議会に書簡を出し、政府、内務省、開票作業、及び選挙の実施方法に対する抗議の意志を表明、大統領選挙の無効を要求した。エッテマーデ・メッリー紙は、〔ムーサヴィー、及びキャッルービーの〕両候補者の書簡の内容について報じることは、差し控える。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16732 )