イラン外務報道官「西洋諸国の干渉への対応を検討中」
2009年06月23日付 Iran 紙
【政治部】ガシュガーヴィー外務報道官は昨日午前、外務省高官と国会国家安全保障外交政策委員会との合同会議に出席した後、記者団の前に姿を現し、最近の出来事へのヨーロッパ諸国による干渉について現在調査が行われているところだと述べた。
イラン紙の外交政策取材班記者の報告によると、ガシュガーヴィー報道官は「今回の会議では、公的な外交上の領域、諜報・安全保障上の領域、そしてメディア上の領域の三つの領域における、選挙前後での西洋諸国によるさまざまな干渉について、検討が行われた」と述べた。
同報道官はその上で、「大臣は証拠資料となるものを委員会の委員らに提示した。委員らは現在、ヨーロッパ諸国によるさまざまな干渉について正確な調査を行っているところだ」と語った。
「イラン内政への干渉を受け、一部のヨーロッパ諸国の大使が国外追放になるのではないかとの情報があるが、真偽のほどはいかに」との記者の質問に、ガシュガーヴィー報道官は「西洋諸国による干渉問題は現在、国会の国家安全保障委員会で検討が行われているところである。最終的な判断が下るまで、この件について言及することはできない」と回答した上で、「とはいえ、欧米諸国の多くが国際的に認められた規範に反して、人々に対して民主主義的なシステムに〔従うよう〕呼びかけ、法の遵守を訴える代わりに、全体的に見て暴徒たちを支持していることは確かだと、われわれは考えている」と語った。
CNNとBBCは「心理戦対策室」を設置した
ガシュガーヴィー外務報道官は記者会見の続きのなかで、イランが一部外国人記者の活動を妨害しているとの一部の西洋諸国の非難を斥けた上で、「CNNとBBCは最近発生した暴動のさなか、《心理戦対策室》を設置した」と指摘、テヘランには117名の記者が常時滞在して取材活動を行っていると述べつつ、「しかしながら、記者らによる一部のメディア干渉については、これを容認することはできない」と語った。
同報道官は、二人の黒人少年が殺害された事件に抗議した人々に対して、フランス警察が暴力的な取り締まりを行った2年前の出来事に触れ、「この時のパリでの暴力の度合いは、テヘランでの暴力に比べて数百倍激しいものであった。しかしこの時BBCは、果たして《危機》ということばを用いただろうか。CNNは果たして、通常の放送を打ち切って、20時間夜通しこの問題の報道を行ったりしただろうか」と疑問を投げかけた。
ガシュガーヴィー報道官はさらに、CNNのウェブサイトからプリントアウトした紙を手に取り、「この文書を読めば分かるように、表現の自由を主張する者たち、情報の自由な流通を主張する者たちはCNNにおいて、どうしたらイラン政府や外務省のインターネットサイトをハッキングし、国民と政府の間の連絡を切断することができるか、といったことを人々に堂々と指南しているのだ」と指摘、こういった指導によって、イラン学生通信は一部の人間によってハッキングの被害を受けたとまくし立て、記者らに向けて「果たしてこれは、一独立政府に対するサイバー攻撃ではないのか?これは干渉ではないのか?」と問いかけた。
BBCやVOAはネタニヤフやリーベルマンの精神的な子供たち
ガシュガーヴィー報道官は、西側メディアのやり方は非職業的で拙速だとし、さらに「BBC PersianやVoice of Americaの使命ははっきりしている。彼らのボスは、〔イスラエルの〕ハイファにあるアブドル・バハー〔※イスラームでは異端視されているバハーイー教の創始者バハーオッラーの息子〕の墓守どもの子供たちだからだ。彼らはネタニヤフやリーベルマン(シオニスト体制の首相と外相)の精神的な子供たちだと言っていい」と気色ばんだ。
報道官はその上で、「BBC PersianやVOAの基本的な狙いは、国民的な団結を弱体化させ、領土の一体性を脅かし、最終的にはイランを解体することにある。これは、イギリスやアメリカの議会で予算が可決された後、〔両政府によって正式に〕承認され、通達された計画なのである」と指摘、さらに「もちろん、イラン国民の聡明さのお陰で、このような願望を実現させることなど彼らにはできない。興味深いのは、このようなメディア攻撃を仕掛けておきながら、情報の〔自由な〕流通を妨げているとして、彼らはわれわれを非難していることだ」と述べた。
〔中略〕
ガシュガーヴィー報道官はまた、イラン警察による暴徒たちへの取り締まりについての記者の質問に、「残念ながら、イラン警察による暴徒たちへの取り締まりに関する報道は誇張されている」と答え、「あなたがたも、西洋諸国の警察が無許可を理由に、デモ隊を厳しく取り締まっている様子を、テレビで見たことがあるだろう。西洋諸国の警察の振る舞いと比べてみれば、イラン警察のそれが許容範囲内であることが分かるはずだ」と述べた。
〔中略〕
国会、イギリスとの関係見直しを要求
国会国家安全保障・外交政策委員会のカーゼム・ジャラーリー報道官は、同委員会がマヌーチェフル・モッタキー外務大臣ならびに同次官らと3時間にわたって行った合同会議について言及し、「委員らはテヘランで最近発生した騒乱に対するイギリスの態度、及び同国政府の干渉について、極めて批判的だ」と指摘した。
同氏はさらに、「今回の会議では、適切かつ重要な決定が採択された。追々実行に移されることになるだろう」と語った。
〔中略〕
同氏はさらに、「イスラーム共和国は、世界のあらゆる国との関係拡大を望んでいる。しかし内政への干渉は、いかなる国によるものであれ、容認することはできない」と述べた。同氏はその上で、「イスラーム革命の基礎は我が国の独立を前提として成り立っている」とし、内政問題に忍び寄る外国人どもの触手は切断されなければならないとする国会の真剣なメッセージを、〔政府が〕きちんと理解することに期待を表明した。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:16805 )