欧州人権裁判所、トルコ系住民差別でギリシャに有罪判決
2009年07月10日付 Milliyet 紙

欧州人権裁判所(AİHM)は、1998年まで有効だった法によりギリシャの国籍を奪われた西トラキヤのトルコ系住民のために、手本となるような判決を下した。

親戚と会うためにイスタンブルを訪れたことが原因で家族と共に国籍を奪われたベドリエ・ゼイベクさんが起こした訴訟で、裁判所はギリシャに損害賠償を含む有罪判決を下した。

ギリシャは、ゼイベクさんが1984年に夫と4人の子供と共にイスタンブルを訪れたことを、国籍法の19条により、「財産を売って国外に移住を試みた」と解釈し、家族全員の国籍を奪った。これに加えて、ゼイベクさんが「たくさんの子どもを持つ母親」という身分で得ていた年金も打ち切った。ゼイベクさんはこの件をギリシャの法廷に持ち込んだが、良い結果を得られなかった。1998年に関連の法が廃止になったことで、ゼイベクさん家族は、再度ギリシャの国籍を申請した。ギリシャは不十分な口実でゼイベクさんの夫と一番下の子供に国籍を与えなかった。国籍を得たゼイベクさんは年金を申請したが、今回も子供全員がギリシャ国民ではないために拒否の回答を受けた。

ゼイベクさんの訴えを調査した欧州人権裁判所は、ギリシャが、ヨーロッパ人権条約の所有権の維持と差別の禁止に関する事項を侵害していると裁いた。欧州人権裁判所は、ゼイベクさんの申請がギリシャの国籍に関する法によってではなく、国民の血統の原則に基づいて審査されたことを、「驚くべき」こととした。欧州人権裁判所は、ギリシャの司法の取り組みが、客観的で明確なものではなかったことを強調し、ギリシャ政府がゼイベクさんに対して裁判費用を含む総額15955ユーロ(約205万円)の賠償金を支払うようを決定した。

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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:16917 )