サッカー・イラン代表、市民との連帯を表明:緑のリストバンドを付けて韓国戦に臨む
2009年06月18日付 E'temad-e Melli 紙
右:キャリーミー、左:ノスラティー
右:キャリーミー、左:ノスラティー

驚くべき出来事とともに、韓国との試合が始まった。サッカー・イラン代表選手たちがソウル・ワールドカップスタジアムのピッチに、緑のリストバンドをして降り立つ様子を見て、イランのテレビ観戦者たちはさぞ驚いたはずだ。

 ミール・ホセイン・ムーサヴィーの最初の集会に出席し、選挙前から同候補への支持を公にしていたアリー・キャリーミーは、両手に緑色のリストバンドをはめていた。メフディー・マフダヴィーキヤーも、ホセイン・キャアビーも、モハンマド・ノスラティーも、マスウード・ショジャーイーも、そしてジャヴァード・ネクーナームも、イラン国民との連帯を表明するために、緑色のリストバンドを着けて、フィールドに立っていた。

 とはいえ、どうやらソウルには緑色のリストバンドは入手困難だったようで、代表選手たちは白のリストバンドの上に緑色のテープを巻いていたというのが、実際のところだ。代表チームのキャプテンで、これまでは黄色の腕章を左腕につけて試合に出場していたメフディー・マフダヴィーキヤーは、この試合ではキャプテンマークとして緑色の腕章を付けて出場していた。

 先週水曜日のアラブ首長国連邦との試合では、「緑」という色に対するセンシティヴな状況に配慮して、いつもの緑色のシャツの代わりに赤色のシャツを着て試合に出場していたメフディー・ラフマティーも、今回の試合では最初から緑色のシャツを身につけて出場していた。

〔中略〕

 しかしゲームの後半が始まると、すでに緑色のリストバンドは見当たらなくなってしまった。前半、緑色のリストバンドを着けていた6名の代表選手は、後半になると緑色のテープをリストバンドから外してしまったのだ。緑色のTシャツを着ていたマスウード・ショジャーイーも、ハーフタイムの間にそれを脱いでしまっていた。そのため、〔ゴールを決めたときにユニフォームをはだけて緑色のTシャツをカメラの前で見せようと考えていた〕ショジャーイーが後半にゴールを決めたときには、すでに緑色のTシャツをテレビカメラに見せることはできなくなっていた。

 何かが、ハーフタイムの間に代表チームのロッカールームで起きたのだ。そのためか、代表選手らは少々気が荒くなっていたように見えた。実際、マスウード・ショジャーイーによるゴールの前まで、イランの選手たちはミスをいくつか繰り返していたし、アーンドラーニーク・テイムーリヤーン、ホセイン・キャアビー、そしてマスウード・ショジャーイーは後半になってイエローカードをくらってしまった。

 昨日、モハンマド・アリー・アーバーディー副大統領兼体育庁長官がソウルにいるメフディー・タージ氏に電話で連絡し、ハーフタイムの間に緑色のリストバンドを選手から外させるよう命じたとの噂が流れたことも、お知らせしておかねばならないだろう。試合終了後、イランサッカー協会のキャッファーシヤーン会長も、協会はこの件について何ら関与していないと主張し、体育庁サイドに「ボールを投げ」ている。

 代表選手たちのロッカーで何が起きたのか、知る者は誰もいない。昨日、われわれはイラン体育庁のモハンマド・アーホンディー報道官に連絡を試みた。しかし、本来疑問点の解消をその役割としているはずの同報道官の携帯電話は、不通のままだった。

キャッファーシヤーン「私は何の連絡も受けていない」

 イランサッカー協会のアリー・キャッファーシヤーン会長は試合後、代表選手たちが緑色のリストバンドを着けていたにも拘わらず、後半それを外したことについて、特にこれといった説明を行うことなく、「実際のところ、私はこの問題についてまったく知らない。サッカー協会会長として、リストバンドを着けるとか外すとかいったことについて、代表チームの随行員たちに連絡をしたことはない」と述べた。

 同会長のこの発言により、体育庁にいる同会長の上役たちに真相を問い質す必要があるようだ。恐らく、〔命令の〕「出所」はそこにあるものと思われる。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:16755 )