イラクのニネヴェ州で生活するクルド人たちは、アラブ人知事が彼らに対し差別的な政治を行っていると述べ、クルド人が多数の地域で、同様の自治政府をつくると脅しをかけている。
ニネヴェ州の37の行政区のうち16の区で支配権を握っているクルド人は、定数37人のニネヴェ州地方議会で同様に16議席を占めている。
ニネヴェ州議会のクルド人議員たちは、彼らに対し議会で差別的な政策を取ったとする知事と、関係を断っている。クルド人議員のデルマン・ヒタリ氏は、「もし、この問題に対する解決策が見つからなければ、16の区を統治するために、私たちは別のニネヴェ議会を創設しなければならなくなるでしょう」と話した。
モースルを州都とするニネヴェ州では、クルド人が新しい自治政府の活動をボイコットしており、一部のクルド人の町は(アラブ人が支配する)モースル州政府を認めないと語った。
アラブ系のニネヴェ新知事はという、治安上クルド人が住む地域を訪れることができず、同州ではクルド人とアラブ人が敵対するデモを準備している。
■知事:「分離を望む議員は追い出す」
クルド人に対する厳しい発言でもって知られるアスィール・アル=ヌジャイフィ知事は、分離を望む地方議会議員に対し、厳しい対応を取ることを明らかにした。
知事はロイター通信に行った発言で、「彼らが望んでいることは違法であり、これは憲法の下において許されことではありません。基本の議会法をも犯しています。もし、私の(統治する)地域において、地方議会が憲法を犯すようなことがあれば、私たちにはその議会を解散させ、また新しい議会をつくる権限があります」と述べ、対話の扉がまだ開いていることを伝えた。
ムクテダ・サドル氏が指導するシーア派組織が、二つの側の仲介役をしていること、しかし、まだ(この問題が)解決には至っていないことも明らかにされた。
イラク中央政府の代弁者・スポークスマンであるアリ・デッバー氏はというと、対話への呼びかけをしながら、「この衝突は全くもって誰のためにもなりませんし、安定への道も開かれないでしょう。国民から選ばれた全ての権力者が関わりうるような解決策を見つけなければなりません」と語った。
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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:16982 )