宗教都市ナジャフに空港開港、投資先としてもイラクで最有力
2009年04月25日付 al-Hayat 紙

■  空港が世界中から観光客を引き寄せる...ナジャフは投資でイラク諸都市のトップ

2009年04月25日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP1面

【ナジャフ:ファーディル・ラシャード】

 ナジャフで宗教観光が止んだことは一日もないが、最近は空港の開港に伴い、大いに活況を呈している。空港は新たな層の訪問客や投資家を引きつけている。

 イラクでは外国人の移動がいまだ制限されているが、ナジャフにはより自由があり、アラブ国籍(バハレーン、サウジアラビア、クウェート、レバノン)やその他の国籍(イラン、インド、パキスタン)を持つ大勢の観光客が滞在し、名所を巡ったり買物をしたりレストランに入ったりしている。また、こうした場所でも外国籍の労働者が雇用されるようになってきた。

 この都市に投資を引き寄せた最大の誘因はナジャフ空港であった。加えてナジャフの行政当局はインフラを強化する数々の公共サービス関連プロジェクトを実施し、街路を整備し、散策場所や公園を設置してきた。

 昨年末に開港したナジャフ空港は、既に804便と旅客72,360人を迎え入れている。同空港のナジャーフ・アル=バラーギー運営局長は本紙に対し、職員たちは「この一日あたりの航空機と旅客の数を嬉しく思っている。これら全ては、世界各地からやってくる旅客を送迎する空港管理スタッフの高度な職務能力の証である」と語った。

 また、「我々は航空当局にナジャフ空港の最新情報をお知らせし、最近の会議では、更なる詳細を間近に見聞してもらうため、代表を任命して空港内に配置するようにお願いした」と話している。

 ナジャフ市は最も投資家を引きつける都市とみられており、クウェートの企業アキーラ社は世界クラスの近代都市ナジャフを建設する予定である。建設は今年末までに着工の見通しで、22平方キロメートルの敷地で10年後に完了予定である。

 またこのクウェートの企業は380億ドルを投資しナジャフにイラク初の最も高い超高層ビルを建設する契約を結んだ。ここ数年間でイラクに対する投資の受け入れ先として内訳の最大を占めたのは、宗教観光市場が人気を集めるナジャフであった。

 ナジャフ市の経済計画担当者たちの話では、ナジャフは実質的な投資規模として1000億ドルを必要としているが、今のところ400億ドルにしか達していない、という。

 任期を終えたアブドゥルフサイン・アブターン副知事は本紙に対し、「宗教観光が伸び、この県に連日やってくる訪問客の数が増えたことにより、特に空港の開港後、ナジャフでは観光や宿泊その他のサービスで新たな需要が生まれている」と述べた。

 また、「ナジャフ県は様々の経済的な要素を有する都市であり、それゆえ経済的に発展した諸都市の中に数えられることになった」と語る。

 さらに、「空港プロジェクトはナジャフをイラク第一の経済都市にするうえで最も重要である。ナジャフは世界中から何百万人ものシーア派の人々を迎え入れるために整備されており、経済的な役割は一層深まるだろう」と話した。

 またアブターン副知事は、「ナジャフ県への投資としては他にも、レバノン、イラク、クウェートの企業との20年から25年にわたるBOT方式でホテル10軒を建設する契約、世界的企業であるフサイン・ダシュトとのクーファに観光都市を建設する8400万ドルの契約、イラン企業からの1200万ドルの投資による7階建ての最新式の病院の建設などがある」と挙げてみせた。

 政治家らによれば、ナジャフは安定した治安に恵まれており、この治安の安定が投資ムードを広める助けとなったが、一方でナジャフは、この都市を政治上の主要中心地と見なしている宗教権威や諸政党を通じて、イラクにおける政治的決定の主要中心地へと変化しており、このことがナジャフに明るい見通しが広まる別の要因となっている。ナジャフは以前にイスラーム最高評議会によって中部・南部地域の首都にしようと提案されたこともある。

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:17278 )