■ 既製服の密輸規模は70億ポンド
2009年09月18日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP経済面
【ユースフ・ガンズーリー】
既製服ディーラーの主張によれば、古着市場が新品の服を買おうとする顧客を奪っているという。その理由としては、物価の高騰、サーナウィーヤ・アーンマ〔=エジプトの高校卒業資格認定試験〕、店頭に並ぶ古着の品質が比較的良いことが挙げられる。
カイロ商工会議所のヒシャーム・アブドゥッシャーフィー副会頭は、密輸される衣類の影響は大きく、65の既製服工場が倒産し、在庫処分が出来なくなった地元工場が生産不能に追い込まれていると警告した。同氏は請求書の偽造と、関税や税金の操作やごまかしの結果、服地・既製服および糸の密輸規模は70億エジプトポンドに達すると指摘している。
そのため同氏は断固たる措置と強い規制、水際での監視を行い、紡績・織物・服地工場が倒産しないよう速やかな支援を提供することを求めている。また同氏は密輸や昨年十月以降、エジプトとの輸入協定をアメリカ側が履行していないこと、著しく価格の低い輸入の競合品のために工場が在庫処分できないという恒久的な不服の背景には、世界金融危機があると指摘した。
カイロ商工会議所既製服部門のマフムード・ダーウール部長は、既製服工場は販売不振による大不況に苦しんでいると述べ、世界金融危機の結果エジプト市場を襲っている困難な経済情勢によって、既製服工場や小売店は今年の夏シーズンに損失を出したと主張した。
またヤフヤー・アル=ザナーニーリー既製服協会会長によれば、既製服の古着市場が経済状況の影響により、特に夏のシーズン初めから活況を見せていること、また中国・シリア・インドから密輸された服が市場を席巻していることから、既製服工場経営者は従業員の削減や機械の稼働率を50から60%下げることを余儀なくされているという。これらはエジプトでの新品市場が苦しんでいる停滞状況下での、歳出削減のための措置である。
(後略)
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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:17503 )