人気ドラマ「狼たちの谷」へ、イスラエル外務省が抗議
2010年01月12日付 Hurriyet 紙
イスラエルは、トルコとの間の危機の原因となったテレビドラマ「別離」につづき、今度は、テレビドラマ「狼たちの谷―襲撃!」に対し、外交ルートを通じ抗議を行った。
以前、TRTが放映しガザをテーマにしたテレビドラマ「別離」に対し抗議をしたイスラエルは、この度は、「狼たちの谷―襲撃!」の先週放映分について、抗議をはじめた。
Yedioth新聞のインターネット版に掲載された記事によると、イスラエル外務省は、この件について情報をえるため、在テルアヴィヴのトルコ大使オウズ・チェリキコルを外務省に呼んだ。アナトリア通信社によると、外務省で行われた会見で、アヤロン・イスラエル副外務大臣が、チェキリコル大使に対し、このテレビドラマから受けた不快感と遺憾の意を伝えたという。
■「どうしてお前たちばかりが戦争犯罪をおこすのか」
「狼たちの谷―襲撃!」で、イスラエルの反発を招いたシーンは次のような展開だった。主人公のポラト・アレムダールが、メメティの息子を救うためイスラエル大使の所有する住宅へ襲撃を行う。ポラトが子供を人質にしたグループの一人の頭を撃つシーンで、画面に映った映像――壁に血が飛び散り、その形がダビデの星をかたどったものとなった――が、イスラエルの反発を招いた。
イスラエルが、そもそも反発していたのは、ポラトとイスラエル諜報機関のために働く登場人物との間の次の会話だった。
「ここは異国の地だ。お前は戦争犯罪を犯している。」
「どうして、お前たちばかりが、戦争の罪を犯すのだ」
■ パナ・フィルム制作会社からイスラエルに返答
パナ・フィルムが作成した「狼たちの谷-襲撃!」シリーズで、イスラエルが戦争犯罪を犯している、という表現が登場したのをうけ、イスラエル外務省が在テルアヴぃヴのトルコ大使を呼びつけ、国を代表して、彼らの不快感と遺憾の意を表明した。これに対し、パナ・フィルム制作会社は文書で説明を行った。
パナ・フィルムの文書による説明によると、「イスラエルが、国連レポートをはじめ、多数の国際的な人権団体の作成した報告書により、たびたび、「戦争犯罪を犯している」と宣告されている」との表現が用いられた。また、文書は、「パレスチナの子供たちのもっとも基本的な権利である、健康な生活や教育を受ける権利などが侵害されていること、また、国連の旗のもとにあった子供たちまでが爆撃されたこと」にも言及している。
文書では、「「狼たちの谷」のイラク版では、イスラエル人の医師が臓器売買にかかわっているというシーンがあった。これも批判され、作り話だとされたが、その放映の少し前にイスラエルの報道機関自身が、このシーンをほうふつとされる現実を暴いていた」とも記されている。そして、「イスラエル政府は、非人道な行為への批判を外交を用いて妨害しようとするかわりに、一刻も早くパレスチナの子供たちへの暴力を止めなくてはならない。「狼たちの谷」は、真実を語り、誤りを正す行動を続ける」とした。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
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