アブドゥッラー・オジャランの呼びかけに応えてトルコに入国した34名のPKK(クルド労働者党)メンバーの全員が釈放された。ベシル・アタライ内務大臣は、PKKメンバー34人の投降に関して声明を発表した。「昨日(19日)やってきたグループは計画のほんの一部だ。グループ数は最終的に100~150に達するのではないかと思う。ヨーロッパからもトルコに帰国するものが出るだろう。」
北イラクからトルコに入国した34名のPKKメンバーのグループのうち29名が検察での取調べを終えて釈放された後、逮捕状によって裁判所に送検された5名も当番裁判所での取調べの後に釈放された。
カンディル・キャンプからやってきて逮捕状が出されたPKKメンバーのヴィラエト・ヤクトとエリフ・ウルダーも釈放された。この結果、トルコに入国したPKKメンバー全員が釈放されたことになる。
DTP(民主市民党)の国会議員らはハブル国境検問所近辺に赴き、キャンプでのユニフォーム姿のPKKメンバーを党のバスに乗せて大型トレーラー(TIR)ターミナルの側の集会会場に向かった。この際、道は(歓迎の)党員たちで大混雑となった。
釈放された人々が「(後悔し投降した者への)特赦法 」の適用を求めていることが明らかとなった。容疑者らの供述により、この法の適用が可能になったと発表された。
■ スィロピに向かった
シュルナク県のスィロピ郡近くのハブル国境検問所で投降し、直後に釈放された34名は、DTP(民主市民党)のアフメト・チュルク党首とともにハブル国境検問所を後にした。DTPのアフメト・チュルク党首は、イラクのカンディル、マフムル地域からやってきて釈放された34人のグループを出迎えるために国境検問所付近に集まった群衆に向けて演説し、「あなたがたのこの協力 に感謝します。クルド問題解決のために皆さんは多大な努力をしているのです。この努力が続くだろうと私は確信しています。我々の道のりは長く、この後にスィロピ、ジズレ、ヌサイビン、クズルテペやディヤルバクルが我々を待っています。皆さんに感謝します」と述べた。
カンディルから来た人々のうちヒュセイン・イペキは、オジャランの呼びかけに応えてやってきたとのべ 、平和を求める声があり、自分たちも平和を愛すると述べた。その後チュルク党首と釈放された人々が乗った党のバスは、ディヤルバクルに行くためにスィロピへと向かった。チュルク党首と彼の一行は夜にディヤルバクルに到着すると予想される。
■国境検問所に裁判官が呼ばれた
アブドゥッラー・オジャランの呼びかけに応えてトルコに帰国した34名のPKKメンバーの事情聴取は22時頃始まり、午前2時頃終了した。34名のグループを取り調べた検事らは、一人あたり平均10分の時間を割いた。
PKKメンバーらに検事たちは「いつ組織に加わったのか、いつトルコを離れたのか、なぜ離れたのか、何年経過したか、なぜやってきたのか」といった質問をしたことが明らかとなった。(投降者への)特赦法は取り調べの間全く話題にのぼらなかったという。供述をしたPKKメンバーが「我々の指導者」と言って名を挙げたアブドゥッラー・オジャランの呼びかけに応じて国(トルコ)に戻ったと言ったことが明らかになった。一部はトルコにおける(クルド問題の)民主的解決策 への支援のためにやってきたと述べたという。
取り調べの途中で、マフムル・キャンプから来た26歳のムスタファ・アイハンに関し、ディヤルバクルで2005年に加わったある無許可のデモのため、「テロ組織の宣伝を行った」罪での取調べが行われていたことが判明した。ハブル国境検問所担当共和国検事は、この取調べのためのアイハンの供述を得るために、スィロピ裁判所に裁判官の派遣を要請した。要請に応じて2時15分頃一人の裁判官が呼ばれた。
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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:17701 )