ムシュで騒乱2名死亡―解党抗議に不参加の商店主が発砲
2009年12月15日付 Hurriyet 紙


ムシュ県ブラヌク郡で、一人の商店主が店や車を焼き討ちしようとしたデモ隊に向けて発砲した。この事件で2人が死亡し、8人が負傷した。ブラヌク郡長ズィヤ・アッカヤ氏は、人々がパニック状態となっていたことや商店が焼き討ちにあったと述べた。

ムシュ県ブラヌク郡でDTP(民主市民党)解党に抗議したグループが起こした事件で、一人の商店主が店の中からカラシニコフ銃を発砲し、2人が死亡、7名が負傷した。ブラヌク郡は戦闘地域の様相を呈し、商店は焼き討ちにあい、車両は破壊され、人々は外出できない状況となった。治安部隊は、周辺の県や郡から駆けつけた応援チームとともにブラヌク郡で広範な警戒態勢を取った。
ブラヌク郡で11時ごろアスランパシャ大通りの、解党命令が下ったDTP(民主市民党)の郡支部の前で、声明文を読み上げると語っていたあるグループが集結した。この時、事件が起こる可能性があるとして一部の商店は店を閉めた。
短時間で集まった群衆は1500人に達し、ここでDTP解党の抗議を始めた一方、警察は周辺で警戒にあたった。群衆の中の約150人のグループは、あたりの車両や商店に向けて投石攻撃を始めた。警察は食い止めようとしたが、12時ごろ商店主のT・Bが自動車と店を破壊されたとしてデモ隊に向けてカラシニコフ銃を発砲した。

■ 2人が死亡、7人が負傷
商店の中から発砲され、ケマル・アイジャン村長が亡くなった一方、8人は銃弾を体に受け負傷した。負傷した人のうちネジュミ・オラルさんは、ムシュ県にある病院に運ばれる途中で亡くなり、死者は2人になった。ヨンジャル町イェニマハッレ村のケマル・アイジャン村長(45歳)は、夜に町営墓地に埋葬された。アイジャン村長の葬儀には家族や親戚のほかにムシュ県知事のエルドアン・ベクタシュ氏、ムシュ連隊司令官のベシタシュ・アルスラン大佐とブラヌクのファーティフ・アクソイ中佐も参加した。この事件で、19歳で亡くなったネジュミ・オラルさんは明日(16日)ブラヌク郡ギョズテペ村に埋葬される予定だ。

■ 3人は銃弾で負傷
解党命令が出たDTP所属のムシュ県選出国会議員のスッル・サクク氏とメフメト・ヌリ・ヤマン氏も、ブラヌク郡に来て事件に関する情報を収集した。サクク、ヤマン両議員は亡くなった2人の遺体が安置されていたブラヌク国立病院に赴き、ここで治療を受けている負傷者らのお見舞いをした。
事件で負傷した8人のうち3人は銃弾で、他の人々は石やこん棒で、また逃げる際に転倒した結果負傷したことが判明した。銃弾で負傷したのはサドゥク・チフッチさん、ケナン・ギュンドゥズさんとジュネイト・チェリキさんであるとわかった。事件の際に転倒したことで負傷し、ヴァン県に搬送されたオザン・コルクマゼルさんの容態は悪いことが判明した。ハムドゥッラー・ギュヴェルジンさんは手を、ヘイベト・コンドゥさん、アブデュルケリム・チェリキさんは膝を負傷し、ロクマン・ソンメズさんは足を骨折したことが明らかになった。

■ ビレンの家族はヘリコプターで運ばれた
デモ隊に発砲して2人を死亡させ、8人を負傷させたとして拘束された商店主のトゥラン・ビレンの親戚も、生命の安全を考慮し、ヘリコプターでブラヌクから安全な場所へと運ばれた。ビレンの家族の家は、一部のグループが報復目的で襲撃を準備している可能性があるとして警戒包囲網が敷かれた。
事件に使われたカラシニコフ銃は許可を受けているとされ、警察は持ち主の商店主のT・Bを拘束した。

■ イスタンブルから機動部隊の応援
ムシュ県ブラヌク郡で2人が死亡した事件のあと、イスタンブル県警所属の150人の機動部隊がムシュ県にやってきた。
県警本部長のスレイマン・イルハン・アジャロズ氏は、ブラヌク郡での事件後周辺の県からムシュ県に応援の警官が派遣されたと述べ、最終的にイスタンブル県警本部所属の150人の機動部隊がムシュ県にやってきたと語った。
THY(トルコ航空)の飛行機でムシュ空港に降り立った機動隊員らは、3台のバスでブラヌク郡に向かったと語るアジャロズ署長は、「先にビンギョル県やビトゥリス県から応援が来た。今度はイスタンブルから飛行機で150人の機動部隊がやってきた。応援部隊は事態が鎮静化するまでムシュに残ることになる」と述べた。

■ 郡は戦場の様相を呈している
デモ隊の中の2人が死亡、7人が負傷したことで、事態は深刻な状態となり、治安部隊とデモ隊の間で衝突が何時間も続いた。
警察が催涙弾や加圧水を使いながら介入を行ったにも関わらず、デモ隊の数はますます増え、一部の商店や車両は焼き討ちにあった。カラシニコフ銃を使ったとされた商店主のトゥラン・ビレンの店や車も被害を受けた。
何時間にもわたって続いた事件で、デモ隊は郡を混乱に陥れ、銀行の支店や予備校、公正発展党の建物を含む多くの建物を放火して破壊した。
ブラヌク郡に通じる道を管理下に置いた治安部隊と、通りに散らばったデモ隊との衝突は何時間も続いた。
事件のせいで多くの学生が小学校や高校に行かなかった。このため学校は休校となった。

■ 首長から様々な声明
ブラヌク郡長であるDTP所属のズィヤ・アッカヤ氏は、「事件後、郡は非常に緊張状態にある。鎮静化させるのは困難である。市民は家に閉じ込められ、人々はパニックになっている。多くの商店が放火された」と述べた。
ムシュ市長である公正発展党所属のネジュメッティン・デデ氏は、ブラヌク郡で事件が続く一方、テレビの生放送で声明を発表し、衝突が血の復讐や部族関係が原因であると述べた。
デデ氏は、部族の指導者らが一堂に会することで事件が鎮静化するだろうと願っていると述べ、「トルコはお互いが友好的になる必要がある。全ての人がこれを望んでいる」と述べた。

■ 死傷者の情報
ムシュ県ブラヌク郡で今日(15日)起きた事件で、商店に火炎瓶を投げ入れられた商店主のトゥラン・ビレンがカラシニコフ銃を発砲したことによって亡くなったのは、ケマル・アイジャン氏とネジュミ・オラルさんであることが明らかになった。最初は7人と伝えられた事件の負傷者数は8人に増えた。ムシュ、エラズフやヴァンにある病院に搬送された重傷者8人の情報は以下の通り。
ハムドゥッラー・ギュヴェルジン、サドゥク・チフッチ、ジュイェント・チェリキ、アブデュルケリム・チェリキ、ケナン・ギュンドゥズ、ヘイベト・コンドゥ、ロクマン・ソンメズ、オザン・コルクマゼル

■ ベクタシュ知事「これはテロだ」
ムシュ県のエルドアン・ベクタシュ知事は、ブラヌク郡で起こった事件に関して行った記者会見で、「これはテロだ。事件を解決するのは国がやる仕事であるから、だれも手を出してはいけない」と述べた。ベクタシュ知事は次のように述べた。
「我々は13-14歳の子供たちにこのことを負わせてはいけない。しかし誰がそうさせているか我々は知っている。それは白髪を生やした人々(年齢を重ねた人々)であり、彼ら自身もそのことを知っている。ブラヌクではあらゆる場所が管理下に置かれている。もう国民の感情がもてあそばれることがないように祈る。あらゆることにも関わらず我々は穏やかにふるまっていた。明らかに違法状態があれば、政府はこれに対処するだろう。国家がやるべき仕事に誰も手を出してはいけない。それをやったものは拘束された。そのために必要なことがなされている」

■ 銃は許可が出ていた
ベクタシュ知事は、事件でカラシニコフ銃を発砲して2人を死亡、8人を負傷させたとされる商店主のトゥラン・ビレンが、村の民兵であったかどうか質問されると、「調査が行われた結果、使用されたカラシニコフ銃は許可を受けたものだと判断された。以前に村の民兵であったかどうかは調査中だ」と述べた。
ベクタシュ知事は、夕方に事件現場で情報収集をするためにブラヌク郡に向かった。

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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:18083 )