今年、トルコからは11万4000人がメッカ巡礼の旅に出る。15000ユーロから40000ユーロに達する豪華なパックツアーの中には、カーバ神殿が見えるホテルでの宿泊がセットになっているものもある。標準的な2300ドルのパックツアーでは、4平方メートルの部屋での宿泊、またトイレとバスルームが共同利用となる。
トルコから総数11万4000人が参加する聖地へのメッカ巡礼は、10月11日から始まる。巡礼者は75万人の応募者から抽選で選ばれた。巡礼費用は最低で2300ユーロ、最高では40000ユーロに上るという。巡礼ツアーには、15日から1ヶ月までのさまざまな期間のものがある。経済市場での経済危機の影響にもかかわらず、メッカ巡礼へは需要減は見られなかった。1ヶ月半続くウムレ(小巡礼、巡礼月以外の巡礼)にも、これまでに6万人が参加した。これからの時期もウムレ参加者は減少しないとみられる。トルコ旅行代理店協会(TÜRSAB)によると、旅行代理店を通してメッカ巡礼をした人は2008年に4万2165人、旅行代理店を通さなかった人を含めると、総数11万4000人だった。
■豪華なツアーへの関心、上昇
巡礼中、メッカでカーバ神殿の景色が見える部屋での宿泊を希望すると、その宿泊費は15000ユーロである。メッカ巡礼にかかる総額は、食費、交通費、宿泊費を含めて、サービスによっては40000ユーロにも上る。
巡礼ではテウヒド・ホテル、ダール・イマーン・インターコンチネンタル・ヒルトン、ラマダ・ホテル、ゼムゼム・タワーが豪華なサービスを提供している。ウムレ(小巡礼)参加者の60%が4、5つ星ホテルを選ぶ一方、巡礼参加者の場合、その10%が豪華なパックツアーを選んでいるという。
■5万人の礼拝
ベッドルームからカーバ神殿が見えることを希望する人はゼムゼム・タワーでの宿泊を申し込むという。カーバ神殿に隣接するゼムゼム・タワーでの15日間の宿泊費は10000ユーロから始まる。タワーには36台のエレベーターがある。また、ローカルフードや諸外国料理のレストランがある飲食フロアに加え、7000平方メートルのショッピングセンターがある。
マスジト・ハラーム・モスクの礼拝を呼びかけるアザーンの声が、特別な音響システムを使って、各部屋に届けられる。ホテル内の施設では50000人の礼拝が可能で、その内5000人が屋内で礼拝を行うことができる。ゼムゼム・タワーに隣接するヒルトン・ホテルの宿泊費は9000ユーロからという。
■ホテル宿泊費、値上げ
旅行業取扱者らは、高級とされるツアーへの関心は減少しておらず、約1万1000人が今年高級ホテルで宿泊する予定であるという。関係者によると、巡礼経験者らは、2度目に行く時には、1度目よりも豪華なホテルでの宿泊を希望するという。また「カーバ神殿が見えるヒルトンやゼムゼム・タワーに人気があります」という。
関係者らは、メッカで7000のビルやホテルが取り壊された結果、ホテル宿泊費が30%値上したことを明らかにした。2010年に予定されている都市改造の完成にともない、メッカで高級ホテルの数は更に増えると見られている。今年、取り壊し直前にその計画を知らされた各旅行会社は、宿泊費上昇をツアー価格に反映できなかった。昨年トルコでは、141社のツアー会社がメッカ巡礼ツアーを企画したが、今年は95社に減少した。
■メッカ巡礼の前に、ゼムゼムの水の宅配
豪華なサービスの中には、アラファト山への旅で、これまでアメリカだけで使われていた断熱機能付きの高級テントの利用が含まれる。テント内では、食事と礼拝の場が別々に分けられている。ツアーのランクによって、巡礼者に渡される巡礼用の衣服、鞄、礼拝用の絨毯、靴等の品質も上下する。豪華なツアーには、ゼムゼムの水の宅配サービスが付いている。
標準的なツアー参加者は、カーバ神殿まで3~6キロメートルの距離で、一人当たり4平方メートルの部屋で宿泊することになる。またこのようなホテルでは、一般的にトイレとバスルームは共同という。
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( 翻訳者:三村麻衣 )
( 記事ID:16905 )