【政治部】マフムード・アフマディーネジャード大統領は、護憲評議会による選挙結果の承認後初めてとなるテレビ演説を行い、政権の陣容を大幅に変更する意向であることを明らかにした。
アフマディーネジャード大統領は、政権の陣容をリフレッシュさせることが新たな可能性を開拓するためには必要であるとの見方を示した上で、「これまでの実績や今後の構想、これから必要とされることなどを勘案した結果、政府の陣容を変えることが必要であるとの結論に至った。この変更はかなりな規模のものになるだろう」と述べた。
第9期政権では10回にわたって閣僚の変更を断行してきたアフマディーネジャード大統領は、第10期政権のメンバーとして働くことになる新たな閣僚や協力者たちを今後数週間以内に発表し、国会の信任を得なければならない。
大統領はテレビ第一チャンネルで生放送された演説の中で、政権の陣容は現在の必要性に即して改良されねばならないとの認識を示した上で、第9期政権の閣僚たちの仕事に対する自らの総合評価を国民の前に示した。
その中で大統領は、過去4年間の閣僚たちを3つのグループに分けた。第一のグループは、よく仕事をし、新政権でも仕事を継続することのできる者たち。第二のグループは、よく仕事はしたが、新政権で求められている仕事や努力の大きさ・深さには達していない者たち。
大統領はこれら二つのグループの閣僚たちに感謝の意を表した上で、第三のグループに属する閣僚たちは1期目の4年間に期待通りの仕事をしてこなかった者たちであり、必然的に新政権には居場所のないような者たちだと断じた。
大統領は生産、住宅、及び雇用の各分野〔の問題解決〕に早急な道筋を付けることが必要であることは明らかだと指摘し、それゆえこれらの分野で〔閣僚の〕変更が行われることになるだろうとした。
文化・芸術分野もまた、マフムード・アフマディーネジャード大統領の明確かつ厳しい批判を浴びた分野である。大統領はこのことについて、「確かに、文化の分野では多くの仕事がなされてきたことも事実だ。しかし、特に芸術分野での実績は、私の期待したレベルに達していない」と述べた。
大統領はさらに、文化の分野でなされてきた仕事についても満足していないとし、「すでにこのことについては、内務省、文化イスラーム指導省、ならびに治安維持軍に対して注意を行った」と語った。
マフムード・アフマディーネジャード大統領は続けて、「選挙はすでに終了した。今私が行っている議論は選挙用のものでも宣伝用のものでもない」と強調しつつ、「市民の領域に対して警察国家的な対応を取ること、特に文化の領域や文化的・社会的空間を警察国家化することに、私は反対だ」と述べた。
大統領は文化・社会問題の解決は文化的な方法によってのみ可能だとし、このような〔警察国家的な〕対応の継続は許さないと強調、このことについて自身に何らかの問題が生じた場合は、それを市民の前で詳らかにすると力を込めた。
大統領はまた、閣僚の人選について必要な相談を終え次第、第10期政権で働く協力者たちを独自の判断で選別すると強調し、人選をめぐる自身の決定に対して何らかの注文が来ても、それに影響されることはないと訴えた。
より幅広い人材の登用も
他方、政府報道官は閣僚の大幅変更に関する大統領の発言に言及した上で、「それよりも重要なのは、〔人材の登用を〕より幅の広いものにしなければならないということだ」と語った。
ゴラーム・ホセイン・エルハーム報道官は〔‥‥〕イラン学生通信に対し、「我が国が有する有能なる人材は、特定の人々に限られない。国政を効果的に担うことのできるリーダーたちは、幅広く存在する」と述べ、
人材登用の輪を開放することこそ、第9期政権が先鞭を付け、力を入れた政策だとして、さらに「第9期政権によって人材登用の輪が広がった。それは現状にとどまるようなものではなく、今後もさらに拡大を続けていくことになるだろう」と語った。
〔中略〕
その一方で、国会文化委員会のセイエド・レザー・アクラミー委員はジャーメ・ジャム紙とのインタビューのなかで、閣僚の変更が必要な省庁として内務省を挙げ、「内務省は
モスタファー・プールモハンマディー氏の辞任以降、〔行政能力の〕低下に悩まされている」と指摘している。
同氏はプールモハンマディー氏の後任として内相を務めた人物について、「プールモハンマディー氏の後任としてコルダーン氏が内相の職に就いたが、その後しばらくして
罷免され、内相の地位を去った。〔その後任の〕
マフスーリー氏もギリギリの信任票を獲得して内相に就任した。このようなことから、次の新しい内相としては、〔大統領の言いなりではなく?〕力強く行動することのできる人物、自らの職務に相応しく、経験や能力、行動力のある州知事を任命することのできる人物を登用すべきではないだろうか」と語る。
「現在国会内には、
農業ジハード相や
教育相といった閣僚の能力に対する不満が渦巻いている」。同議員はこのように述べ、さらに次のように付け加えている。「いずれにせよ、あれほど巨額の石油収入を得ていた時代、われわれはあるべき方向に国を動かし、変革することができなかった」。
同議員はまた、火曜日夜の生放送で大統領が文化イスラーム指導省の仕事ぶりに対して行った厳しい批判について言及し、「このような発言があった以上、サッファール=ハランディー氏が第10期政権で文化イスラーム指導相にとどまることはないだろう」と指摘、内閣の変更は大規模なものになる可能性があるとしつつ、「大統領は保健医療相の仕事ぶりには満足しているようだ。同相は留任することになるだろう」と予想する。
同議員はさらに、新しく閣僚となる人物についてはきちんとした調査を行うとした大統領の発言に触れ、「私個人の提案としては、アフマディーネジャード氏は国会の各委員会ときちんと相談をし、これらから助言を得てから閣僚候補を発表してはどうか、ということだ」と語る。
同議員はその上で、高い信任票を得て、力強く職務をこなすことのできそうな人物を国会に推薦すべきだと提案、閣僚候補として国会に推薦される人物は国会と良好な関係をもった人物であることが必要だと強調して、「高い信任票を得るためにも、〔政府が国会と〕強力かつ真摯な関係を築くためにも、国会関係者にとってよく知られた、受け容れやすい人物を推薦することが望ましい」と注文を付けた。
〔後略〕
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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:16911 )