アシュラフ基地での衝突でMKOのメンバー7名が死亡
2009年08月01日付 E'temad-e Melli 紙
【エッテマーデ・メッリー】米国務長官は、アシュラフ基地の住民らに対して冷静な対応を取るよう、イラク政府に求めた。
ヒラリー・クリントン氏は水曜日、ワシントンでデイヴィッド・ミリバンド英外相との共同記者会見の中で、「アメリカ政府はアシュラフ基地の状況を懸念している。情況の推移を注視している」とする一方、「これは、イラク政府がイラクの法に則って解決すべき問題だ」とも述べた。
BBCによると、クリントン氏はまた、「イラク政府が、迫害を受けたり、政治活動あるいは特定の政治集団の一員であることを理由に死刑が宣告されたりするような国に、アシュラフ基地の住民を引き渡すことのないよう期待している」とも付け加えた。
〔中略〕
イラク政府は木曜日、アシュラフ基地の掌握を目的に行われた衝突で、〔イランの国外反体制組織〕モジャーヘディーネ・ハルグ(MKO、いわゆる「偽善者たち」)のメンバーらイラン人7名が殺害されたことを発表した。
アリー・アル=ダッバーグ・イラク政府報道官はこれより前、「イラクのディヤーラ県にあるアシュラフ基地の掌握を目的に火曜日から始まった衝突では、誰も殺害されていない」と語っていた。
火曜日、イラク軍の後方支援を受けた同国の警官隊は、アシュラフ基地への突入を決定したが、住民の妨害に遭い、このことがきっかけとなって両者の間で2日間にわたる衝突が始まった。
情報筋は現地当局の発表として、MKO側の死者数を11名と伝えている。またMKOの情報筋は死者12名と発表しているが、その一方でイラク政府筋は死者は7名であるとしている。
ジャーナリストらが衝突のあった地域に入ることは禁じられており、そのため独立した第三者が死者数を確定することは不可能な状況となっている。
イラク政府は水曜日に行った自らの発表を翻し、衝突での死亡者の存在を認めた。その一方で、衝突は木曜日で終結したとしている。
イラク政府報道官は、死者が出た原因は治安部隊や軍による発砲ではなく、アシュラフ基地住民が自殺を図ったためだとし、「彼らは軍の車輌に身を投げ出し、自らの意志で死を選んだ」と発表した。
アル=ダッバーグ氏は、自殺による死者数は5名であると発表し、同時に他2名が基地から逃亡する際に、MKOの狙撃兵によって殺されたと伝えた。
〔中略〕
他方、イラク国家安全保障担当顧問は「アメリカはアシュラフ基地にいるモジャーヘディーネ・ハルグのメンバーらをパキスタンへ移動させ、彼らをイランと対峙させようと考えている」と指摘している。
ファールス通信によると、ムワッファク・アル=ルバイー氏は国際紙「アッシャルクル・アウサト」との会見で、「この考え(「偽善者たち」のパキスタンへの移動)は、アメリカがイラクの治安を担っていた時期に米軍関係者の間で提起されたものだ。アメリカ政府は当時、同国にいたモジャーヘディーネ・ハルグのメンバーをイランに対峙させようと考えていたからだ」と伝えている。
その上で同氏は、「しかし現在、情況は変わった。というのもイラク政府が、アシュラフ基地をはじめとする、同国の治安状況の責任を任されるようになったからだ」と加えた。
ルバイー氏は同時に、この組織(モジャーヘディーネ・ハルグ)のメンバーはイランに帰国する権利を持っていると強調しつつ、「イラク政府は国際法及び国際間の取り決めに従う義務がある。彼らをイラクの領土から無理矢理退去させるようなことはしない」とも述べた。
〔中略〕
その一方で、テヘランの赤十字事務所の広報責任者は、「2009年初めから現在までにアシュラフ基地の住民4人がイランに帰国しており、同基地にいる〔モジャーヘディーネ・ハルグの〕メンバー帰国のために赤十字が活動を開始してからイランに帰国した人の数は、計260名にのぼっている」と語っている。
〔後略〕
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( 翻訳者:小澤真理 )
( 記事ID:17116 )