革命防衛隊最高指導者代理「ホメイニー出版会は偽善者たちの集会所と化している」
2009年12月15日付 Mardomsalari 紙

革命防衛隊最高指導者代理のゾンヌール師(ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーン)は、「イマーム作品編纂出版会」〔以下「ホメイニー出版会」〕を強く非難し、同出版会は「偽善者たち」〔=反体制的なリベラル派〕の集会所と化していると指摘した。

 イラン労働通信の報道によると、大統領府の職員らがイマーム・ホメイニーへの侮辱行為に反発してテヘランのパレスチナ広場で開いた集会で演説したゾンヌール師は、その中で「亡きイマームに対して不遜にも侮辱行為を働くことは、あらゆる価値・神聖を冒すことにも等しい」と述べた。

 同師はまた、「亡きイマームは、数世紀もの長きにわたる時間を経て、世界が〔米ソによって〕二極化していた時代についに、イスラームの〔本来あるべき〕政治体制を甦らせ、統治に関するイスラームの法規定を復活させたお方である」と語った。

 「改革の時代〔1997-2005〕は8年間にわたる暗黒の時代に他ならない」とした同師は、「この時代、様々な演説が行われ、一連の刊行物が出版された。亡きイマームの理想・思想のすべてが攻撃された。思考・殉教・暴力に関する〔イマームの〕精神が批判の対象となり、コーランの欠陥が新聞紙上で指摘されるまでになった」と述べた。

 ゾンヌール師は〔アフマディーネジャード政権下の〕現在こそ〔初代シーア派イマームの〕アリー閣下の時代に近いとの見方を示し、「イマーム個人への侮辱をしているのは、イマーム〔・ホメイニー〕とともにあろうとせず、別の方向へと踏み外した人々、自らの世界〔観を正当化する〕ためにイマームに寄生していたような人々に他ならない。彼らは、革命の価値・理念に対抗することが不可能であることを見て、こうした行動に及んでいるのである」と語った。

〔中略〕

 同師はさらに、「彼ら〔=ムーサヴィーの取り巻き〕は、〔9月下旬に〕学校が再開すれば、自らの願望を実現することができるなどと考えていた。しかし学校が再開しても、自らの周りに集めることができた若者は、500人にも満たなかった。人々は、暴動の首謀者たちが抑圧主義諸国の首脳たちと通じているのを見て、彼らから離れていったのだ」と指摘した。

 ゾンヌール師はホメイニー出版会の最近の声明〔※イラン国営放送がホメイニーの肖像画が引きちぎられている様子を放映したことに対して、同放送を批判する声明を出したことを指す〕に触れ、次のように述べた。「ホメイニー出版会は偽善者たちの集会所と化している。同出版会が暴動があるたびに、なぜその首謀者たちを支援しているのか、理解できない。護憲評議会がリベラル派の人々の選挙立候補資格を認めない判断を下していることに対して、ホメイニー出版会がリベラルたちを擁護する立場を示しているのも、不可解だ」。

 同師はホメイニー出版会の関係者らに向けて、「あなた方はイマーム〔・ホメイニー〕の敵とどのような関係をもっているのか?このことについて、人民にどのように申し開きをするつもりか?これ以上、自らの不適格性を世間に晒すべきではない。これ以上、声明を発表して〔自分たちが抱える〕問題にフタをするべきではない」と批判した。

 同師はさらに、大統領選挙の結果に抗議をしている者たちが「エルサレムの日」に姿を現し、抗議活動を行ったことに触れ、「エルサレムの日こそ、イマーム〔・ホメイニー〕のもっとも輝かしき理念〔が具象化している日〕である。にもかかわらず、あなた方〔ホメイニー出版会〕が支持者している者たちは恥知らずにも、ラマダーン中の断食をしている人々の横でボトル入りの水を飲み、親イスラエル的なシュプレヒコールを叫んでいた。もしイマームがご存命なら、あの日何を仰っただろうか?あなた方はなぜイマームに寄生しようとしているのか?イマームの路線を支持するスローガンを掲げることで、〔自らの主張の正しさが〕保証されるとでも思っているのか?〔‥‥〕」と疑問を呈した。

 ゾンヌール師はさらに、次のように語気を強めた。「表舞台に姿を現さぬ影の首謀者は、最近『革命の前も、またイマーム〔・ホメイニー〕の存命中も、〔ホメイニーが確立し、イラン・イスラーム共和国の統治理念となった〕《法学者の監督》という理念を受け容れたことはない。ましてや、イスラーム法学者の絶対的監督権など認められない』などと演説をしている。このようなことを口走るムーサヴィー・ホイーニーハーよ、口を慎め」。

 同師はさらに次のように続けた。「ハータミーの暗黒時代、当時内相だったアブドッラー・ヌーリーとその代行モスタファー・タージザーデ〔こそ、ホメイニーを侮辱した張本人〕だった。数名の神学生がイマーム〔・ホメイニー〕のお言葉をタージザーデに示した時、彼は当初それを〔ホメイニーの言葉だと〕認めようとしなかった。そこで神学生らは〔ホメイニーの〕著書を彼の元に持っていくことになった。タージザーデが〔ホメイニーの〕文章を一瞥すると、彼はこう言い放った。『イマームが抑圧者・圧制者だったとは知らなんだ』。タージザーデ内相代行は不遜にも、イマームを侮辱していたのである」。

 ゾンヌール師はさらに演説の別の箇所で、〔ムーサヴィー選挙事務所の責任者を務めていた〕アリー・レザー・ベヘシュティーが「人身売買のための事務所」を立ち上げていたと主張し、次のように述べた。「『ウマイヤの緑』運動〔=ムーサヴィー派〕の一味として知られていた人々が徐々に正気を取り戻すと、彼らはインタビューの中で同運動の首謀者たちの面目を失わせるような発言をし始めた。こうしたことが原因で、ベヘシュティーはこうした人々を〔外国に〕密輸・逃亡させ、そうすることで『緑の運動』の名誉を守るための事務所を立ち上げた。その後ベヘシュティーも逮捕され、現在保釈中だ」。

 同師はその上で、「こうした連中が保釈されると、朝の礼拝の時に彼らに会いに行って、彼らと一緒に礼拝を行うような人々が、イマーム〔・ホメイニー〕の親類たちの中にいるのはなぜだろうか」と嘆いた。
〔※ホメイニーの孫のハサン・ホメイニーはホメイニー出版会の会長で、アフマディーネジャードには批判的だと言われている。また同じくホメイニーの孫のホセイン・ホメイニーは、現在のイラン・イスラーム共和国体制に極めて批判的だとされる。さらに前回の国会選挙にホメイニーの孫のアリー・エシュラーギーが改革派系の候補者として出馬しかけたことが話題になった〕

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18101 )