ロシア紙「ナブッコは、ロシアの石油政策に大きな痛手」
2009年07月15日付 Zaman 紙

一昨日アンカラで各国の首脳が集まり、ヨーロッパのエネルギー調達におけるロシアへの依存度低減のためナブッコ天然ガスパイプラインについて署名が行われた。これについてロシアでは議論が続いている。

インターファクス通信にコメントを寄せたロシアの外務省関係者は、今回の合意を冷静に受け止めていることを明らかにした。
同関係者は「ロシアは、7月13日に署名された合意に冷静に対処するだろう。我々の考えでは、如何なる天然ガスのパイプラインも地政学的な懸念によって建設されるべきではない。また、ここでは経済的な利害が前提となるべきだが、ナブッコに経済的メリットはない」とした。

また、同計画の実施は極端に政治的な意味合いが強いと述べるロシア外務省関係者は、「なんの根拠もなしに、ヨーロッパ諸国のロシアへの依存の低減という話が持ち上がった。しかしロシアの『サウス・ストリーム』計画は、ナブッコと比較すると、経済的基盤もあり、実現性の高い計画だ」と話した。

以前はロシアのメディアで「夢物語」として扱われていたナブッコだったが、その考えに変化が現れている。ロシアでもっとも発行部数の多い新聞のひとつ、コムソモルスカヤ・プラフ紙では「モスクワに対抗する天然ガスのルートが構築された」と題する記事において、ナブッコはロシアにとって大きな脅威であると書いた。またロシア政府が発行するロッシスカヤ・ガゼタ紙の記事では「専門家たちはこれまで長い間ナブッコは早すぎる夢であるとの見方を示していた。…しかしいまや状況は変わったのだ」と記された。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:16959 )