ビロード・クーデター裁判の被告たち、選挙でのメフディー・ハーシェミーらの違法行為を告白(1)
2009年08月26日付 Iran 紙
私はサイト「ジョムフーリーヤト」の名目上の責任者でしたが、実際は同サイトの正式な責任者は〔ラフサンジャーニーの息子の〕メフディー・ハーシェミーでした。このことから、まずは第9期大統領選挙をめぐる問題について、説明をさせて下さい。
私の供述は、圧力によるものでも、誰かの意見を押しつけられたものでもありません。最近の公判での一部被告らの発言について、そのような疑いがもたれていますが、そうではありません。
82年〔=2003/4年〕、私は〔アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニーの弟で元イラン国営放送総裁の〕モハンマド・ハーシェミー=ラフサンジャーニーの勧めで、「燃料消費効率化機構」で働くことになりました。同機構に入社し、仕事を始めると、アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーが第9期大統領選に出馬する意向をもっていることを知りました。
まず指摘しておかねばならないのは、燃料消費効率化機構では、メフディー・ハーシェミーが大きな役割を担っていたということです。彼は、イランでの選挙〔への立候補〕は公金を用いて行われるものであり、そのために自らの懐を痛める必要はないと考えていました。もちろん、私は選挙〔への立候補〕のために公金を使うことは違法であると警告しました。しかし、メフディー・ハーシェミーは聞き入れませんでした。
燃料消費効率化機構は、燃料消費の削減・効率化のための業務を行うことを、その本来の目的とした機関でした。この機構は様々な企業と契約を結んでいましたが、そのような企業の一つにテレビ広告をはじめとする広告一般の制作を行う、アミールアリー・アーガーヤーリーが経営する企業がありました。
燃料消費効率化機構と契約を結んでいた企業の社長はみな、メフディー・ハーシェミーの友人たちでした。彼らは「効率化事業」の名目でお金を受け取り、メフディー・ハーシェミーが支持する〔大統領選の〕候補者〔=アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニー〕用の選挙宣伝を行う準備を行っていました。これらの企業は偽造された文書にもとづき、メフディー・ハーシェミーのための宣伝活動を請け負っていました。
ある企業は、5億トマーン〔=約5千万円〕で100万冊の冊子を印刷する仕事を請け負っていましたが、彼らが実際に印刷したのは2万5千冊でした。浮いたお金はあメフディー・ハーシェミーが意図する宣伝〔=ラフサンジャーニーの大統領選の宣伝〕に使われました。
メフディー・ハーシェミーはマネーロンダリングを企んでいました。彼は効率化機構からお金を引き出しては、ドル=リヤールの両替を繰り返していました。なぜそんなことをするのか訊いたところ、彼は「こうすることで資金の出所を分からなくさせているんだ」と言っていました。
メフディー・ハーシェミーの圧力によって、彼の父親、すなわちアーヤトッラー・アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニーの第9期大統領選挙用の宣伝費用を捻出するために、燃料消費効率化機構からお金が引き出されていました。メフディー・ハーシェミーは父親の選挙での敗北後も、同じことを続けました。残ったお金は、父親のために宣伝活動を行った企業への債務返済として、支払われました。
これらのお金は、父親の宣伝のためではなく、燃料消費の効率化を呼びかける宣伝のために使われなければならなかったにもかかわらず、メフディー・ハーシェミーはこのような行為に手を染めていました。彼が第9期大統領選での父親の宣伝費用として使ったお金は、20億トマーン〔=約2億円〕に上りました。
メフディー・ハーシェミーは、「選挙に向けて、メディア強化に着手しなければならない」と私に言ってきました。その数日後、ある会合の中でジャースビー〔アーザード大学総長〕が私に、「アフマディーネジャードでなければ、誰でもいい。彼以外の人物が大統領になるよう、あらゆる手だてを尽くせ」といってきました。
私たちはそこで、「ジョムフーリーヤト」というサイトを立ち上げました。同サイトの正式の運営責任者はメフディー・ハーシェミーでした。その数日後、ジャースビーはそれまでの態度を変え、「選挙では中立な立場でいたい」と述べて、ジョムフーリーヤトの活動停止を命じてきました。しかしハーシェミーの圧力によって、このサイトは存続することになりました。
ジョムフーリーヤトは当初、選挙では特定の候補者を支持し、第9期政権に対しては批判的な立場を取る予定でした。しかしメフディー・ハーシェミーの圧力によって、このサイトはバスィージや革命防衛隊といった軍組織、さらには政府系機関を弱体化させることを目的としたサイトへと変貌していきました。このサイトはまた、政府による公共サービスをバラマキだと批判し、さらには事実にもとづくことなく、選挙不正疑惑を吹聴するようになりました。
ムーサヴィーと彼の選挙本部は選挙結果の発表後、人々の票を認めないという行動に出ました。ムーサヴィーのこのような行動は、〔法の遵守を叫ぶ〕彼のスローガンとは相容れないものであることを指摘しておかねばなりません。〔違法デモ・集会に参加させるために〕人々を通りへと連れ出すことは、国の法律・ルールに反する行為であり、体制のイメージを傷つけるものでもあります。
( 翻訳者:斉藤正道 )
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