外務大臣、初の北イラク・クルド自治政府訪問
2009年10月29日付 Zaman 紙

トルコ政府とイラク北部にあるクルド自治政府の間で二年間進められてきている正常化プロセスのなかで、今日(10/29) 重要な一歩が踏みだされる。

アフメト・ダヴトオール外務大臣は、外国貿易担当のザフェル・チャーラヤン国務大臣とともにアルビルへ向かう。実業家たちも同行する、二日にわたるこのプログラムは、これまでで最も高い地位にある担当者による訪問となる。このプログラムにはアルビルの他にバスラとモースルも含まれていることは、「トルコは、クルド自治政府とだけではなく、イラク全体とも関係を築く」というメッセージとみられている。ダヴトオール外務大臣は、訪問の際、バスラとモースルにあるトルコ領事館の公式の開館行事も行う予定である。(北イラク)地方政府のバルハム・サーリフ新首相は、この訪問が「歴史的出来事」になるだろうと評価している。サーリフ首相は、「外務大臣の訪問は、この地方とトルコの間の関係改善のための良い機会となるだろう」と話した。

トルコは、アメリカの占領後、困難な時期を過ごしてきたイラクにあるすべての地方グループと関係を築くという政策を一つ一つ実現している。テロ組織PKKの扱いをめぐり、北イラクの地方政府との関係は一時緊張したが、今は春の風が吹いている。地方政府は、アルビルから出る石油を6月1日にキルクーク=ジェイハン石油パイプラインを通じて、トルコ経由で世界市場に輸出を開始した。そして今、トルコからこの地方への、初めての高官訪問が実現しようとしている。ダヴトオール外務大臣とザフェル・チャーラヤン国務大臣は、実業家たちや報道関係者グループとともに、今日イラクへ飛び立つ。代表団は、最初にイラクの南部にあるシーア派が多く住むバスラへ訪問する予定だ。

長い間作業は進められているものの、安全の問題でなかなか業務を開始できずにいたトルコのバスラ領事館は今年4月に会館した。しかし、公式の開館式は行われていなかった。バスラには、トルコの他にイギリスとイランの領事館しかない。この町には自由貿易地域の設立が計画されていることから、この訪問はトルコの実業家たちにとって、投資の可能性を現地で見ることからも有益なものとなる。

■(クルド自治政府は)イラク憲法に基づき作られた

ダヴトオール外務大臣とチャーラヤン国務大臣は、今日の夕方頃にはアルビルへ移る。この訪問は、アメリカ合衆国の占領後、トルコから北イラクへ向けて実現される最も高位の担当者による訪問であるこという重要な意味を持っている。アンカラからアルビルへの訪問は、この地域のクルド自治政府をトルコが承認するという意味になるという懸念から、トルコでは先入観をもった見方がされてきた。しかし、外交筋は、イラク憲法によって地方政府が設立され、トルコはこの憲法を承認していることを指摘し、この批判が無意味なものであることを強調している。ダヴトオール外務大臣は、地方政府のバフラム・サーリフ首相と会見する。しかしクルド人リーダーのメスード・バルザーニ氏と会見するかどうかについては発表されていない。ダヴトオール外務大臣は、明日はモースルへ移り、トルコ領事館の開館を行う予定だ。三つの町への訪問は、トルコがイラクのすべてのグループと関係を築くという意味を持つ。

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( 翻訳者:小川玲奈 )
( 記事ID:17764 )