オバマ演説が伝えた女子教育の必要性
2009年06月12日付 Al-Ahram 紙

■ オバマ米大統領、発展における女子教育の重要性を強調
■ 「女子教育は必要であって、贅沢ではない」

2009年06月12日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP家庭面

【ヘバ・ローザ】

 オバマ米大統領がカイロ大学で行った歴史的演説の中で、女子教育の重要性に関して発した言葉は、単に演説の流れの中で出てきたその場限りの発言ではない。そうではなく、先進諸国が信奉し、制度と社会をあげて追及してきた意見と考え方を実際に反映したものだったのだ。それゆえ我々はこう言い切ることが出来よう。教育における男女の平等こそが、そうした国々の先進性の形成に寄与してきたのだと。

 女子教育は贅沢でもなければ、与えられた恩恵でもない。そうではなく、1948年の世界人権宣言によって認められた基本的人権の一つなのだ。女子教育の権利は人権や子どもの権利に関する国際的な憲章や、エジプト児童法にも含まれており、各国政府がそれを施行する責任を担うべき権利だとされている。各国政府はこれを短期的・長期的に有用で見返りの大きな投資の一種だと見なさねばならない。なぜなら女子教育は貧困・無知・病の撲滅を助け、持続的な発展の基盤をうちたて、成功と繁栄の未来への道を拓くものだからである。

 女子が学校に一年通うごとに、より高い給与を獲得するチャンスが20%ずつ増加し、彼女たちの子どもが死亡する率は10%ずつ低下する。なぜなら教育を受けた女子は、子供に対して健康面でのケアを与えることの重要性を完全に意識しており、決まった時間に子供に食事を与えようとするからである。また安全な食事に関しても多くを知っており、暮らしの中でより衛生的な行為を心がけ、子どもを学校に入れるために全力を尽くす。まさしく詩人ハーフィズ・イブラヒームが言ったとおりだ。『母こそは学び舎、母が学び舎を整えたれば、血筋優れし民いずる』。

エジプトにおける女子教育の状況を振り返れば、女子教育に対する関心をエジプトが強く持ち続けてきたことに気づくだろう。なぜならそれは、リファーア・アル=タフターウィーやカースィム・アミーン、ターハ・フセインをはじめとする、エジプトの大思想家たちや啓蒙の先駆者たちが信奉した権利だからである。彼らはその権利を唱道し、女子に学校、さらには大学に入学するよう、後押ししたのである。

(中略)

 最後に女子教育の重要性について一言だけ付け足しておこう。女子に教育を受ける機会を与えること無しには、分裂した社会が癒され、経済が改善し、成長が実現することはない。

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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:16734 )