メスバーフ=ヤズディー「アフマディーネジャードに従うことは、神への服従」
2009年08月13日付 E'temad-e Melli 紙
【政治部】ゴムの高位の宗教指導者でありマフムード・アフマディーネジャード氏の最も有力な支持者であるモハンマド・タギー・メスバーフ=ヤズディー氏は、大統領に従うことは神に従うことだとの見解を示した。
イマーム・ホメイニー教育研究所所長である同氏は昨日、全国バスィージ芸術家セミナーの席上で、ヴァリーイェ・ファギーフ〔最高指導者〕は「時のイマーム」〔お隠れの第12代イマームのこと〕の代理人であると指摘し、次のように述べた。「大統領が最高指導者から任命および承認され、彼の代理人となる時、彼のもとに光が輝く」。
同氏はまた、「大統領がヴァリーイェ・ファギーフから〔大統領就任の〕命を受けたならば、彼に従うことは神に従うことと同様である」と付け加えた。
一宗教指導者が大統領の行政命令をアッラーの命令と同列に位置づけ、それへの服従をイスラーム法上の義務としたのは、シーア派法学史上、恐らくこれが初めてのことだと思われる。
これまで、シーア派法学の原則によれば、ガイバ〔第12代イマームのお隠れ〕の間、神の命令を判断することは、もっぱら全ての条件を備えた法学者の権限の中に含まれていた。そしてそれ故、ヴェラーヤテ・ファギーフ(法学者の監督)論、及びイラン・イスラーム共和国憲法では、国家元首は法学者の中から選ばれるのである。
メスバーフ=ヤズディー氏は、〔‥‥〕マフムード・アフマディーネジャード氏の命令に従うことは神への服従と同義だとする一方で、このような権威をイラン・イスラーム共和国の他の〔歴代の〕大統領には認めてこなかった。
同氏はセイエド・モハンマド・ハータミー大統領時代に、しばらくの間、テヘラン金曜礼拝の説教前の演説者として、イスラーム的統治の基礎について解説を行っていたが、その中で、「大統領の命令に従うことはイスラーム法上の義務である」といった内容に言及したことはなかった。
〔中略〕
最高指導者専門家会議の議員である同氏によると、アフマディーネジャード氏の性格的な、そして発言上の特長が、彼を宗教的統治体制における大統領として最もふさわしい人物とさせている。メスバーフ=ヤズディー氏と彼の弟子たちが、今回そして4年前〔の大統領選挙で〕、宗教指導者や敬虔な信徒たちの中でも、アフマディーネジャード氏を最も強く支持する立場にいたのは、このことによる。
政府とマルジャ〔シーア派の宗教最高権威〕たちの関係が、アフマディーネジャード氏とその側近たちの一部の決定や対応によって悪化していた時にあっても、メスバーフ=ヤズディー氏は宗教指導者たちの〔アフマディーネジャードへの〕相次ぐ批判に歩調を合わせようとはしなかったし、少なくとも反政府的なスタンスをあらわにすることを、よしとはしなかった。同氏のアフマディーネジャード氏への支持には、これほどまでに強いものがあったのである。
〔中略〕
メスバーフ=ヤズディー氏は昨日もまた、「大統領への服従」という考え方をヴェラーヤテ・ファギーフ論に関する自身の見解の中に潜り込ませ、それに理論的な骨組みを与えた。
メスバーフ=ヤズディー氏はバスィージ芸術家セミナーで、次のように指摘した。「最近国内で起きた一連の出来事は、ヴェラーヤテ・ファギーフ論を標的にしていた。〔国を〕揺るがすこれら一連の事件はいずれも、国の政治体制からヴェラーヤテ・ファギーフを排除することを目論むものであった」。
同氏は、ヴェラーヤテ・ファギーフこそ革命の魂であり、この統治の際立った特色であるとして、次のように述べた。「敵たちは、〔体制を支える〕基礎の排除、ないしは弱体化を望んでいた。この一連の出来事の中で、一部は意識的に、一部は騙されて、このような行動〔=暴動〕を起こした」。
イマーム・ホメイニー教育研究所所長はその上で、「ヴァリーイェ・ファギーフ〔最高指導者〕は『時のイマーム』の光を保有し、人々もまた彼〔=最高指導者〕を『時代の主』の正当な代理人としてみなしている。そのため、彼への服従は『時代のイマーム』への服従と同様に必然的だと考えられている」と加えた。
〔※「時のイマーム」「時代の主」「時代のイマーム」はいずれも、お隠れの第12代イマームのこと〕
さらに同氏は、「ヴェラーヤテ・ファギーフはイスラーム的統治の根本である。他のどのイスラーム諸国・国民も同様の統治体制を持ってはいない。このことが、世界の多くの諸国民が我がイスラーム国家に関心を抱き、注目する原因となっている」とも語った。
同氏は〔・・・〕、「最高指導者が法を認めるならば、法的に承認されたものはすべて、礼拝や断食と同様に、人々にとってイスラーム法上の義務となる。これは人々に対する統治者の権利の一つである」と述べ、さらに以下のように付け加えた。「イスラーム革命の勝利後、人々はヴェラーヤテ・ファギーフへの服従や愛は、神への服従や愛だと考えた。〔イラン以外の〕世界のどの場所にも、このような事例は存在しない」。
イマーム・ホメイニー教育研究所所長は、ヴェラーヤテ・ファギーフこそ国家の勝利と維持の要因であり、敵の陰謀を排除してきた根本であるとして、以下のように述べた。「我々の社会では、この原理にしかるべき関心が払われてこなかったし、今も払われていない」。
また同氏は「革命以前は、政教分離を理由にウラマーはこの領域に立ち入ろうとはしなかった。しかしながら、宗教は政治そのものである。このスローガンは殉教者モダッレスが提起し、イマーム〔・ホメイニー〕が実践したものに他ならない」と指摘した。
同氏はさらに、「現在、我々の宗教文化では敬虔な者は皆、ヴェラーヤテ・ファギーフを支持している。しかし、〔革命から〕30年がたったいまでも、いまだこの原理はしかるべき程度には定着していないのが現状だ〔=敬虔な者であっても、ヴェラーヤテ・ファギーフをきちんと理解していない者もいる〕。最高指導者への服従という原理は聖法に則ったものであり、我々の宗教の一部を構成している。最高指導者もまた全力を尽くしてイスラームの法規定の実現に取り組み、人々の必要を叶えなければならない」と付け加えている。
メスバーフ=ヤズディー氏はその上で、「いかなる階層・年齢層に属していようと、全ての人は最高指導者に責任を負っており、力の限り彼を支持しなければならない。この支持は、特別な階層の人々や国家の責任者らに限られるものではない」と語った。
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( 翻訳者:小澤真理 )
( 記事ID:17238 )