イエメンで外国人の誘拐・殺害事件、ホースィー派は犯行を否定、アル=カーイダが関与か
2009年06月16日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ イエメン当局はホースィー派を非難、ドイツはアル=カーイダの可能性を示唆
■ イエメンで3人の外国人女性が殺害、子ども2人が生きて発見される

2009年06月16日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【サナア、ベルリン:本紙ハーリド・ハマーディー、アラー・ジュムア】

 イエメンの治安情報筋は昨日月曜日、3人の女性の遺体が発見されたと発表した。2人はドイツ人、1人は韓国人で、先週金曜日にイエメン北部のサアダ市で誘拐された9人の外国人に含まれていた。

 地元および政府の情報筋は、3人はサアダ県北部の山岳地方にあるナーシュール村付近で、銃弾を浴びて死亡したものと考えられると説明した。

 イエメン内務省は、誘拐された9人の外国人は市内の病院で働くドイツ人技師、その妻と3人の子ども、2人の女性看護士、イギリス人男性技師と韓国人女性教師で、市内を散策中に誘拐されたと発表していた。近いうちに彼らが解放されるという保証を取ろうと努力しているところだと明言していた治安当局だが、誘拐された残りの人々の命運については明らかにしなかった。

 イエメン高官の話では、昨日ドイツ人の子ども2人が生きて発見された。サアダ県の地元当局者は身元を明かさない約束で、2人の子どもが発見されたのは、3人の女性が殺された場所の近くで、女性たちは刺され、銃創を負っていたと説明した。

 当局はホースィーの支持者グループに誘拐の容疑を向けたが、ホースィー派側はそれを否定し、「グループへの嫌疑はホースィー派への新しい戦いを始めるための政府による政治的でっちあげだ」と見なしている。

 〔2004年以来サアダ県で断続的に続いている反政府武装闘争を率いる〕アブドゥルマリク・ホースィー司令官事務所の広報責任者であるムハンマド・アブドゥッサラーム氏はこの事件を非難し、ホースィー派に向けられている嫌疑は、サアダ県での紛争から利益を得る当局内の人間たちから出されたものだとの考えを示した。

 ドイツの「ディー・ツァイト」紙が報じたところでは、ドイツがホースィー派と直接連絡を取ったところ、グループはこの事件への関与を否定、3人の女性の遺体がイエメンのアル=カーイダの重要拠点と見なされているジャウフ地方から遠くない地域で見つかったこともあり、アル=カーイダがこの事件に関与している疑いがあるいう。

 この誘拐が起きたのは、ある部族の武装集団が政府に要求を呑ませるため、首都サナアの北で先週木曜日に誘拐した22人の外国人を解放したのと同日であった。さらにこの前日には、イエメンとサウジアラビアのアル=カーイダの大口の資金源とされる男が当局に逮捕されている。イエメン当局は日曜日にも、ハサン・フセイン・アラワーンと呼ばれるサウジ人で、イエメンとサウジアラビアのアル=カーイダへの大物資金提供者だとされる人物を逮捕した。

 アル=カーイダは2003年に、世界最大の産油国であるサウジアラビアに対する攻撃を開始したが、イエメンがアメリカと同盟を結んでいるサウード王家の転覆を目的とする活動を再開する出撃基地になるのではないかと懸念されている。

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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:16796 )