男たちは家から出られない―ビトゥリスで2家族間の「血の復讐」緊張
2009年11月21日付 Milliyet 紙


200人が家に閉じ込もっている…

ビトゥリスのギュロイマク郡で、イスマイル家とスバシュ家の間で4年前に始まった「血の復讐」事件は、先月、もう一人の死者を出し、緊張が高まっている。

ギュロイマクで、先月、「血の復讐」によって、スバシュ家のスアト・ギュンギョル氏が殺されてからというもの、イスマイル家の約200人は家から出られないでいる。家族のうち、男たちは仕事に行けず、そのほとんどはまた全く外にも出られない。学校に行く子供たちだけが、家から外に出ている。

殺されたスバシュ家の一人であるブルハン・ヤヴズ氏は、AA通信の記者に対して説明し、事件は、2つの家族の間で、駆け落ち問題を発端としてはじまり、その後、和解のために多くの努力が費やされた、と述べた。ヤヴズ氏は、以下のように続けた。

「2つの家族を和解させました。しかし、悪いことを考える人はどこにでもいます。私たちのところでは、それが(他のところよりも)もっと多い。意地をはり、和議をやぶりました。この後、争いとなり、約4年前、イスマイル家の一人が死にました。この事件を起こした人々は捕えられ、刑務所に入りました。その後、スアト氏が殺され、そしてまだ犯人は自首していません。犯人が警察に出頭すれば、私たちにも対処のしようがあります。しかし、犯人が今、自首しないのなら、我々の家族も和解に同意することはできません。」ヤヴズ氏は、犯行を行った人々が自首すれば、少し平穏になるだろうと述べ、和解のために必要なことはなんでもすると言った。

この事件が長引けば、もっと悪いものになるだろうというヤヴズ氏は、以下のように話した。

「4年前の事件の時、死んだ人の父親を説得し和解することができませんでした。結果的に、もう一人死にました。今、、犯人がつかまれえば刑務所へ行くことになり、36年の終身刑を受けることになるでしょう。これらは歓迎できることではありません(が仕方ありません)。私たちはこれらの人々と親戚なのです。隣人なのです。娘たちを嫁にだし、むこうからも嫁をもらったきました。一緒に生きてきたのです。隣人、家族、そして人権があります。私たちは、これらを踏みにじって、復讐の気持ちで行動を起こしたりしません。賢明な道はたった一つです。『悪いのは(人ではなく)、無知』」

ヤヴズ氏は、和解をこころよく思わない人がゴシップを流し、しかし、(噂を流した)人たちを含め多くの人が、この事件から被害を蒙っていると述べ、さらにギュロイマクが、新しく作られた郡である点に言及した。

ヤヴズ氏は、山岳地域から、暮らしに困り生活できなかった人々がこの郡に住み着き、そしてこの地にある耕地を耕し、生活の糧を得たとのべ、「これらの人々の大半は教育を受けていません。郡に住む50-55才以上の人々は誰も学校にいっておらず、全員無学です。このために、この種の事件が起きるのです。」と話した。

■400家族が犠牲となった

一方、(4年前に一人が殺された)イスマイル家のシリン・オラル氏は、このままでは事件に終わりはないと述べた。オラル氏は以下のように話した。

「一人は我々から、もう一人は彼らから犠牲者がでました。この事件がこのようになることを私たちは望んでいませんでした。両側とも親戚です。このままでは、きりがありません。相次ぐ死は、あってはならないことです。このために、政治家や、偉い人が集まり、平和を保証してくれることを望んでいます。

このために、郡のえらい人たちと折衝しています。今も400家族と2千人がひどい目にあっています。このために、だれかが仲介をしなくてはなりません。学校、地域は一つです。お互いに頻繁に顔を合わせます。これに対してだれかが手を差し伸べる必要があります。

今も我々の家族のうち、200人が家にかくれています。(一緒に)食卓を囲みで、お茶を飲んだものがどうして敵対しなくてはいけないのでしょう?100年の間、一緒に生きてきました。だからこそ、我々の間に和解が成立することを望んでいます。」一方、イスマイル家の別の一人は、2番目の事件が起きないようにと家から外にでず、当初は子供たちを学校へも行かせなかったと話した。

■和解のための適切な環境が必要

一方で、ギュロイマク郡知事ルファト・アルタン氏は、この種の事件では、和解へ向け「生みの苦しみ」が伴う、と述べた。アルタン郡知事は、まず、犯人が捕えられること、あるいは、自首されることが必要であると言い、以下のように話した。

「この事件は、まだその段階に至っていません。この事件では、もっと以前に和解のための試みがありました。しかし、双方とも和解には歩みよりませんでした。しかし、今、和解により近付いています。彼らも、『一人は我々から、もう一人は向こうから死んだ』といっています。我々も、適切な環境が整うことを待っています。みんなが和解により近付いています。しかし、条件はまだ整ってはいません。直近の事件で、殺した側にの関係者で、公的機関で働いている人々は、年休を使っています。ある人々は、退職を考えています。しかし、彼らに命の危険があるとは思いません。しかし、慎重な行動は有益です。一方では、軍警察(ジャンダルマ)も事件を追っています。」

■和解のため、どんな条件も持ち込んではならない

ギュロイマク郡のM・エミン・オズカン郡長も、自分の郡において、どうしようもない事件が起きたと話した。オズカン氏は、問題の解決・和解・共生のため、一連の試みもあったとし、以下のように話した。

「しかし、試みは、現実とはなりませんでした。人々は、お互いを許さず、敵対、恨みと報復の気持ちを抱いていたので、その提案を受け入れませんでした。この問題は、両方の人々がいかなる条件も持ち込まずに、平和的に解決されなければなりません。さらに犠牲者をださないために、各人になすべきことがあります。ここでは、皆もが犠牲になっているのです。すべてのことを棚上げし、事態を打開し、事件を平和のうちに終結させるための努力をすることが必要です。この事件も、必ずや和解へたどり着かれることでしょう。」

■事件の経過

いまから4年前に起きた事件で、ヤフヤ・サチン氏は、刃物で刺され、命を落とした。この事件の後、スバシュ家から3人が捕えられ、刑務所に入れられた。4年間、両家族間で和解が成立しなかったために、10月27日、郡に属するギュンクル町の付近で、ビート(さとう大根)の計量所へ向かっていたスアト・ギュンギョル氏(45)が、車を降りたところを武器で襲撃され、殺された。

スアト・ギュンギョル氏の死の後、事件の犯人はまだ捕えられていない。ただ、4年前に死んだヤフヤ・サチン氏の75歳になる父親ハリル・サチン氏が逮捕され、ビトゥリスEタイプ閉鎖型刑務所に収監されたことが明らかにされている。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:17920 )