豚インフルエンザ感染が疑われる旅行者に対する検疫所でのチェック、強化される
2009年07月28日付 E'temad-e Melli 紙

豚インフルエンザの名で知られるA型インフルエンザ・ウイルスの感染者が新たに9名増えたことを受け、イランでこのウイルスの感染が最大規模にまで蔓延するのではないかとの懸念がこの24時間で拡大した。

 この病気に感染した患者たちの数が増加する中、このウイルスの国内での存在を示す症例が最初に確認されたのは、ホルモズガーン州のある町でのことだった。この情報について、ホルモズガーン医科保健治療大学の学長は、次のように発表していた。「豚インフルエンザ感染が疑われる11名のうち、陽性の患者1名がハージーアーバードで報告された」。

 アーベディー氏によると、感染が疑われ検査を受けた人々のうちの1名から陽性反応が出たという。この患者は17歳で小巡礼から帰ってきたハージーアーバード市民であり、現在薬物治療を受けているとのことだ。

 今回の報道が示すのは、豚インフルエンザの危険は首都圏を飛び出して、むしろその他の都市へと広がったということであり、これ自体、感染拡大への警報とみなすことができる。豚インフルエンザ・ウイルスに感染した患者らの感染経路をみると、ウイルスは小巡礼を行った者たちを通じて持ち込まれたことが、はっきりと見て取ることができる。

(中略)

 感染力の高いこの病気がサウジアラビアから持ち込まれることへの懸念が強まるのに伴い、保健省伝染性疫病管理センター所長のモハンマド・グーヤー氏は、A型インフルエンザの感染が疑われる旅行者の検疫所でのチェック体制の強化を明らかにした。

 同所長は、新たに国内でA型インフルエンザに感染した患者9名が発見されたことについて、メフル通信に「この病気は、小巡礼を行った人々だけでなく、東アジア諸国から帰国した旅行者にも見られる」と指摘する。

 同所長の発表によれば、これまでにこのウイルスに感染した計32名のうち、23名が小巡礼を行った人々だという。同所長は続けて、「保健省は、国境地帯や国際空港に検疫所を設けるなどして、この病気に感染した旅行者の発見に努力している」と述べた。

 同所長はまた、豚インフルエンザの最も一般的な症状として肺炎を指摘し、「このことから、イラン全国の病院で肺炎患者らの検査を行っているところだ」と述べた。

(中略)

 同氏はまた、小巡礼の制限を決めたカイロ緊急会合の決定について触れ、生徒らの小巡礼派遣について、以下のように述べた。「生徒たちの小巡礼派遣に関し、もし健康上特別な問題が発生していないのであれば、生徒らを小巡礼に派遣することを禁止するものではない」。

 同所長の発言の一方で、サウジアラビアではこの病気の感染が悪化の一途をたどっており、巡礼者らの集団が帰国するたびに、イランでの感染者数も増えている。グーヤー所長は続けて、今までこの病気にかかった人々の中に、死亡例の報告は一件もないと指摘した。

(中略)

 その一方で国会衛生保健委員会のマランディー委員は、現在の状況を考えるならば小巡礼に巡礼者たちを派遣することは適当ではないと批判して、イラン学生通信(ISNA)に対し、以下のように述べた。「小巡礼に巡礼者たちを派遣する現在のやり方を続けることは、イラン国内でのインフルエンザ流行の原因となる。このままでは、おそらく我が国は感染の大規模な拡大に直面し、多数の生命が危険にさらされ、多大な経済的損失がイランにもたらされるだろう」。

 なお、WHOは現在世界160カ国で豚インフルエンザ・ウイルスが発見されており、二年後には感染者数が20億人に達する可能性があると発表している。

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( 翻訳者:森田沙里 )
( 記事ID:17082 )