イラン外務省次官人事、固まる:重要な見直しも
2009年10月08日付 Mardomsalari 紙

豊かな経験を誇るイラン人外交官らが、イラン外務省の新たな次官として任命される見込みとなった。これにより、我が国の外交部門は新政権の下、国際的分野での動きをさらに加速させるだろう。

 ニュースサイト「アスレ・イラン」記者が伝えるところでは、外務省次官人事をめぐる検討作業はほぼ最終段階を迎えており、少なくとも外務次官7ポストの人事が職務経験にもとづいて内定、大臣の署名を待つばかりとなっているという。

 それによると、現在駐レバノン大使を務めるモハンマド・レザー・シェイバーニー氏がベイルートを離れてテヘランに戻り、極めて重要な「中東・独立国家共同体(CIS)」担当次官のポストに任命される見込みだという。

 シェイバーニー氏はベテラン外交官で、中東分野での職歴が長い。実際、同氏は外務省中東局長や在カイロ・イラン利益代表部室長を歴任、駐レバノン大使に赴任する前は、在ダマスカス・イラン大使館のナンバー2として、近くから中東問題を観察してきた。

 他方、マヌーチェフル・モッタキー外相はヨーロッパ担当次官に、これまでも同じ方面で職歴を積んできた人物、アリー・アーハニー博士を充てている。同氏は、ヨーロッパ・アメリカ部門を一人の次官がまとめてケアしていた時期に、同次官職を担った経験のある人物だ。

 アーハニー氏はまた、ヨーロッパの重要三カ国、すなわちフランス、イタリア、及びベルギーで大使を務めたこともある。イランとイタリアの関係は、同氏がローマでイラン大使を務めていた時期に目に見えて改善したとされる。

 アーハニー氏は現在、外務省教育研究担当次官で、同氏がヨーロッパ担当次官に転任した後は、モハンマド・バーゲル・ホッラムシャード博士が後任となる模様だ。

 外務省教育研究担当次官に就任することが有力視されているホッラムシャード氏は、アッラーメ・タバータバーイー大学の学術委員会の委員で、科学技術省の次官を務めた経験もあり、それゆえ教育・研究分野に明るい人物である。

 さて、外務省報道官としておなじみのハサン・ガシュガーヴィー氏は、近々報道官というストレスに満ちた辛い職務を別の人物に託し、「領事・国会対策・〔在外〕イラン人問題」担当次官へと転任する見通しだ。

 これからの4年間、外務省と国会の関係を取り持つことになるガシュガーヴィー氏は、第4期及び第6期国会の議員として活動した経験があり、議会内部の事情に明るい。

 ガシュガーヴィー氏はまた、駐カザフスタン及び駐スウェーデン大使を務めたこともあり、在外イラン人が多く住む国の一つであるスウェーデンで勤務した職歴は、在外イラン人が抱える特別な問題に関する豊かな経験を同氏に与えている。この経験は、新たに任命された次官職でも大いに役立つはずだ。イランは、在外イラン人との関係強化を政策として掲げており、その点で特にそうだと言える。

 アフリカ諸国との経済関係拡大、及び暗黒大陸へのイランの貿易・産業進出の環境作りもまた、我が国の外交政策の重要課題の一つとして掲げられている。このような観点から、モッタキー外相は「多極的経済協力」局の局長を務め、国際貿易の諸問題に精通したハーディー・ソレイマーンプール氏をアフリカ担当次官に任命することを視野に入れている。アフリカ担当次官に就任する見込みの同氏は、駐アルゼンチン大使を務めたこともある。

 さて、外務省財務担当次官にも近く、「お金にきれいな」人物として同省で評価の高い人物が任命されるだろう。ホセイン・ファラヒー氏は現在、官房局長〔?〕で、在ギリシア大使館や在オーストリア大使館で大使補佐〔公使?〕を務め、司法権長官事務所長を務めたこともある。

 アジア担当次官については、モハンマド・メフディー・アーホンドザーデ現アジア担当次官が留任する見込みだとの情報も伝えられている。

 アメリカ担当、法律担当、国際問題担当の各次官、及び報道官の人事についても、検討が依然続けられているところである。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:17612 )