情報省次官、「ソフトな戦争」を仕掛ける60の欧米団体の実名を公表
2010年01月05日付 Iran 紙
【政治部】情報省海外担当次官は、最近の騒乱で逮捕された者たちから得られた最新の情報を明らかにし、選挙後の騒擾発生に欧米の財団・機関が関与していた事実を詳らかにした。
同次官はイラン国営通信とのインタビューの中で、米英をはじめとする覇権体制がイラン人民によるイスラーム革命に対してなぜ敵意を抱いているのか、その理由について次のように指摘した。
この革命は、短期間のうちに世界中の大衆に認知され、歓迎を受けた。そのため、米英をはじめとする覇権体制の諜報機関による体制転覆計画の標的となってしまったのだ。彼らはイラン・イスラーム共和国に対して侵略的な《ソフトな体制転覆》計画を企てた。この目的を達成するために、これまでにかなりの額の予算が正式に認められ、割り当てられている。
同次官はさらに次のように強調した。
こうして、何年も前から、多種多様なメディアや財団・機関が外国人、スパイ機関、その他西側シオニスト・ブロックの国家機関によって設立された。彼らは、治安・諜報機関ではないかのように装いつつ、その実、神聖なるイスラーム共和国体制に対する転覆計画を実行する目的で、自らの任務を〔粛々と〕遂行しているのだ。
同氏は、諸々の欧米の財団・機関がどのようにして、体制転覆計画遂行のために特定の社会階層の人々を誘惑・捕獲しているのかについて、次のように説明した。
ここ数年、こうした財団・機関は「民間外交」「学術交流」「メディア交流」などの偽りの詐欺的スキームを用いて、専門家や芸術家、大学教授、政治関係者、メディア関係者など、特定の社会階層の人々を誘惑・捕獲する計画を実行してきた。そうすることで、彼らは「ソフトな戦争」というアプローチの下、社会一般に影響を及ぼそうとしてきたのだ。
同次官はさらに、次のように続けた。
時のイマームの無名戦士たちは過去数年にわたり、情報収集を続け、その結果イスラーム革命の敵どもの目標・計画を突き止め、体制転覆計画の遂行のために活動している内外の手下どもを特定し、これまでにかなりのダメージを敵の一連の運動に加え、抑圧主義諸国による邪悪な目的の達成阻止に成功してきた。
同氏は続けて、イラン・イスラーム共和国に対してソフトな戦争を仕掛けている、一部の国際的な財団・機関の実名を挙げ、これまでの捜査ファイル、ならびに敵に騙された人々に対する取り調べで得られた情報の成果として、治安・安全上の注意点を強調し、「個人・団体がこうした〔欧米の〕財団・機関と、いかなるものであれ接触を行うことや、政府と何らかの雇用関係にあったり、政府の一般予算を利用したりしている個人・団体が、こうした海外の財団・機関と契約を結んだり、便宜供与を受けたりすることは、禁止されている」と指摘、さらに「政治団体・政党が、個人からであれ、政府機関、あるいは非政府機関からであれ、海外から現金、ないしは非現金による援助を受け取ることは、いかなるものであれ、禁じられている」と続けた。
同次官はまた、次のように強調した。
神聖なるイスラーム共和国体制の政策に敵対、ないしは反対しているメディアや衛星放送局、インターネット・サイト、例えばBBCやVOA、ラジオ・ファルダー〔※対共産圏プロパガンダを目的に設立された「ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー」の一部門として1998年に設立されたペルシア語ラジオ放送〕、ラジオ・ザマーネ〔※オランダ政府の資金援助で2006年に設立された海外ペルシア語ラジオ放送〕、ラジオ・シオニスト体制〔※ラジオ・イスラエルのことと思われる〕、あるいはパールスTV〔※革命直後にアメリカ・カリフォルニア州で設立された在米イラン人コミュニティ向けテレビ局〕やランガーラング〔1989年にアメリカ・ヴァージニア州で設立されたペルシア語テレビ局〕、チャンネル1〔※アメリカにあるペルシア語テレビ局〕など、偽善者たち〔=MKOのこと〕や王党派の団体が運営している反革命衛星放送局、さらにはJARASのごとき内乱派と同一歩調を取っている反革命インターネット・サイト〔※JARASは、ミール・ホセイン・ムーサヴィー派のJonbesh-e Rah-e Sabz=「緑の道運動」の略と思われる〕などと協力することは、いかなるものであれ禁じられており、外国の体制転覆組織との協力と見なされる。
同氏はまた、最近の内乱派の運動の原因について一部の情報に言及し、内乱分子たちの多くが外国人らと無節操に接触し、反革命集団との違いを薄めつつあることが、大統領選挙後に反治安行為が生じた主な背景となっていると指摘、それゆえ国民各層は外国の大使館や外国人、彼らに属する施設等に不必要に接触することは、いかなるものであれ避けるよう、警告した。
同氏はさらに、敵の邪悪な目的とそれが広げているワナに対して警戒し、これまでと同様、細心の注意をもって、国の安全維持と外国人・内乱派の企ての無力化のために、情報省と十分協力するよう、国民に呼びかけた。
同次官はその上で、ソフトな戦争に関与している60の財団・機関の実名を、以下のように挙げた。
1.
ソロス財団、あるいは「開かれた社会」財団〔
Open Society Institute and Soros Foundations Network〕
2.
ウッドロー・ウィルソン・センター〔
Woodrow Wilson International Center for Scholars〕
3.自由の館〔
Freedom House〕
4.民主主義のための国民救済基金N.E.D〔
The National Endowment for Democracy〕
5.国民民主主義機関N.D.I〔
The National Democratic Institute〕
6.国民共和主義機関N.R.I〔?〕
7.東欧における民主主義のための機関(在ワルシャワ)I.D.E.E〔
Institute for Democracy in Eastern Europe〕
8.東欧民主主義センター(在ワルシャワ)E.E.D.C〔
The East European Democratic Centre〕
9.フォード財団〔
Ford Foundation〕
10.ロックフェラー兄弟財団〔
Rockefeller Brothers Fund〕
11.スタンフォード大学フーヴァー機関〔
Hoover Institution at Stanford University〕
12.オランダHIVOS〔
Hivos〕
13.イギリス・マナーズ〔?〕
14.アメリカ国連協会〔
The United Nations Association of the United States of America〕
15.カーネギー財団〔
Carnegie Foundation〕
16.イギリス・ウィルトン・パーク〔
Wilton Park Conferences〕
17.共通の土俵を探す会〔
Search for Common Ground〕
18.人口評議会〔
Population Council〕
19.中近東問題ワシントン・インスティテュート〔
Washington Institute for Near East Policy〕
20.アスペン・インスティテュート〔
Aspen Institute〕
21.アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート〔
American Enterprise Institute〕
22.アメリカ・ナウ財団〔
America Now Foundation?〕
23.スミス・リチャードソン財団〔
Smith Richardson Foundation〕
24.アメリカ・ジャーマン・マーシャル基金(ドイツ、ベルギー等に事務所)〔
German Marshall Fund〕
25.平和的な解決のための国際センター〔
International Center for Cooperation and Conflict Resolution?〕
26.アブドッラフマン・ボルーマンド財団〔
Abdorrahman Boroumand Foundation〕
27.イェール大学〔
Yale University〕
28.メリディアン・センター〔
Meridian International Center〕
29.イラン民主主義財団〔
Foundation for Democracy in Iran〕
30.国際共和主義者インスティテュート〔
International Republican Institute〕
31.国民民主主義インスティテュート〔
National Democratic Institute〕
32.アメリカ・イニシアティブ・インスティテュート〔?〕
33.東欧における民主主義インスティテュート
34.アメリカ支援センター〔
United States Agency for International Development?〕
35.国際民間貿易センター〔
Center for International Private Enterprise?〕
36.労働者の国際的団結のためのアメリカ・センター〔
The American Center for International Labor Solidarity (ACILS) / Solidarity Center〕
37.民主主義を伝播させるための国際センター〔
International Resource Center
for Democracy?〕
38.民主主義連合協会〔
The Association for Union Democracy (AUD) ?〕
39.アルベルト・アインシュタイン・インスティテュート〔
Albert Einstein Institute〕
40.民主主義のための世界運動〔
World Movement for Democracy〕
41.民主主義青年活動家ネットワーク〔
World Youth Movement for Democracy?〕
42.民主主義の情報と通信技術グループ〔?〕
43.民主主義のための国際議会運動〔
International Movement of Parliamentarians for Democracy〕
44.民主主義を求めるネットワーク・インスティテュート〔
Network of Democracy Research Institutes?〕
45.リガ機関〔?〕
46.ベルグマン機関〔
Berkman Center?〕
47.アメリカ外交評議会〔
Council on Foreign Relations, United States〕
48.ドイツ外交政策協会〔
German Association for Foreign Policy〕
49.イスラエル・メムリ機関〔
MEMRI – The Middle East Media Research Institute〕
50.イギリス民主主義研究センター〔
Centre for Democracy Studies〕
51.メリディアン・インスティテュート〔
Meridian Institute〕
52.イェール大学に属する全機関・センター
53.アメリカ国防大学〔
National Defense University〕
54.イラン人権記録センター〔
Iran Human Rights Documentation Center〕
55.中央アジア・カフカスにおけるFLTAアクティブ・アメリカ・センター〔?〕
56.現在の危機委員会〔
Risk Committee?〕
57.ブルッキングズ・インスティテュート〔
Brookings Institute〕
58.ブルッキングズ付属サバン・センター〔
Saban Center for Middle East Policy〕
59.ヒューマン・ライツ・ウォッチ〔
Human Rights Watch〕
60.新アメリカ財団〔
New America Foundation〕
〔※訳注:「60の機関」のうち、「5」と「31」など、一部重複が見られるように思われる。また、すべてペルシア語に訳されて発表されているため、どの財団・機関を実際に指し示しているのか、不明な点が多い〕
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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:18215 )