予防注射問題で大混線、エルドアン首相「私はしない」
2009年11月04日付 Radikal 紙

エルドアン首相は、新型インフルエンザの予防接種を受けないとし、保健省と異なる考えを持っていることを明らかにした。「予防接種の義務はない。」しかし、そもそも保健省は予防接種の義務化を発表していない。

保健省は新型インフルエンザについて国民に知識をつけてもらうために、意欲的な活動を行っている。一方、タイイプ・エルドアン首相はというと、あまり知識を持ち合わせていないことが、昨日の党会議で明らかになった。

エルドアン首相は、党会議で新型インフルエンザの予防接種を受けないと発表し、「保健省と同じ考えをもっていない。この件(予防接種)については、国民各個人の意志に基づいて、選択すればよい。しかし、予防接種をしない人に対して、『絶対にすべきだ』と強制するような活動を続けることは正しくない」と述べた。

しかし、保健省からは予防接種義務化の発表は行われていない。首相は国会の廊下で、「首相も予防接種をするだろう」という発言したレジェプ・アクダー保健相を非難した。

首都アンカラは、昨日新型インフルエンザの予防接種について政府内の意見相違で揺れた。午前中、保健省の省内の診療施設に行ったアクダー大臣が、新型インフルエンザの予防接種をした。アクダー大臣は「痛くないですよね」と看護士に冗談を言い、「大統領に、首相に、各大臣に、各国会議員に、予防接種を勧めましたか」という質問に次のように答えた。

■政治家は注意深くなるべきだ

「科学技術委員会の優先順位によって、予防接種を段階的に行う。55歳から60歳以上の人は、他の年代よりもウイルスに免疫があるとされている。しかし、政治家やそれに類する人々について言えることは次のことである。ウイルス感染について、もっと注意深くならなければならない。」

エルドアン首相は公正発展党会議で行ったスピーチで、国民に「頬と頬の挨拶をしないこと、握手をした後、手を洗うこと、除菌をすること」を呼びかけ、次のように続けた。

「予防接種の件では、保健相と異なる考えをもっている。誰も強制してはいけない。この件について国民各個人の意志に基づいて、選択すればよい。しかし、予防接種をしない人に対して、『絶対にすべきだ』と強制するような活動を続けることは正しくない、間違いである。このことは前にも述べたが、もう一度言います。しかし、この件について、保護者がいうのであれば話しは別である。なぜなら専門家も様々な意見をもっている。ある人は『すべき』、またある人は『しないべき』というように。

そうであれば、我々がすることは、政治に携わるものとして個人の選択にすることである。なぜか。将来、この接種(の結果)を政治の責任としないようにである。強制はできないだろう。個人の希望によって行うべきだ。それに私たちは希望制にするために、準備もした。我々の分の予防注射はある、希望者に無料で接種する。」

エルドアン首相は、スピーチの後、「予防接種しようと考えていますか」という記者の質問に対し、「予防接種しようとは考えていません」と答えた。

■アクダー保健相を廊下で非難

エルドアン首相は、国会の廊下を歩いている時、一方でアクダー大臣から新型インフレンザの予防注射に関する事情を聞いた。首相は、アクダー大臣に「私の許可無く、大統領と首相も予防接種を行うと言ったそうですね。その発言を撤回してください」と言ったという。アクダー大臣は、首相に対し「いいえ、そうではありません」と釈明しようと努めた。その後、「大統領と首相も予防接種を行うか」という質問に対する答えを書面で新聞とテレビ局に送った。

CNNトルコで、エルドアン首相の衝撃的な発言に答えたアクダー保健相は、首相の説明が正しいこと、首相は優先グループに入っていないため、予防接種をしない方が適切であると述べた。この後、アクダー大臣は、自身が辞任するという噂が事実でないとし、誰にも強制的に予防接種できないと述べた。

予防接種の優先度の最も高い医療従事者でさえ、義務ではなかった。また予防接種が義務であるといった趣旨の発表は一度もされていない。民族主義者労働党(MHP)のバフチェリ党首は昨日、記者からの「新型インフルエンザ予防接種をしますか」という質問に対し、「考えていない」と述べた。

■バイカル党首「首相の不安」

共和人民党デニズ・バイカル党首は、与党内に(新型インフルエンザ)流行について、矛盾する意見があると述べ、次のように続けた。

「まず首相が、大臣と意見調整すべきだ。予防接種義務化しない必要があるなら、誰もリスクにさらさないようにしよう。首相が(接種に)不安を抱くのなら、国民もそうでしょう。予防接種の危険、脅威があるのなら、それらが存在することを認め、皆を考えさせることが首相の役目であるべきだ。首相は自分のことだけ考えて『私はしない』と言っている。あなたがだめなら、なぜ国民にさせるのです。あなたが模範となって、国民を安心させるべきでしょう。『します』というべきです。首相はこうはいえないでしょう。これで政治とは。」

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( 翻訳者:三村麻衣 )
( 記事ID:17811 )