イラン外務省、海外で「略取」されたイラン市民の追跡に着手
2009年12月10日付 Iran 紙

【政治部】外務省当局者らは、外国で投獄されているイラン人の問題について、真剣に取り組む姿勢を示している。

 この問題では、政治的な理由から国際法の手続きに反する形で拘束され、その後アメリカに移送された同胞らの名前が取り沙汰されている。その最も新しい例では、シャフラーム・アミーリーという名のイラン人が「略取」された問題を挙げることができる。同氏の略取について、イラン政府は強く抗議している。

 核の専門家であるアミーリー氏は昨年オルディーベヘシュト月〔2008年4~5月〕に小巡礼を行った際、サウジアラビアで消息が途絶えた。モッタキー外相は火曜日、発言の中ではっきりと、アメリカによってアミーリー氏が「略取」されたとの表現を用い〔て同国を非難〕、さらにこの事件にサウジアラビアが関与していたと強調した。

 メフマーンパラスト外務省報道官も、アメリカ政府の「治安活動」によって、アミーリー氏がアメリカに移送されたと明言している。

 こうしたイラン政府の最近の姿勢に対し、アメリカ・サウジアラビア両政府も反応を示している。とはいえ、専門家らは、〔両政府から〕納得のいく回答が示されたとは言い難いとの見方を示している。

 このことに関し、ワシントン発のAFP電は、「フィリップ・クローリー米国務省報道官は、米国がイランの核専門家一名を略取したことについて、コメントを控えた」と伝えている。

 サウジアラビア外務省のウサーマ・ヌグリー広報局長も、イラン当局者らの発言を受け、アッシャルクル・アウサト紙に対して、次のように述べている。「メディナ市内でシャフラーム・アミーリー氏が行方不明になった後、サウジアラビア当局は病院やホテル、メッカ市内の諸施設、及びアミーリー氏の滞在地すべてを捜索した。しかし手がかりとなる証拠は何一つとして見つからなかった。そのため、彼がどのようにしてイラン人巡礼団がいる場所からいなくなり、連絡が途絶えたのか、多くの疑問が生じた。我々はこのことについて、イラン人巡礼団やイラン大使館に通知したが、現在までにイラン政府から公式な回答は得ていない」。

〈中略〉

米国でイラン人11名が投獄

 イラン外務省在外イラン人局のラスーリー総局長は、米国〔などの国々〕で投獄されているイラン人11名のリストについて、「アメリカによる事件のでっち上げによって、さらに数名のイラン市民がさまざまな国で拘束されている。外務省は多大な努力をして、イギリスで投獄されているタージーク氏、フランスで投獄されているカーカーヴァンド氏、米国で投獄されているアルダビーリー氏、ファッターヒー氏、アミール・ゴリーハーニー氏、ナズミー博士、ケシャーリー博士、カナダで投獄されているヤードガーリー氏、そしてドイツで投獄されているアフラースィヤービー氏、アメリカによって略取されたアスギャリー氏、そしてサウジアラビアからアメリカに移送されたアミーリー氏の計11名の解放〔のために何ができるのか〕について、市民団体の意見を聞いているところだ」と述べた。

Tweet
シェア


関連記事(「イラン人核専門家がサウジアラビアの協力によってアメリカに移送」:外務省報道官が明かす)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:尾曲李香 )
( 記事ID:18090 )