パレスチナ自治政府首相、入植活動の停止を求める
2009年08月02日付 al-Hayat 紙

■ ファイヤード首相「2国家共存案は崩壊しつつあり、イスラエルは入植活動のもたらす結末に気付くべき」

2009年08月02日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)

【ラーマッラー:ムハンマド・ユーニス(本紙)】

 パレスチナのサラーム・ファイヤード首相は昨日、1967年の境界線に基づく2国家共存案について、「入植活動の圧迫と、イスラエルが入植活動継続に固執する状況の下で、2国家共存案は揺らぎ、崩壊の危機に晒されている」と述べ、「イスラエル政府当局は2国家共存案を達成するチャンスを脅かすこの政策の危険性に気が付いているのだろうか?」と問いかけた。

 ビールゼイト大学でパレスチナ研究所(Institute for Palestine Studies)が開催したシンポジウム「エルサレム、未来の歴史」でファイヤード氏は、「パレスチナの国民的プロジェクトの未来と、中東地域における包括的和平の未来は、エルサレムの地位と歴史を保護するために何が実現できるかということや、エルサレムにいるパレスチナ人民の権利を守る解決案の保障にかかっている」と述べ、「イスラエル社会は、入植政策が2国家共存案の将来にもたらす結末に気付くべきだ」と付け加えた。

 ファイヤード首相は、「20年前に痛みを伴う歴史的な譲歩を行い、歴史的パレスチナの78%の要求を諦めたパレスチナ人民は、1967年の境界線に基づく独立国家となるべき土地に対する国民的な諸権利を縮小させようとする全ての企みを拒否する。この諸権利の筆頭に挙げられるのは、パレスチナ独立国家の主権ある首都としての東エルサレムの問題や、国連決議第194号やアラブ諸国和平提案に基づく難民問題の解決などである」と明らかにした。

 ファイヤード首相は、世界に対して(イスラエルの)入植活動が完全に停止されるまではパレスチナ側に交渉再開の圧力をかけないよう求め、「より弱い立場にある」パレスチナ側に対するこのような圧力は「政治プロセスの権威と諸目的を実現する力の弱体化をもたらす」との見解を述べ、「ダブル・スタンダードは国際社会の政治プロセス支援に対する信用のさらなる低下を招くだけである」と付け加えた。

 また、「パレスチナ側は、エルサレムとその周辺で行われている入植活動を断固阻止する決意だ」と強調し、「それが占領を終わらせ、2国家共存案を具体化する政治プロセスの開始に向けた健全なスタートとなる」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:17192 )