ベルギー国会でスカーフ論争―スカーフ着用トルコ系国会議員登場で
2009年06月23日付 Radikal 紙


ベルギーの地方選挙でワロン系キリスト教民主党からトルコ系のマヒヌール・オズデミル氏が、ブリュッセル議会へ選出された。オズデミル氏はベルギー本国及びヨーロッパにおいて初めてスカーフを着用した議員となるして、議会で宣誓を行った。最年少の議員として議会の書記もつとめた26歳のオズデミル議員は喝采拍手をもって迎えられたが、その反面でスカーフ論争も巻き起こった。

国会の外では20名が「アッラーは存在しない」、「公の場にスカーフは入るな」などと書かれたプラカードをもって抗議活動を行った。一方で、ワロン系自由党が操るあるグループも「ベルギーが40年昔にもどってしまったた、公共の場及び政治の場において宗教的な象徴を禁止する必要がある」という主張のもと、オズデミル議員に対して抗議しようとしていた。

国会の大多数を占めるキリスト教民主党と、社会党および、抗議に対して遺憾の意を示したが、彼女を地方政府の閣僚とするこには同意していない。更に問題となったのは、アルメニア・ロビーと関係のある「国民戦線」がオズデミル議員について、アルメニア「虐殺」の主張を受け入れていないという理由で告訴状を出したことである。

ベルギーでは宗教的なシンボルの使用について法律および一般的な規則はない。同国の憲法は信仰と表現の自由を認めている。上院・下院双方において国民の代表者は中立でないこと、思想及び信仰を公にすることが受け入れられている。しかし実際には学校や役所、民間企業では例外があるようだ。経営者は雇用人に対して宗教上のシンボルを身につけることを禁止することができる。また、警察、軍、弁護士、判事などや、国民と直接的に接触のある公務員が宗教上の象徴を身につけることは相応しくないとかんがえられている。各学校はそれぞれ規則を決めている。この論争を終わらせるために法的な決定が必要だという点で妥協はなりたちうるが、これが同国の政治及び世論を大いに緊張させることが懸念される。

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( 翻訳者:高岡望結 )
( 記事ID:16777 )