アフマディーネジャード、「イスラーム経済」復活へ向けた処方箋を提案
2009年11月10日付 Jam-e Jam 紙
【政治部】大統領は新世界システムの確立が急務であると指摘し、イスラーム的原理に基づく経済システムの変革に向けた処方箋を示した。
中央報道局が伝えたところによると、アフマディーネジャード大統領はトルコのイスタンブールで開催されたイスラーム諸国会議機構首脳経済会合で発言し、その中で資本主義は思想としてもシステムとしても行き詰まりにぶち当たっており、変化・変革が急務であると指摘した上で、「現下の状況でこのような会議を開催することは、加盟国の精力的で建設的な協力によって、直面している諸問題に対する適切な解決策を練り、加盟国間の経済協力の拡大・深化の方法を構想するよい機会である」と述べた。
アフマディーネジャード大統領は、資本主義経済システムの逸脱・失敗の根本的な原因はこのシステムが利子(リバー)にもとづく経済だからだとして、「不労所得によって富を創造し、逸脱(ビドア)的なメカニズムを利用して、帳簿上の資産を膨らませることこそ、神が自らへの反逆だと指摘した、あのリバーに他ならない。」と述べた。
大統領は、ライバルを追い出し、他国の経済を従属させて富を占有し、一方的な規則を強要してインフレを転嫁することこそ、資本主義を象徴する特徴の一つだと指摘し、「資本主義経済はいまや、行き詰っている」と述べた。
「今、我々には2つの責任がある」
大統領は、現在の状況において、イスラーム諸国は2つの重い責任を負っていると言及し、「そのうちの一つは、自国の建設・発展に向けて行動を起こすことである。それは大きな責任であり、いうまでもなく、そこには経済発展も含まれる」と述べた。
大統領はさらに〔‥‥〕、「我々はイスラームの豊かな文化や思想に依拠することで、人間の尊厳、健全さ、そして誠実さに基づくイスラーム経済理論を回復させ、その基礎を確立することが間違いなく可能である。そして、これこそが唯一の救済の道なのである」と述べた。大統領はさらに、「リバーにもとづく経済システムは、人類や諸国民の利益に反するものであり、経済問題の元凶である。神の慣行・法則(スンナ)によると、この体制はやがて消滅する」と付け加えた。
大統領は、イスラーム諸国の第二の責任は、世界の現状を変革し、公正な国際システムを創り出すべく努力することであるとして、「現在、世界は新システムの創造を必要としている。今後の〔国際〕関係の構築にわれわれ〔=イスラーム諸国〕が参加しなければ、他の誰かが覇権主義にもとづいて、この〔=新たな国際関係の〕規則を練り上げ、他国に強要してしまうだろう」と述べた。
アフマディーネジャード大統領は、「神の思想には、人間生活全般に対して包括的で建設的、かつ有益な計画が存在するということを、世界は知るべきである」と述べた。
大統領はその上で、事務局を設置・運営し、加盟国が協力し合い、思想家や有識者の意見を活用することで、イスラーム経済の理論的基礎の設計・再構築に取り組むよう、イスラーム諸国会議機構首脳経済会合に提案した。
〔後略〕
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( 翻訳者:尾曲李香 )
( 記事ID:17865 )