イスラエル外務省の無礼行為、イスラエル国内からも批判の嵐
2010年01月13日付 Hurriyet 紙
イスラエルのアヤロン外務副大臣が、テレビドラマ「狼たちの谷」に対するイスラエルの不快感を伝えるために呼びつけたトルコの在イスラエル大使オグズ・チェリキコルを、一段低いソファーに座らせたことは、騒動のたねとなった。飲み物や食べ物もださず、報道陣の前で、大使と握手をすることも拒否したアヤロン外務副大臣は、ヘブライ語で(イスラエルの報道陣へ)、「(トルコの大使が)われわれより低いイスに座り、ここにはひとつの旗しかないのを映すように」と言った。アヤロン外務副大臣がひきおこしたスキャンダルは、イスラエルの各紙でも批判の的となっている。
Yedioth Ahronoth紙の記事によると、アヤロン外務副大臣は、イスラエル議会での会見で、記者団の求めにもかかわらず握手を拒んだ。
アヤロン外務副大臣は、外交的儀礼に反する形で報道陣に映像をとらせようとし、自分とその補佐は高いイスに座り、トルコのチェリキコル大使が低いソファーに座っているのを映像におさめさせた。また、チェリキコル大使が、廊下で会見を待っているところを撮影させた。大使に対し、お茶もだされなかったこともまた、注目される。
同紙はまた、アヤロン副外務大臣が、ヘブライ語で(イスラエルの報道陣へ)、「ここで一段下に座らせているのを、またこの部屋には(イスラエルの)旗しかないのを撮るように」といったと、報道している。
■ アヤロン外務副大臣、対立をツィッターで説明
アヤロン外務副大臣は、最近人気のインターネット上のツィッターに開いた自分のページで、チェリキコル大使との会見を報告した。
ツィッターでは、「狼たちの谷-襲撃!」でのシーンが、イスラエルに対する反感を改めてパケット化したようなものだという意見をのべ、チェリキコル大使に対し、これがトルコのユダヤ系市民や、在トルコのイスラエル外交官、観光客を危険にさらす「不寛容な状況」を生んでいると伝えた、と述べている。
■イスラエル国内からの反発
アヤロン外務副大臣のチェリキコル大使への態度は、イスラエルでも強い反発を生んだ。しかし、副大臣は、反省の態度をみせていない。
エルサレム・ポスト紙の記事によると、アヤロン外務副大臣は謝罪の意思はないが、「目的はチェキリコル大使を貶めることではなく、ただメッセージを伝えることだった」と述べたという。
また、イスラエル軍ラジオは、軍関係者が、アヤロン外務副大臣の態度がトルコとの間に築かれている「戦略的利益に害を及ぼす」ものであると語った、と伝えた。イスラエルの元駐トルコ大使アロン・リール氏は、同ラジオとのインタビューで、こうした態度で「新しいタイプの外交」が発明されたとし、リーベルマン外務大臣が「新しい方策」を示したのだ、という(皮肉な)表現を用いた。
■ リーベルマン外務大臣の「自作自演」
こうした緊張は、イスラエルのバラク防衛大臣の日曜日に予定されているトルコ訪問の直前に爆発した。この点に注目する Haaretz 紙は、リーベルマン外相が、バラク防衛大臣のトルコ訪問によって二国間関係の改善の努力がおこなわれるのを妨害するために、こうした形で緊張を高めようとしたのだと報じた。
同紙のインタビューに応じたイスラエル外務省高官は、「リーベルマン外相がバラク防衛大臣のトルコ訪問の前に事態を混乱させようと望んでいたと、感じている。最近の出来事の多くは、リーベルマン外相の政治的な戦略の一部だ。」
■ エルドアン首相の発言に速攻で返答
二国間の緊張が高まる原因となったもうひとつの要素は、タイイプ・エルドアン首相とレバノンのハリーリー首相が行った共同記者会見での、エルドアン首相のイスラエルに関する発言だった。
イスラエルのガザ攻撃を厳しく批判するエルドアン首相に対し、イスラエル外務省の反応は素早かった。その声明によると、「トルコは、イスラエル国家と、世界でもっとも規律の高いイスラエル軍に説教をおこなう資格をもつ最後のひとりだ」との表現が用いられた。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
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