モロッコ国王即位10周年、イスラエルのテレビでモロッコ特集放映
2009年07月29日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ムハンマド6世の即位10周年記念でモロッコ王室と協力
■ イスラエルのテレビ局がモロッコ特集シリーズ番組を放映、メディアでの関係正常化に初の試み

2009年07月29日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ナザレ:ズハイル・アンドラウス(本紙)】

 イスラエルが占領下のヨルダン川西岸地区で入植活動を凍結するのと引き換えにアラブ諸国が善意を示すようアメリカが主張している昨今、イスラエル公式筋が昨日火曜日に明かしたところによると、イスラエルのテレビ局が来週末初めて、モロッコを特集した番組を放映する。モロッコ王室と協力して行われる。

 モロッコを特集した週末の番組放送は、世界モロッコ系ユダヤ人連盟との協力の下で、モロッコのハサン2世前国王の没後10年とムハンマド6世即位10周年記念行事の一環として行われる。

 同筋によるとこのテレビ局は、モロッコで撮影した多種多様の番組を週末に放送し、モロッコの文化と生活様式を紹介する。

 番組では、近代的生活スタイルを受容したマラケシュの古くからの遺産を取り上げ、多彩な大衆市場を訪れたり、民衆芸能や民芸品、文化的な展示品、市内の高級ホテルなどを紹介する。

 これに加えて番組では、モロッコ料理や伝統的な祝祭で使われる香水の神秘が明かされる。また、タンジールやフェズなどモロッコの諸都市で高級居住施設になっている伝統建築も間近に紹介する。

 イスラエルの公式筋によると、モロッコ王室の代表者たちはイスラエルでモロッコに関するシリーズ番組を放映するという考えを歓迎し、番組制作に必要な組織上および制作上の援助を約束した。また、王宮に保管されている品々の一部を提供した。これらの品々はイスラエルのテレビ局では初公開となる。

 放映される番組の中には、「ハサン2世国王に敬意を表した」番組も含まれる予定。この番組は、世界モロッコ系ユダヤ人連盟をはじめ、モロッコや北アフリカのユダヤ人社会の組織や運動体の発案によりテルアビブ大学で行われた会議の活動の一環として撮影された。この番組では、シモン・ペレス大統領や、西エルサレムのラビであるシャローム・マシャーシュ、イスラエル駐在フランス大使、イスラエル駐在のタラール・グフラーニー・モロッコ代表の他2000人以上が会議に出席し、ハサン2世国王への敬意を表している様子が映し出されている。

 なお、イスラエルのメディアが報じたところによると、極右ファシストのアヴィグドール・リーバーマン率いるイスラエル外務省は公式声明を発表し、ニュースで伝えられた内容を肯定している。

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:17144 )