イスラム保守派カフェ、ショッピングモールで騒動の種に
2009年07月31日付 Milliyet 紙

バクルキョイ・キャパシティ・ショッピングモールで、ジャズを演奏するダヴィドフという名のカフェを経営するザフェル・オズチュルクさんが、経済危機のため破産寸前になり、ショッピングモールの経営陣に賃料値下げを要求した。これが受け入れられないと、彼はイスラム保守派の人々向けのサービスすることに解決策を見出した。このために脅迫されたことを明らかにしたオズチュルク氏は、検察に訴え出た。

■オズチュルク氏、検察に訴える

バクルキョイのキャパシティ・ショッピングモールで1年半、ダヴィドフというカフェを経営しているザフェル・オズチュルクさんは、経済危機により客を失うと、イスラム保守派の人々向けのサービスすることに解決策を見出した。ハベルチュルク紙が明らかにしたニュースによると、カフェでジャズの代わりに民謡とイスラム神秘主義音楽を流し始め、ミニスカート姿の給仕の代わりに、スカーフを着けた人を雇い入れた。自らが決めた方法でカフェを閉店から救ったオズチュルクさんのこの「保守的状態」は、ショッピングモールに不安を生み出している。オズチュルクさんは、ショッピングモールの経営陣から「殺人脅迫を受けた」として、検察に訴えた。
23年のキャリアを持つ経営者であるオズチュルクさんは、2007年12月にダヴィドフをオープンさせた。一時はゼリン・オゼルもが週末にステージに上がっていたダヴィドフは、特別な日には外国から来たグループも加わった華やかな催しがあり、アルコールの入った酒類のあらゆる種類が飲め、世界各国の料理から選りすぐりのメニューを提供する場所だった。しかしダヴィドフは、経済危機の影響もあり、最近、多くの客を失い、破綻寸前まで来ていた。

■「心の平安がなくなった」
オズチュルクさんは、経済危機のため賃料の値下げを求めたと語り、その後に起こった事柄を次のように説明した。
「賃料値下げの要求は受け入れられなかった。2万2千ドルに付加価値税(KDV)を加えた賃料に、1万リラ(約64万円)の会費が加わると、私は月に約5万5千トルコリラ(約350万円)を支払わなければならなかった。こうした時、私の新しい共同経営者である実業家、ジェミル・トゥンカのイスラム保守派にサービスを提供するという考えには始めは乗り気でなかったけれど、お客をカフェに集めて、80パーセントの集客率が得られると考えて受け入れたんだ」
新しいスタイルにより、まずアルコールの扱いをやめ、世界の料理からトルコ料理を提供することにしたデヴィドフ・カフェの変化は、従業員にも及んだ。オズチュルクさんは、新聞広告で見つけた10人のスカーフを着けた給仕を、短い研修期間を経て採用した。音楽をジャズから民謡に切り替え、メニューの値段も半額に引き下げた。カフェのこの変化は、ショッピングモールに不安を引き起こした。
オズチュルクさんは、イブラヒム・タトゥルセスの歌を流したために、モールのマネージャーから「警告」を受けたと明らかにし、殺人脅迫を受けたと述べた。オズチュルクさんは、「私はまったく気力をなくしている、絶え間ない圧力と脅迫の下にいるんだ。破綻からは救われたが、命の保障も、心の平安もなくなった。妻と子どもは先週、国外に逃がした、仕事にも一人では行けない。一番最近では7月23日に5人の人が来て、脅迫していった。私はバクルキョイ共和国検察に訴えたよ」と話した。

■「水槽の中にいるようだ」
オズチュルクさんは、ただ商売をしているだけだと話し、「イスラム保守派の人々は大いに関心を寄せてくれている。多くは状況に満足しているよ。以前は1日にチャイ200杯をようやく売っていたところが、今は日に1200杯のチャイを売っているからね」と述べた。
ダヴィドフの新しい給仕は、既婚者か大学生だ。20歳から25歳のスカーフを着けた若い女性らは仕事に満足しているが、困惑している者もいる。結婚して2ヶ月のメリハさんは、「家にいるのではなくて、家庭や夫の役に立ちたいと思ったのです。スカーフを着けているからといって、私たちは自分たちが社会と関わっていないとは思いません」と語った。
給仕のうちギュルスムさんとエリフさんは、何人かの客が、彼女たちがスカーフを着けていることに抵抗を示したために怒りを感じている。ギュルスムさんは、「私たちは水槽の中にいるかのようです、人々の視線がいつも私たちに向けられているのですから」と話した。

■「経験不足でシャイ」
ダヴィドフの昔からの客であるエルサン・アラジャム、アスヤ・アラジャムさん夫妻は、「スカーフを着けた女の子たちを見て驚いたよ、彼女たちは経験不足でシャイだ。それから音楽も不愉快だ、店はうまくいくかもしれないが、それも長くは続かないだろう」と話した。そのすぐ2席向こう側にいたハティジェ・アクチャム、ヤフヤ・アクチャムさん夫妻は、当惑を隠しきれず、「私たちはドイツに住んでいます、私たちもイスラム保守派だけど、スカーフを着けた給仕はヨーロッパでも見ませんでしたよ」と語った。

・以前のメニュー
フランス料理から、鴨のコンフィ、カエルの足
イタリア料理から、パスタ
メキシコ料理から、タコス
中国料理から、ヌードル

・新メニュー
チーキョフテ(引き割り小麦と生の羊肉のペースト)
イシュケンベ・スープ(羊の胃袋のスープ)
クル・ファスリイェ(白インゲン豆の煮込み)
ピラウ
トースト等々

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:17084 )