ツナミのよう・・・
マルマラ地方が洪水の災難を被った。洪水により現時点で10名が死亡し、海と陸が1つになった。特に沿岸地区では家屋や店舗が浸水した。交通機関は麻痺し、エディルネ方面のヨーロッパ横断(TEM)自動車専用道路は一時期通行止めになった。セリムパシャ、チャタルジャ、シリヴリおよびサライの各郡で、大部分が洪水の被害を受けた。最大の悲劇といえば洪水に遭遇したある牧場で発生した。洪水で一家が全滅し、E5号線とTEM自動車専用道路は長時間、閉鎖されていた。水に囲まれながらも生き残った人々は、軍のヘリコプターによって救助された。
マルマラ地方とトラキヤ地方は激しい豪雨に遭遇した。イスタンブルのセリムパシャでは過度の降水量によって国道E-5号線が通行止めになった。何十台もの乗用車が大水の中に取り残された。車に取り残された人々を救出活動が行われているた。
沿岸部に住む人々は水没した家屋に取り残された。彼らは消防隊のボートによって救出された。
この豪雨により、エディルネ方面のTEM自動車専用道路も交通止めとなった。TEM自動車専用道路及びE-5号線は、翌日午後になり、ようやく通行止めが解除された。
■7人の遺体を確認
サライ郡も洪水の損害を被った。サライ郡に属する多くの村で家屋及び農場や牧場が大水に屈した。ギュンギョルメズ村のある牧場では洪水に飲み込まれ、5人が亡くなった。昼頃までに3人の遺体が確認されている。バフチェキョイでは2人が亡くなり、チャタルジャでは救助隊が夕方頃に2人の遺体を確認した。けが人はシリヴリ、セリムパシャ病院とインターナショナル病院で治療を受けている。3人が行方不明となっている。テキルダーに対して首相府は、25万トルコリラ(日本円に換算しておよそ1500万円)を『緊急手当て』として送った。
■各地の被害状況
洪水と浸水によってマルマラ地方では多くの家屋や職場、学校や国立病院などで損害が生じている一方、災害を受けた各郡で被害状況の確認作業が始められた。
テキルダーでは家屋8棟、工場3棟、家畜の囲いと橋が1つずつ壊れ、家屋12棟と農牧場1つが浸水した。
イスタンブルでは洪水によって1700棟の家屋、及びコテージと工場が浸水した。損害をうけた20戸の鉄筋住宅から人が撤去させられた。
シリヴリとセリムパシャでは7、8校、チャタルジャ、シリヴリ、セリムパシャの国立病院が洪水の被害にあった。58台の自動車と15から20隻の船も損害を被った。
これに対してトルコ赤新月社(訳注:イスラム圏では赤十字社をこのように呼ぶ)は2県ごとに合計毛布600枚、食料の小包200個、テント10張り、寝具及びベッド33台、調理台20セット、寝袋174個、マットレス26台および飲料水ペットボトル1160本を送った。
■捜索救助隊が組織される
捜索救助隊はヘリコプター6機、多数の船と公共機関や民間の所有する多数の重機から構成されている。捜索救助隊に加わっているのはイスタンブル市民防衛捜索救助部隊局、第1団司令本部及び司令本部付属の部隊に所属する救助隊、北部海区域司令本部、森林地区管理局、沿岸警備司令本部、イスタンブル広域市(IBB)捜索救助隊、消防局、イスタンブル上下水道管理局(İSKİ)、IBB道路管理局、第1公道管理局と警察及び軍警察である。
■8名が消息不明
イスタンブル広域市が行った会見で、チャタルジャで4名、シリヴリで4名が消息を絶っており、捜索が続けられていると発表された。
■床上浸水多数――イスタンブル
街に被害を及ぼし、一晩中ふり続けた豪雨によってシリヴリ、チャタルジャ、キュチュクチェクメジェ、アヴジュラル、カルタル、ペンディクおよびトゥズラも影響を受けた。
シリヴリとチャタルジャでは洪水によって水没の被害をうけた住民達が消防によって救助された。家屋及び工場に入り込んだ水は消防隊及びİSKİのチームによって排水された。
この間にも、チャタルジャ国立病院の外来患者診療所でも洪水が押し寄せ、消防隊及び森林地区管理局の救助隊によって排水作業がなされていることが明らかになった。
チャタルジャ市のジェム・カラ市長は、「あらゆる力を動員しているが、力が及ばない。周辺の市への援助も求めた。市内の各地で救援活動を続けている」と述べた。
イスタンブルにおける洪水被害により、ムスタファ・コチ、イブラヒム・シェムハム、ガムゼ、オヌル、ギュルシャフ・テク、ヌルセル・カプラン、アイハン・タシュ、スドゥカ・シェンギュレル、ズハール・ダヴルジュ、メティン・チャブク、ジョシュクン・ポイラズとアズラ・マナヴが怪我をした(敬称略)。
■ペンディクの5階建ての建物に落雷
豪雨の間、ペンディクにある5階建ての建物の最上階に落雷があり、火災が発生した。この火事は現場にきた消防署の隊員によって他の階に飛び火する前に消し止められた。
■北東の暴風により島への航路が通行差し止めに
エーゲ海北部に影響を及ぼした暴風は、ギョクチェ島‐カバテペ間とボズジャ島‐ゲイクリ間のフェリーの出航にも被害を及ぼしている。
時折時速70キロを越える北東からの暴風により、まず午前7時のギョクチェ島発カバテペ行きの航路が差し止めになった。ゲイクリ発ボズジャ島行きは、午前7時30分着のカーフェリーが航行したものの、午前10時の便は悪天候のため延期されることになった。
■バルクシルでも1人が消息不明
バルクシルのギョネン郡デレキョイで橋を渡ろうとしたハサン・ユルマズさん(64)がバランスを崩し、水かさの増した渓流に落ちて消息を絶った。サルキョイでも道路が崩壊し、浸水した車に乗っていた4人が救出された。
マルマラ地方を襲った激しい雨はギョネン郡においても生活を麻痺させている。郡内のデレキョイで橋を渡る際にバランスを崩したハサン・ユルマズさんは、大雨によって奔流と化した渓流に飲み込まれて行方不明となった。ユルマズさんの安否を確認する捜索活動が続けられている。
同じくギョネン郡内のサルキョイ周辺でも道が崩落し、洪水に囲まれた車に乗っていたアリ・コヌクさん、べヒチェ・コヌクさんと身元不詳の女性と子どもの4人が村人によって救出された。
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( 翻訳者:高岡望結 )
( 記事ID:17400 )