高等教育機構の「現存言語研究科」提示に反発—マルディン・アルトゥクル大学学長
2009年09月14日付 Radikal 紙
マルディン・アルトゥクル大学のオマイ学長は高等教育機構が提示した「現存言語研究科」の名称に反発を示した。
マルディン・アルトゥクル大学のセルダル・ベディイ・オマイ学長は、クルド言語文学科を開設するために高等教育機構に申請したが、「現存言語研究科」という名称で承認されたことに反発を示した。オマイ学長は、この承認は世論の期待に沿わないと説明し、「『クルド学』ではなく『現存言語』という表現を使うことは、我が国から分離されえない要素であるクルド民族を刺激するだろう」と語った。
マルディン・アルトゥクル大学のセルダル・ベディイ・オマイ学長は、高等教育機構が大学組織内に「現存言語研究科」を設立することを承認したことについて、書面で声明を出した。オマイ学長は、クルド言語文学科に学士号を目指す学生を受け入れるために申請を行ったが、許可を得ることができなかったことに反発を示した。オマイ学長は、クルド語教育の要望が、高等教育機構によって「現存言語研究科」の名で達成されることは、世論の期待に沿わないとした。また、「クルド学科」についても設置要望を継続していく考えを明らかにし、以下のように述べた。
「マルディン・アルトゥクル大学は、社会科学系大学として我が地域、国家の実像へ向けての新たな知的探求を推進することを目標とし、2008年11月以来クルド言語文学科開設の準備を行ってきたが、件の要望が高等教育機構に受け入れられなかった。研究科申請も、異なる名称と内容で以て承認された」
セルダル・ベディイ・オマイ学長は、以下のように声明を続けた。
「この決定がなされることで、以下の現状が明らかになった。クルド言語文学科あるいは同講座名で、大学講座を開講することに関しての我々の要請は受け入れられなかった。この理由として、教員が見つからないことが指摘された。『マルディン・アルトゥクル大学クルド学研究科』という我々の要望は、『トルコ現存言語研究科』という名称に変更され、この研究科でアラビア語、ペルシア語、シリア語に続いてクルド語について学問研究が可能だと提示された。現在、当大学の教員および海外の大学から招聘予定の教員により、マルディン・アルトゥクル大学はクルド言語文学という分野で、大学教育及び大学院教育を行う準備ができている。さらに、大学院教育を行う教員にとって、学部指導はより容易に行うことができる。新たな教員の育成を待っていたら、大学教育をはじめるのは7,8年後ということになってしまう」
オマイ学長は、トルコにおける「現存言語研究科」という枠組みに含まれようとしているアラビア語、ペルシア語は現在、諸大学で東方言語という中で学ばれているため、そのためクルド語だけが取り残されていることを強調し、「一つの学問としての確立が1787年まで遡り、現在世界30ほどの大学で、学部、学科、研究所、コースといった様々な個所で研究されるクルド学が、我が国では同じ名称の下で研究できないとするのは、学問的観点から説明するのは難しい。クルド学の代わりに『現存言語』という名称の使用は、我が国の分離されざる要素であるクルド民族を刺激するだろう。我が国の分離されざる要素であるクルド民族の言語や文学といった分野での大学教育や修士、博士コースが設置されることになるクルド学研究科の開設は、社会的平和と統合に大きく寄与すると信じている。世論を反映し、多大な支持を得ているクルド言語文学科講座とクルド学研究科設置は、我々の恒久の願いである」と述べた。
マルディン・アルトゥクル大学のセルダル・ベディイ・オマイ学長は、クルド言語文学科の開設のために行ってきた準備について触れた。オマイ学長は、「クルド学」科を創設するため、2009年2月12日に国内の多くの専門家招集し、検討会を実施し、また今後必要となるであろう、大学組織としての土台を作っていくため、クルド語の分野の専門家の教員を大学に受け入れたと語った。オマイ学長は以下のように続けた。
「教員支援の問題についてはドゥホック、ケルキュック両大学と協定が結ばれていた。大学学部での講義計画と共に学科開設に必要な書類を準備し、2009年6月17日にクルド言語文学科創設のため高等教育機構に申請を行った。この申請は7月中旬、その規模が学科より小さく、しかし大学教育が可能な「講座」という形で高等教育機構教育委員会から許可された。その後高等教育機構から、「講座」の他にさらにクルド学研究科について許可が出される旨の知らせがあった。これにもとづき、必要書類を準備し、『マルディン・アルトゥクル大学クルド学研究科』の開設申請も高等教育機構に提出していた」
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( 翻訳者:下中菜都子 )
( 記事ID:17442 )