コラム:ファタハ総会での幹部選出における不正疑惑
2009年08月13日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ ファタハの選挙違反
■ クドゥスの見方
2009年08月13日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面
昨日閉会したファタハ総会における中央委員選挙は、その信頼性が疑われている。特に、ナビール・シャアス、ムハンマド・アシュティフ両氏が同数票で当選し、タイイブ・アブドッラヒームに第17センターのポストが与えられたことについて、疑問を呈する声が大きい。
「信頼性」に大きな打撃を与えたのは、アフマド・クレイウ(アブー・アラー)氏の本紙への談話である。同氏は選挙結果を疑問視し、開票作業に「介入」がなされたのではないかという怒りの声がファタハ内部で上がったと述べた。
選挙の手順について反対がささやかれていたが、今やそれは公の選挙違反を疑う声となった。選挙結果や開票作業だけではなく、選挙が行われたその手順全体が問題となっている。
このような問題をもちだすのは選挙に負けた側で、これは世界中で起きていることだと言う人もいるだろう。確かにそうともいえるが、ガザ地区代理者たちの開票作業に関し行き過ぎたことが行われたと、多くの場で言われている。
その立場や人気によって当選するのが当然のファタハ幹部もいるが、通常の選挙であれば当選するはずがない人々もいる。ファタハの公的機関に対する過ちを犯し、圧倒的多数から非難されているような人々である。
20年ぶりのファタハ総会は、組織内の戦列を整えひとつにまとめるものと多くの人が考えただろう。しかし、それはどうやら違ったようだ。この総会やそこで決定されることに反対する人々が、別のファタハ的組織をつくっていると言ってもよい。
ファタハ総会にかけられた期待は、ファタハ内部、総会の内側からの反対により、徐々に裏切られつつある。これは懸念されるべきことである。次段階でファタハは分裂するだろう。実際、「覚醒したファタハ」の名称で、新たな連合をつくる動きが現在起きている。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:17181 )