パレスチナ自治政府とアル=ジャズィーラの対立が過熱、ロンドンではダハラーンとの訴訟へ
2009年10月21日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ パレスチナ国営チャンネルが「アル=ジャズィーラ」に宣戦布告
■ 自治政府からの金銭的援助を記した文書が法廷に
■ ダハラーン氏とアル=ジャズィーラの訴訟対決、ロンドンで過熱


2009年10月21日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ロンドン:本紙】

ここ数日イギリスの裁判所を舞台に、ファタハ中央委員会のメンバーで元ガザ地区予防治安部隊長のムハンマド・ダハラーン氏と衛星テレビ局アル=ジャズィーラとの間で、激しい争いが起きている。ダハラーン氏がカタールの衛星テレビ局アル=ジャズィーラを名誉毀損で訴えたことが発端だ。その理由は、アル=ジャズィーラがパレスチナ人活動家のイブラヒーム・ハンマーミー氏をゲストに招き、先のパレスチナ評議会選挙で当選するため、ダハラーン氏が金銭を使ったと主張させたためである。ダフラーン氏はこれを強く否定している。

両者とも、イギリスで最も大きな法律事務所に弁護を依頼したことから、費用は法外な額に上ると思われる。裁判ともなれば、最低でも約200万ドルに上るだろう。口頭弁論は3週間以上かかり、その間に双方の主張を明らかにするための証人尋問がなされる。宣誓した証人は、証言をする相手の正しさを納得させるために、弁護人からの質問に答えることになる。

裁判はまだ正式に開始されていないが、これまでに意見を聴取するための会合が数回行われている。最後に開かれた先週金曜日の会合では、ダハラーン氏側の弁護士が訴訟内容の一部変更を拒否し、アル=ジャズィーラ側が提案した何人かの証人も拒否した。同時にダハラーン氏は、2002年からガザ地区予防治安部隊長を務めたスレイマーン・アブー・ムトラク氏との関係を全面的に否定した。

本紙が得た情報によると、これらの会合で飛び出した最大の驚きは、ラーマッラーにあるパレスチナ財務省の口座から、ダフラーン氏を弁護する法律事務所の口座宛に、10万イギリス・ポンドが支払われたことを示す領収書を、ダフラーン氏の弁護人が提出したことだ。これに加えてダフラーン氏は、12万5千ポンド程度をこれまでに支払っているが、これは現在までにダフラーン氏が支払いを求められている保証金と手数料の総額31万イギリスポンド(50万ドル相当)の一部にすぎない。

アル=ジャズィーラとパレスチナ自治政府との間で布告された戦争は、リチャード・ゴールドストーン判事がまとめた〔イスラエルの対ガザ戦争に関する〕報告書が国連人権理事会に最初に提出された際、自治政府が審議を遅延させたことで頂点に達していた。アル=ジャズィーラ側は〔自治政府の〕ファイヤード首相に使者を送り、今回の訴訟について説明を求めているが、この記事が書かれている時点では、いかなる回答も受け取っていない。

さらに、パレスチナ自治政府の広報窓口であるパレスチナ国営テレビも、ゴールドストーン報告書に対するアル=ジャジーラの立場を理由に、この戦争に加わった。アル=ジャズィーラは自治政府に反対する人物、とりわけハマースの人間をゲストに招くことで、パレスチナやアラブの反自治政府の世論を煽っているとして、自治政府側がアル=ジャズィーラを批判しているためだ。

(後略)

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:17724 )