イラン電信電話公社株、売却される:イラン証券取引史上、最大規模
2009年09月28日付 Jam-e Jam 紙
【経済部:スィーマー・ラードマネシュ】我が国の証券取引史上、最大の取引が二度にわたる延期を経て遂に、昨日行われた。テヘラン証券取引所で行われたこの取引には、当初参加が許可されていた一社が入札から排除され、別のコンソーシアム(企業連合)が参入した。
本紙記者の報告によると、昨日一株あたり約3400リヤール〔日本円で約31円〕の電信電話公社の全株式の「50%+1株」が1ブロックとして証券取引所に上場され、民営化庁より同ブロックの買い付け競争入札への参加が許可された二つのコンソーシアムが、公社の株式計229億3600万株の買い付けを競った。
昨日の取引で〔‥‥〕、電信電話公社の全株式の「50%+1株」ブロックの買い付け競争は、当初一株あたり3400リヤールで始まったが、最終的には一株3409リヤールに達し、結果として同ブロックは「モビーン信頼開発コンソーシアム」に譲渡されることが決まった。この取引により、譲渡された同ブロックの価格はおよそ78兆リヤール〔約7100億円〕となった。
証券取引史上最大の今回の入札取引は、当初シャフリーヴァル月18日〔9月9日〕に行われる予定だったが、同月25日〔9月16日〕に延期され、さらに様々な理由から昨日に順延されていた。その過程で、「ヤズド・キャヴィール沙漠開拓組合」が入札から撤退し、代わって「イラン人経済友愛投資」と名乗る第三のグループが競争入札に参加した。
民営化庁から入札参加の許可を得ていた「ヤズド開拓組合」は、取引当日の一日前、民営化庁からの書状によって、取引参加からの辞退を余儀なくされていた。
民営化庁のゴラームレザー・ヘイダリー=コルドザンギャネ長官はこのことに関し、ヤズド・キャヴィール沙漠開拓組合は自らの意志で、入札を辞退したのであり、同組合が入札に参加するにあたって、資格上の問題は何らなかったとしている。しかし、同組合のスポークスマンを務めるサッジャーディー氏はジャーメ・ジャム紙に、「民営化庁から本組合に接到した書状によって、我が組合は入札参加から排除された、というのが実のところである。我が組合には参加資格がないというのが、その理由だった」と証言する。
同氏は、同組合の入札参加資格は20日前まで認められていたにもかかわらず、突然このような決定が〔民営化庁によって〕下されたことは、信じがたいことだと指摘している。
同氏はさらに、同組合が自主的にイラン電信電話公社株式のブロック買いを辞退した事実はないと強調し、「民営化庁の書状には、ヤズド開拓コンソーシアムには電信電話公社株のブロック買いを行う資格はない、と明確に述べられていた」と述べ、さらに「しかしながら、きちんとした法的手続きを踏んだ上で、我がコンソーシアムには電信電話公社の株式買い付けの資格が正式に認められていた。我が組合は、電信電話公社株の買い付けから排除されたことについて、法的チャンネルを通じて追及していくつもりだ」と語った。
「革命防衛隊とのつながりはない」
今回の電信電話公社株の譲渡をめぐり、最近もう一つ話題となっているのは、買い付けに参加したコンソーシアムはどのような企業によって構成されているのか、という問題だ。批判者らは、軍関連の団体や公益団体がコンソーシアムという形で今回の公社株の買い付けに参加しており、このような株式譲渡は民間への株式売却とは言えない、と指摘している。
このような中、「モビーン信頼開発コンソーシアム」のある関係者は、同コンソーシアムが軍関連の団体によって構成されているという情報を否定した上で、「今回の入札で株式譲渡を勝ち取ったモビーン信頼開発コンソーシアムとその傘下の企業は、革命防衛隊といかなるつながりもない」と断言する。
この人物はモビーン信頼開発コンソーシアムの傘下にある企業について、次のように付け加えている。「コンソーシアムに参加している企業の一つは、『モビーン・エレクトロニック開発』社で、同社は『タドビール投資』の傘下にある。またもう一つの企業は、ホラーサーン地方を本拠地とする企業で、1500人の株主によって構成されている。さらにもう一つは、『ホランディング』社で、同社は通信分野を専門とする様々な会社法人からなる企業である」。
〔中略〕
同氏はその上で、「われわれが政府系であるとか、半官半民であるとかいう話は、まったく正しくない。われわれは、その大部分が民間からなる連合体であり、これに半官半民などといったレッテルを貼るのは、正確ではない」と力を込めた。
〔後略〕
※訳注:別の報道によると、「モビーン信頼開発コンソーシアム」は「信頼開発」と「シャフリヤール・メヘスターン」の両投資会社、及び「イラン・モビーン・エレクトロニック開発」の三社の連合体で、前2社は2006年と2007年にそれぞれ設立された「革命防衛隊組合基金」の子会社だという。
また、同コンソーシアムの対抗馬として突如「競争」入札に参加した「イラン人経済友愛投資」は、革命防衛隊傘下の民兵組織バスィージ保有の「友愛フィナンシャル・クレジット・インスティテュート」の子会社であるとされる。
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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17567 )