「交換条件はギリシャのトルコ系住民への待遇」神学校再開問題でエルドアン首相発言
2010年01月04日付 Milliyet 紙
エルドアン首相は神学校の開設について、「関係する大臣たちはこの件で努力を行っています。もちろん、西トラキアに住むトルコ系少数者のギリシャ政府への要求も、考慮されるべきです」と語った。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、ヘイベリアダ神学校が再開されることに関し、「西トラキアに住むトルコ系少数者のギリシャ政府への要求も、考慮されるべきです」と語った。
エルドアン首相はクリテリ誌1月号のインタビュー記事で、「短期間のプログラムで、神学校を開校する事はあるのか?」という問いに以下の返答をした:
「神学校の件は多方面からのプロセスが必要です。法的規則、また教育システムの点からこの件は十分に検討される必要があります。大臣たちや関係機関はこの件に関し努力を続けています。もちろんここで西トラキアに住むトルコ系少数者がギリシャ政府への要求も、考慮されるべきです。ギリシャ政府も同時にこれらの問題に取組み、宗教関係者たちの問題について、リーダーシップや失業、少数者団体に関連する問題を解決しなければなりません」
■「軸は変わらない」
エルドアン首相は、「トルコが行う近隣国への融和策は、ヨーロッパにとり不快なものでしょうか?」という問いに、以下の返答をした:
「我々の進む道を西に向けているとき、東に引き返す余裕はありません。北を目指して、南を怠る事はできないのです。問題はトルコが軸を変えるということではなく、一部の周辺諸国が明確で、ぶれない軸を持つことであり、現状は変えられないということである」
■エルドアン首相:「EUのリーダーたちは我々の熱意に水を差している」
エルドアン首相は、EU加盟問題に関して以下のように語った:
「我々だけが一生懸命で、強い意志を持っていても十分ではありません。同じ熱意が(交渉)テーブルの反対側にもあることが必要です。もともと、熱意の喪失といった印象を与える状況が存在するのは、EU加盟国の一部国々の、そして一部リーダーたちの態度の結果です。なされた説明、態度そして宣伝は必然的にトルコで反響を呼び、反発をひき起こし、我々の熱意に水をさしています。トルコにおいて、EU加盟の時点で熱意が無くなるという見方も正しいことです。しかし政府としてこの時点で、最小限であれ熱意が喪失し、そして失速する状況を作り出すのは良いことではありません」
エルドアン首相は、アフメト・ダヴトオール外相の「トルコはEUに2023年までには加盟します」という発言に、以下のように述べた:「私は時期にこだわりません。ここで重要なのはトルコがEUの加盟国として基準を満たすことです。加盟に関しては、その時議論されることになります。現在の最も重要な目標は、可能な限りより多くの件で議論を始めること、またこのプロセスを最も速い形で進展させることです」
■「十字架にかけられたような…」と述べた
フェネルギリシャ正教会総主教バルソロメオス氏の、「トルコで我々は時々十字架にかけられたように感じます」という発言が議論を呼んだ。
バルソロメオス氏は、2009年12月19日の「ハベルチュルク」に、エルドアン首相との間で神学校に関し、以前行った会話について以下のように説明した:「神学校に関して、イスタンブルとアンカラで首相に何度も文書と口頭で説明しました。我々の願いを示しました。首相が言うには、『しかしアテネにモスクはありません』ということでした。アテネで1つか2つ、あるいはそれ以上のジャーミイができるよう私も望みます。それはきわめて道理にかなったことだと思います。しかしこのことに返答できるのは私ではありません。ギリシャでの問題の代償をどうして我々が払うのでしょうか?キプロス問題でのつけは我々共同体が払いました。我が宗教共同体がこれほど小さくなったのも、トルコ―ギリシャ―キプロス関係の諸問題で、そのつけを我々宗教共同体が払わされたからです。西トラキアではムフティーが選ばれません。そのことに我々の罪や過失がありますか?我々はトルコ国民です。国民としての権利を希望します。税金を払っています、兵役をこなしています、選挙権もあります。わたしは2年間予備将校として兵役を務めました」
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:白石百合子 )
( 記事ID:18193 )