クルディスタン自治政府、イラク中央政府による外国企業への油田採掘許可に反対
2009年06月23日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ クルディスタン自治政府、イラク中央政府が外国石油企業に認可を交付することに反対

2009年06月23日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面

【アルビール】

 イラク領クルディスタン自治区政府は火曜日、イラク石油省が埋蔵量の豊富な油田の採掘許可を国際的企業に交付するとした措置ついて、これは違憲であり、イラク人民の国益に反する一歩だと評した。

 フセイン・シャハリスターニー石油大臣は今月10日、初めて競争入札によって認可を得る外国石油企業の名前を石油省が今月末に明らかにする、と発表した。石油省は6つの大油田と2つの天然ガス田を選抜、そこで事業を行うための競争入札に120の企業が参加したが、現在残っているのは31の企業のみである。

 フセイン・シャハリスターニー石油大臣と緊張関係にあるクルディスタン自治政府は、「石油大臣の計画に対して真剣に反対したにもかかわらず、先週大臣はイラクの8つの油田・ガス田について今月末には認可が交付されると発表した」と述べた。その中には、ズベイル油田、西カルナ油田、南・北ルマイラ油田、キルクーク油田が含まれる。

 さらにクルディスタン自治政府は「もしこれが実現すれば、憲法違反となり、イラクの経済利益に反することになる」と述べ、声明で以下のように続けた。「自治政府が短期間のうちにイラクの石油輸出とその利潤の増加を目に見えて前進させることができたのは、すでに発見され生産が始まっている油田ではなく、油田探査に力を注いだためだ。またそれと平行して 、イラク憲法の理念に合致する形で、国際市場とイラク国内市場に最適な対応をしてきたためでもある」と続けた。

 イラク中央政府は、アリー・ダッバーグ報道官の口を通して、現在外国企業の選択をしているところだ と発表していた 。そして同報道官は声明で、競争原理に則って行われる正式かつ透明で開かれた入札に関心を持つよう、企業に求めていた。

 イラクの78の油田と天然ガス田のうち、活用されているのは15にすぎない。石油省はこれらの油田・ガス田を再開発することで、国家計画やプロジェクトを遂行しようと尽力している。イラクはロシアとイランに次いで世界三番目の石油確認埋蔵量を有しており、その量は1150億バレルに達する。シャハリスターニー石油大臣によれば、油田開発が達成されれば、イラクは5年以内に日量600万バレルを生産できるようになるだろう。

 昨年の平均石油輸出量は日量160万~170万 バレルの間で変動し、平均生産量は日量250万バレル以下だった。イラクの石油輸出量は1980年代初頭には、日量340万バレルに達していた。

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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:16875 )