宗教儀式実施をめぐり、緊張―スメラ修道院(トラブゾン)
2009年08月15日付 Hurriyet 紙
グルジア人・ロシア人・ギリシャ人観光客は、船や飛行機でトラブゾンを訪れ、聖母マリアの命日のためスメラ修道院で宗教儀式を行おうとしたが、許可されなかった。スメラ修道院で許可なく儀式を行おうとした人たちと関係者の間に、小規模な争いが起こった。
8月15日朝、船や飛行機でトラブゾンに訪れた約500人のグルジア人・ロシア人・ギリシャ人観光客は、ミニバスやバスで、マチカ市アルトゥンデレ渓谷にあるスメラ修道院に向かった。一行は聖母マリアの命日のためにやって来たもので、その中にはロシア議会代議士であるイヴァン・サイディス氏や、テッサロニキ県知事パナヨティス・ソムヤディス氏、それに聖職者2名の姿も見られた。あるグループは、スメラ遺跡に来ると、ギリシャ語の歌を歌いながらホロン(黒海地方の民族舞踊)を踊った。一行はその後、スメラ修道院を目指した。ここで一行は蝋燭を灯して宗教儀式を行おうとしたが、許可されなかった。石の上に置いて灯された蝋燭の火は博物館担当者に消され、修道院に蝋燭をもちもむことも引き止められた。
ロシア人代議士サイディス氏、テッサロニキ県知事ソムヤディス氏と共に2名の聖職者が修道院に来た後、一行がキリストの絵の前で蝋燭を灯し、儀式を行おうとすると、トラブゾン博物館長ニルギュン・ユルマゼル氏が介入し、蝋燭を取り上げて消した。ユルマゼル氏は、ここで宗教儀式を行うことは法律に反していると言い、今いる場所は落石の危険性があるためここから離れてほしいと話した。
ロシア人代議士のサイディス氏はこの間に祈りを捧げていたが、それを妨げようとする博物館長ニルギュン・ユルマゼル氏、更にはテッサロニキ県知事ソムヤディス氏との間にちょっとした揉み合いが生じた。揉み合いには、スメラ修道院に駐在する警備員が介入した。その後、ロシア人代議士イヴァン・サイディス氏とパナヨティス・ソムヤディス県知事は、観光客一行にロシア語とギリシャ語で、それぞれ短い演説をし、一行と共に祈りを捧げた。観光客は、その後修道院を見学し、帰っていった。
後に記者の質問に答えたテッサロニキ県知事のパナヨティス・ソムヤディス氏は、8月15日という日の意味について触れ、以下のように述べた。
「スメラ修道院は、世界中の団体のために開かれた場所です。我々はここに、政治のために来たのではありません。ただ信仰のためにここにいるのです。我々の信仰の求めるところに従いここに来たのであり、十字を切るのです。ここでは皆がこれを行います。神に祈りを捧げるためにここにいるのです。知っておいていただきたいことですが、テッサロニキ県は、トルコ系市民に対し常に優先権を与え助けてきました。数多くの事柄において、彼らを助けています。」
ソムヤディス県知事は、修道院で礼拝は禁じられていると指摘されると、「ここでは、どこにもそんなことは書いてありません。全ての物事を法律で禁止することは不可能です。我々はここに、感謝を捧げるために、また宗教上必要なことを行うためにやって来ました。トルコもこれを理解し、私たちの関係がもっと発展することを願っています。私はポントス出身、トラブゾン出身です。それからギリシャ人でもあります。テッサロニキ県長です。私の家族はここで生まれ、ここで暮らしました」と話した。
トラブゾン県知事レジェプ・クズジュク氏は、これら観光客の宗教儀式の要求に関する質問に答え、例年のようにこの観光客一行は宗教儀式の実施を申請したことを明らかにし、「彼らには、スメラが博物館であることを申し上げ、要求を却下しました」と述べた。
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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:17198 )