IAEA事務局長選出:天野ウィーン国際機関代表部大使
2009年07月03日付 al-Hayat 紙

■ 日本のアマノ、エルバラダイの後任としてIAEAトップに

2009年07月03日付アル・ハヤート紙(イギリス)HP1面

【ウィーン:ウルヤー・アル=アターシー】

数週間にわたる作業を経て国際原子力機関理事会は、エジプトのムハンマド・エルバラダイ事務局長の後任を選出した。次期事務局長は、日本の外交官で、軍縮と核拡散防止問題を専門とするユキヤ・アマノである。

昨日(2日)ウィーンのIAEA本部で開催された臨時理事会では、次期事務局長選出のための投票が3回行われた。最終ラウンドで23票を得たアマノが、35の加盟国中3分の2の支持を得たとみなされ勝利が決定した。対抗馬のアブドッサマド・ミンティ南アフリカ候補が11票を得、棄権が1票あったが、この最終ラウンドでは棄権票を数に入れないこととされていたため、競争に終止符がうたれた。

第一ラウンドで最小数の票を得たスペイン候補が消えた後、アマノ23票とミンティ12票との結果が繰り返され、(3分の2との)規定が満たされないため理事会は、単純多数決により勝者を決する投票を行わざるを得なかった。合意に達しない理事会は、最終的に最も強い候補に対する信任投票を行い、長時間に及んだバラダイ後任選出はようやく決着した。この結果を9月の機関総会にかけて信任を得るため、本日午後、理事会が開催される。総会信任を経て、アマノは11月に任期を終えるエルバラダイを引き継ぐことになる。

結果公表後、アマノは、核兵器の拡散防止に全力を尽くすと述べ、そのために全加盟国の支援、支持を要請した。

外交観測筋によれば、アマノは核軍縮と保証措置の適用問題に専念することが予測される。それと共に、日本が加盟国中最も多く機関の一般予算に貢献していることにかんがみ、議題の第一として彼があげた技術、ならびに資金面での問題に取り組むものと思われる。中東における核兵器、イラン問題について、アラブ外交筋は、アマノが欧米的見解に中立を保つとは考えられず、楽観視できないと述べた。

ウィーン国際機関代表部大使を現職とするアマノは、2005年にはIAEA理事会議長を務めた経験をもつ。当時の日本のIAEIに対する政策として、日本外務省で軍縮と核拡散防止セクションの長であった同氏が任命された。日本で原子力関係セクションの長に任命された1990年代初頭からアマノは国際原子力機関関係の課題に関わっており、国連のミサイル関連、核軍縮教育部門、グループ77の核安全保障課長等を歴任した。同氏はその優れた外交手腕と豊かな経験で知られる。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:16856 )