PKKと「ダム闘争」―紛争地域で進むダム建設
2009年07月11日付 Radikal 紙

国家水道総局の地図によれば、特にシュルナク付近のPKKキャンプ前方にダムを建設し、水による防護壁が築かれる予定である。ハッキャーリ国境では4つのダムが建設される予定である。

ハッキャーリ―北イラク国境において昨年、国家水道総局(DSI)によって建設が開始され、2010年から2011年にかけて完成すると計画されているダムの運用開始により、PKKのメンバーが国境地帯においてかつてのように自由に行動できなくなるといわれている。民主市民党員は「水で国境が引かれようとしています。ダムのせいでこの地域で強制移住が行われることでしょう」と述べた。

国家水道総局により、イラクとイラン国境地帯でのエネルギー備蓄の目的で作成された計画の枠組みに従い、昨年当該地域において「対PKK安全保障ダム」と名付けられた11のダムの入札が行われ、工事が始まった。シュルナク国境で7つ、ハッキャーリ地域では4つのダムが運用を開始した場合、PKKのメンバーの国境からの侵入を防ぐことになるといわれている。

■洞窟は水に沈む

シュルナク国境のウルデレ郡からハッキャーリのチュクルジャ郡に亘り、国境を形成するアイナテペ(丘)、ギュルブル山、ベネジッキ山、そしてデュウン山の深い谷と戦略地点とPKKのメンバーが当該地域で隠れ家としている何百もの洞窟がダム湖の水に沈む。国境を形成する山々の北イラク側ではPKKの大小の多くのキャンプがある。北イラクのザホ県北部にある国境地帯にあり、最も多く使用されるキャンプのうちのひとつであるハフタニンの隣にあるケジャン、ナズドゥル、ハッキャーリのチュクルジャ郡の向かい側ではメティネとザップ、そしてシェムディンリの向かい側ではアヴァシン―バシャン間とハクルク―ケラレシュのキャンプがある。PKK(メンバー)のシュルナク方面からトルコへの侵入は山を囲むダムの水によって阻止されることになるという。

民主市民党のシュルナク県選出のセヴァヒル・バユンドゥル議員はダムに反対している。ひとつのダムの建設には 着工までの準備期間として通常、2年から3年を要する点に注意を促したバユンドゥル議員は「これらのダムにおいてこの過程は省略されてしまった。そして建設にすぐに取りかかったのだ。このダムが建設される地域では経済的および生態的バランスが崩れてしまう。同時にその谷間の居住地は水の中に沈んでしまうだろう。これは恰も新たな強制移住計画のようだ。これは、地域の無人化計画と呼ぶこともできるだろう。これらのダムによってクルド人の間に政治的、経済的国境線が再び引かれようとしている。他方で、ダムが建設される地域の村々とイラクに住むクルド人はお互いに親戚同士である。イラクとトルコにおけるクルド人は、恰も互いに分断されようとしているのである」

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:16926 )