ビン・ラーディンの息子「妹の解放のために100頭の羊を屠った」
2009年12月29日付 Mardomsalari 紙
アル・カーイダの指導者ウサーマ・ビン・ラーディンの4男ウマル氏は、妹のイーマーンさんの解放とイランからの出国を祈願して、「100頭の雄の羊」を屠ったと語った。
ニュースサイト「アスレ・イラン」がロンドン発行の国際紙「アッシャルクル・アウサト」の報道として伝えたところによると、ビン・ラーディンの父方の叔父バクル・ビン・ラーディン氏も、テヘランで軟禁状態にあると言われているビン・ラーディン家のメンバー全員が解放され、イランを出国した暁には、100頭のラクダを屠るつもりだと述べたという。
イーマーンさんはビン・ラーディンの娘の一人で、現在テヘランにあるサウジアラビア大使館で保護されている。
同氏〔=恐らくウマル・ビン・ラーディン氏〕によると、イーマーンさんはビン・ラーディンの息子5人、彼らの家族、ならびにビン・ラーディンの妻の1人とともに、8年前からテヘランの施設で軟禁下にあったが、彼女はしばらく前にサウジアラビア大使館に保護を求めて避難してきたという。
これまで在テヘラン・サウジアラビア大使館の関係者らは、イランはビン・ラーディンの娘イーマーンさんのイランからの出国を妨害していると主張していた。
他方、同大使館は最近になって、ビン・ラーディンの娘イーマーンさんは出国用の特別カードの取得に成功したとも述べている。この「トランジット用カード」は旅券に近いもので、保有者の身分証としての特徴を備えており、それを使えばサウジアラビアに出国することが可能だとされる。
このようなことから、数日後には彼女はイランを出国するのではないかと見られている。情報筋がアッシャルクル・アウサト紙に語ったところによると、ビン・ラーディンの娘イーマーンさんは、今週の火曜日から水曜日にかけて、(シリアではなく)サウジアラビアに向けてイランを出るのではないかという。イーマーンさんの母親はシリア国籍をもち、現在ダマスカスにいる。
この報道はさらに、次のように続けている。「在テヘラン・サウジアラビア大使館はイラン当局に書簡を出し、ビン・ラーディンの娘用にトランジット・カードを発行するよう求めた。しかしアーシューラーの儀式のために、同カードの発行は遅れている」。
この報道によると、イーマーンさんはシリアにいる家族の元を離れてすでに8年半になり、家族の人々もイーマーンさんの消息については何も知らなかったという。
これより前、一部のメディアはビン・ラーディンの娘がイランで護衛たちの目を盗んで逃亡し、テヘランにあるサウジアラビア大使館に避難したと伝えていた。
イランのラーミーン・メフマーンパラスト外務報道官は以前、サウジアラビアはこれまで、在テヘラン・サウジアラビア大使館に避難を求めた女性がアル・カーイダの指導者の娘であることを示す証拠を何ら提示していないと指摘していた。
同報道官はその上で、「イランの国境管理当局はこれまでのところ、このような素性の女性がイランに入国したとの事実を確認しておらず、このような人物が違法にイランに入国したことを把握していない」と述べた。
以前にも、ウサーマ・ビン・ラーディンの息子の一人で、現在シリア在住のアブドゥッラフマン氏が、妹のイーマーンさんは5人の兄弟、ならびに父親の妻の一人とともに、イランで厳しい軟禁状態に置かれていると述べたことがあった。
この人物はさらに、「イーマーンは買い物をしている時に、護衛たちの目を盗んで逃亡し、その後テヘランにあるサウジアラビア大使館に逃げ込むことに成功した。イーマーンは父の妻とともに6ヶ月に一度、護衛たちに付き添われる形で、買い物に外出することができた」と述べている。
ウサーマ・ビン・ラーディンのもう一人の息子で、現在カタール在住のウマル氏(25歳)も、次のように述べている。「兄弟5人が現在、イランのどこに暮らしているのか知ったのは偶然だった。1ヶ月前、兄弟のウスマーンがあるイラン人の若者から携帯電話を借り、私に連絡してきたのだ。彼によると、家族は全員無事で、イランに住んでいるとのことだった」。
「ウスマーン・ビン・ラーディンは2001年9月11日の攻撃の際、、まだ17歳だった。彼は妻と子供、兄弟のサアド、サアドの妻と子供、その他ビン・ラーディン家のメンバーらとアフガニスタンにいたが、〔9.11の後〕イラン国境に向かった。イラン当局はビン・ラーディンの家族のメンバーらを厳しく監視し、テヘランにある住宅施設に住まわせた」。
ウマル氏はこう述べ、さらに彼らのテヘランでの生活状況について、次のように語っている。「当初、ビン・ラーディン家のメンバーは男女別々に引き離された。滞在場所から外出することもできなかった。その後ややしばらくすると、彼らは再び一緒に暮らすことができるようになった。テレビも与えられた」。
同氏はその上で、「イランはビン・ラーディン家の生活の保障については、寛大な措置を講じてくれている。必要な物は何でも、提供されている。恐らくイラン政府も、大所帯のビン・ラーディン家に対してどう接すればよいのか、分からないのではないか」と続けている。
ウマル氏はまた、イラン政府が兄弟たちに提供したサービスについて感謝の意を表明した上で、「しかし、〔イランに入国して〕今や8年半が経ち、状況は変わった。彼らを受け容れてくれる場所も複数ある。ビン・ラーディン家が一堂に会することができるのを、私たちは望んでいる」とも語っている。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
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