イスタンブル洪水惨事、死者数30人超

イスタンブル県知事ムアッメル・ギュレルは、朝からの大雨により起こった洪水で、バシャクシェヒル、ハルカル、キュチュクチェクメジェで24名の市民が死亡したと説明した。ハルカルで死亡した7名は織物工場へ行くため外へ出た女性労働者であると報告された。

イキテッリTIR（訳注1）トレーラーの車庫で4名の遺体が発見され、死者の数は増加した。TIRトレーラーの車庫で死者の数が増加し、さらに車内で窒息死した3人の運転手の遺体が発見されたことが明らかにされた。

スィリヴリで始まり洪水の原因となった大雨が今回はイスタンブルを襲った。イスタンブルではイキテッリ、ギュネシュリ、キュチュクチェクメジェ、ガーズィーオスマンパシャといった地区で何百もの家屋と会社が、排水路から溢れた水中に沈んだ。イスタンブル県知事ムアッメル・ギュレルは、バシャクシェヒルとキュチュクチェクメジェで24名の市民が死亡し8名が行方不明であると述べた。

■ 7名の織物工場女性労働者が送迎バス内で死亡

ハルカルにある織物工場の労働者10人を乗せた送迎バスが、工場の庭へ入ったところで水中に沈んだ。バス内の3名が救出される一方、車から降りることができなかった7名の女性労働者が窒息死した。

■ TIRトレーラーの車庫で死者数増加

ハルカルで7名が窒息死したと推測される一方、朝の時間帯にイキテッリTIRトレーラーの車庫で発見された遺体の数は4人となった。この地域で遺体の捜索を続ける救助隊はさらに3人の遺体を発見した。

行われた活動で、同地域でさらに2名の遺体が発見され死体公示所へと運ばれた。TIRトレーラー内で挟まっている1名の遺体も取り出そうとしている。遺体のうち1人は同地域で羊やヤギを放牧していた羊飼い、もう1人は車庫の警備員であることが明らかにされた。車庫にある車はすべて使用できない状態になり、洪水により死んだ羊やヤギの死体も発見されている。

■ 数名の死者の名前が明らかになった

イスタンブルの洪水で死者の名前は非公式情報によると次の通り。ハルカル・パメックス織物工場の送迎バスでの窒息死者はネバハト・サルクム、ヌリイェ・タシュ、ビルジャン・カラタシュ、オズデン・ビナル・フィクリイェ・オゼン、アルトゥン・ユクセキ、メビデ・クルジュ。イキテッリ・オスマン大型トラックの車庫での死亡者はスレイマン・スレイマンオール、ケンダル・ギョレンチ（35）、セルカン・ギョゲル、アリ・カラギョル、サリム・オズタチ、セルハト・ギュレル（17）、その他身元不明の4名。

ハルカルにあるNAS織物工場で死亡した2名とセデフTIRトレーラーの車庫で死亡した1名の身元はまだわかっていない。
アルトゥンシェヒルでは31歳のムラト・アクタイが、カナルヤ地区では17歳のカーン・チェティンカヤが行方不明だ。

■ ヨーロッパ横断自動車専用道路(TEM)も水中に沈んだ

イキテッリ・バスンエクスプレス通りはアヤママ川の決壊を受け、(同道を用いて)会社へ向かっていた送迎バス、市営バス、乗用車が水中に沈んだ。車とバスの上で身動きがとれなくなった市民が救出されるのを待つ一方、イスタンブルのあらゆる地区で何千もの市民がこの洪水で消防隊に助けを求めた。この間、洪水が起こった高速道路では車が洪水による大量の水で流されるという光景が見られた。チャタルチャとスィリヴリへ干渉していた消防隊と救援隊には、超過降雨があったイスタンブルへ行くようにと指示が出始めた。雨が原因でエセンレル、バージュラル、ガーズィーオスマンパシャ、キュチュクチェクメジェで何百もの家屋や会社、地下道が沈んだ。消防隊が市民を水中から救出した。

■ 車内で生死をさまよった

大雨が降るたびに溢れ周囲に危険をもたらすアヤママ川は、再び決壊しバスンエクスプレス通りを水中に沈めた。何百もの会社が水中に沈んだイキテッリ・ギュネシュリ地区で、市民は車の上に上り助けを待った。洪水による大量の水により、川の周囲にあるすべての工場が水中に沈んだ。洪水による水はいくつかの工場の3階(日本での4階)まで到達した。車内で身動きがとれなくなった人々の大部分は自力で助かった。

■ 川が早い時間に決壊したことが大災害を防いだ

アルママ川は、6時30分頃バスン高速道で交通量が多くない時間帯に決壊した。洪水により特に送迎バスが被害にあった。交通量が多い時間帯であったなら、何千もの自動車が洪水により流され大混乱が起こるところであった。しかし川が早くに決壊したことがこれを防いだ。洪水で動けなくなった送迎バスと市営バスは消防隊が救出した。

■ 消防隊はイキテッリTIRトレーラーの車庫で遺体を捜索中

洪水によりイキテッリTIRトレーラーの車庫にある車が流される一方、車内にいる運転手の捜索活動が始まった。消防隊はTIRトレーラーを1つずつ調べている。

訳注1：道路走行車両による貨物の国際運送を容易にするため締結された国際道路輸送（TIR）協定に基づき行われる国際運送のこと。

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（翻訳者:釘田遼香）
（記事ID:17410 )