イスラエル国内報道「ガジャル村から撤退」、国連は「報告受けていない」
2009年11月24日付 Al-Nahar 紙
■ 国連「ガジャル村からの撤退報告を未だに受けていない」
2009年11月24日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【本紙、UPI通信】
国連は昨日、[レバノンの]ガジャル村北部からの撤退の件に関して、イスラエル政府から何の「公式報告」も未だに受けていないと述べ、イスラエルは安保理決議第1701号に従って同村からの撤退が義務づけられていると強調した。
国連の岡部万里江・事務総長[次席]報道官は、この件に関する質問に答えて、「この問題についてメディアでの報道は目にしたものの、イスラエル政府から我々の元には何の公式報告も届いていない」と説明し、「この問題にはついては長い時間が経ったが、我々の立場は明確だ。イスラエルは、安保理決議第1701号に従ってガジャル村などブルーラインに沿った地域から撤退する義務がある」と付け加えた。
また岡部報道官は、「国連レバノン暫定軍(UNIFIL)はイスラエル側との連絡を続けている。イスラエル軍の撤退を円滑に進めるべく周辺地域に配備されたUNIFILの提案に基づき早急な解決が図られるよう希望する」と述べ、「国連はこの問題を特に重視している。今回の提案に関する相互理解によって第1701号決議の履行が円滑になり、地域における信用の構築が大いに進むことだろう」と強調した。
UNIFILがこの地域でパトロールを行っているとの情報の真否に関する質問に対しては、岡部報道官は「その問題について我々は情報を得ていない」と述べた。
これに先立ってイスラエルの放送局は、「イスラエル首相府は、ガジャル村のレバノン領部分からイスラエル軍部隊が撤退し、UNIFILに管理責任を移譲するとの解決策を打ち出した。レバノン側からは何者も同地域への進入を禁じられ、村の南北を結ぶゲートは引き続き開放され、分離壁も設置されず、住民はイスラエルへの入国を許可される」「今回の解決策は第1701号決議を履行するために打ち出されたものであり、イスラエルはレバノン政府の樹立を待って決議履行に乗り出した」と報じている
■ アシュケナズィー参謀総長
一方、イスラエル国防軍のガビ・アシュケナズィー参謀総長は、「イスラエル軍はレバノン情勢をくまなく監視しているが、北部で情勢の激化があるとは言えず」、普段と異なった緊張状態も見られないと述べた。
[※註:イスラエルは2006年7月にレバノンに侵攻し、同年10月1日の撤退後もレバノン南部のガジャル村北部を占領し続けている。同村の残る半分もイスラエルの占領下にあるがシリア領]
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