アフマディーネジャード「メディア戦争に向けて、われわれは装備を整えなければならない」
2009年10月04日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】マフムード・アフマディーネジャード大統領は、人類の敵どもが用いる武器の中で最も役立つ武器こそメディアに他ならないとして、「抑圧主義体制が自らの政策を推進する上で最も重要な武器こそメディアであり、メディアを抑圧主義体制から取り除けば、この体制は一日として持たないほどである」と述べた。

 報道中央局の報告によると、大統領はテヘランで開催された「イスラーム諸国ラジオ・テレビ協会」の第三回年次総会で、メディア戦争こそ主戦場の一つであるとし、「今日、メディアは単なる情報伝達のためにあるのではなく、政策の推進や文化の発信、それらの諸国民への強要において、欠くことのできない道具となっている」と語った。

 大統領は、メディアへの投資が文化や教育へのそれを上回っていることについて触れ、「物質体制〔=ここでは資本主義諸国〕は、自らの政策を強要するために、メディアがもつあらゆるポテンシャルを活用している」と付け加えた。

 アフマディーネジャード大統領はメディア戦争に向けた装備の必要性を強調し、「メディアの重要性に応じて、《トウヒード派》もまた装備を整え、この大規模な闘争に参戦する準備をしておく必要がある」と指摘した。
〔※訳注:「トウヒード」(タウヒード)とは「神の唯一性」ないしは「(神のもとで)一つになること」の意で、イスラームの基本原理の一つ。「トウヒード派」という用語は、前述の「物質体制」と対になって用いられており、前者が唯一神を信仰し、豊かな形而上的・精神的世界を享受しているのに対して、物質体制(=資本主義体制)は無神論的で物欲追求に陥っている、という批判が込められている〕

 アフマディーネジャード大統領は抑圧主義諸国によるメディアの悪用について詳述し、以下のように述べた。「今日メディアが制作する番組は、作戦を補足する役割ではなく、作戦そのものとなっている」。

 大統領はこの点について、ガザでの事件について触れ、「ガザで起きたような事件が、抑圧主義戦線に敵対する国々〔=例えばイラン〕によって起こされたならば、世界は大騒ぎを起こしていただろう。しかし侵略とテロ、脅迫行為を行い、〔イスラーム世界に〕分裂を引き起こすためにできたニセの人工的政府〔=イスラエル〕が攻撃や爆撃を行い、何千発もの爆弾やミサイルを無防備な女性・子どもたちの頭上に落とし、1300人以上を粉々に吹き飛ばし、数千もの人々を殺戮しても、抑圧主義体制下のメディアは重罪人どもを虐げられているといい、虐げられた人々を重罪人であるかのようにでっち上げていることは、周知の通りだ」とまくし立てた。

「抑圧主義体制下のメディアは政府の政策一つ一つに追随している」

 大統領は続けて、抑圧主義体制下のメディアはいずれも抑圧主義政府の政策一つ一つに追随していると指摘し、「先のニューヨーク滞在中に、ほぼ全ての米国メディアのインタビューを受けたが、どのメディアも4つ以上の質問をしてこなかった。さらにその質問の内容は全く同一で、質問の順番すら同じだったケースもあった」と付け加えた。

 アフマディーネジャード大統領は、「私は彼らに、あなた方は独立したメディアだと言えるのか、あなた方の質問は抑圧主義政府の質問ばかりではないか、彼らの願望や政策を反映したものばかりではないか、と逆に質問したくらいだ」と明かし、さらに「中立なメディアなど存在しないのだ。そもそもメディアなど、中立であり得るのだろうか!?」と問いかけた。

 大統領は、「情報の自由な流れ」という西側が好む主張は全くのでたらめであると喝破し、「なぜ彼らは10日間も、マルワさんがドイツで殉教した事件を隠したりしたのか」と批判した。

抑圧主義体制の真の武器は、メディアという武器

 アフマディーネジャード大統領は続けて、「核兵器や化学兵器、生物兵器といった武器は、〔敵を〕欺くための仕掛けである。抑圧主義戦線の真の武器は、メディアという武器なのである」と述べた。

 さらに、「彼らは最初から嘘偽のニュースをでっち上げ、繰り返し報じることで、それがあたかも証拠資料であるかのようなすり替えを行う。そしてそれを根拠にして、攻撃を仕掛けてくるのだ」と付け加えた。

 大統領は、イスラーム諸国のメディアの中には抑圧主義体制のメディアに騙され、それと同一歩調を取ってしまっているものもあると指摘し、「今日、あなた方メディアのやるべき事は、情報を伝えるだけでなく、それとともに文化を創造したり、虐げられた諸国民を支援したりすることも含まれる」と述べた。

 アフマディーネジャード大統領は、「神の思想や人間的な思想、そして崇高な価値を守ることが、あなた方メディアの任務である」と強調した。

〈後略〉

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( 翻訳者:尾曲李香 )
( 記事ID:17663 )