ローマ教皇襲撃犯メフメト・アージャ、30年の刑期を終え、ついに釈放(3)
2010年01月18日付 Radikal 紙
■司令官たちに謝辞
アージャ元容疑者は、刑務所を釈放された後、(兵役の)適正検査のためギュルハーネ
軍医アカデミー(GATA)に移送された。アージャ元容疑者にはすでに2006年時点でGATAハイダルパシャ病院院長によって「かなりの社会性欠如という診断により兵役には不適」という報告がなされていたが、受理されていなかった。
アージャ元容疑者は、GATAにおいてまず精神科を受診し、続いて保健機関に移送された。その結果、アージャ元容疑者について「長い期間を刑務所で過ごしたことに起因するかなりの社会性の欠如」という診断がなされた。兄弟のアドナン・アージャ氏は、診断の後、メフメト・アージャが、司令官全員と握手し、「あなたたちはこの国で最も偉大な組織です。どんな組織にもだめな人たちというのがいるものだ」と話したと述べた。
GATAでの適性検査に続いて、アージャ元容疑者は、5つ星ホテルであるシェラトンにむかった。アージャには1泊464ドルのスイートルームが用意された。アージャがホテルにはいったとき、ボディーガードと報道陣の間で小競り合いがおきた。アージャは、報道陣が殺到したためホテルまで乗りつけた豪華なミニバスの中でしばし待機せざるをえなかった。その後アージャ元容疑者はミニバスから降り、ホテル入口にやって来た。このときホテルのロビーは戦場のように騒然とした。アージャは、報道陣が殺到したため立っていることができず、椅子に座った。
しかしこうした状況にありながら、アージャは、その後立ち上がって右腕を突き上げ、英語でコメントをした。アージャ元容疑者は「すべては神の名のもとに」という言葉で話を始め、「私は神も神の子でもないことをここに宣言する。間もなく世界の終わりが訪れるだろう。そう、今世紀に。私は確信している。すべての人類、そして世界は無になるだろう」と述べた。アージャは、「 Listen to me(私のいうことを聞け)」と記者たちに対し2度叫び、「数日以内に再び会見の場を設ける」と述べた。
その後、同ホテルのスイートルームへと向かったアージャは、テロ対策特別警察によって厳重にガードされたという。ギョクアイ・チャーラルアルプ・ギュルテキン弁護士によると、アージャは明日(20日)アンカラで記者会見を行う予定。ギュルテキン弁護士は、ホテルの宿泊費も弁護士によって支払われたと明らかにした。
■パラとクルシュンも立ち会った
アージャ元容疑者の刑務所からの釈放には、アブディ・イペキチ記者殺人の際にともにその場にいた友人、ハサン・ムラト・パラ氏とメフメト・クルシュン氏も立ち会った。両氏ともアージャとともにホテルまで同行した。パラ氏とクルシュン氏は、アージャをかくまったため罪に問われた。
殺到する報道陣を前にしてアージャは、近しいひとたちに「私がローマ教皇を襲撃したときでさえ、こんなに注目はされなかった」と言ったという。
■バチカンでは沈黙
バチカンでは、アージャの釈放について沈黙を守っている。バチカンでは公的な報道においても、関係者幹部によっても、アージャの釈放には触れられなかった。(宗教放送である)バチカン放送では、アージャ元容疑者の釈放のニュースはコメントなしにたった3文で伝えられた。
■「永遠のメシア(救世主)」
アージャは、マスコミに対しメモ用紙に書いた手紙を配布した。手紙は「永遠なる神の名の下に」という書き出しで始まる手紙のおいて、自身が「メシア(救世主)」であると再びのべた。
「私はアッラーのメッセージを人々に伝える任務を遂行するため、この手紙を書いた。神はただ唯一の永遠であり、永遠の統一者なのだ。何物にも神は代えられない。私は神ではなく、神の子である。私は、絶対的で全宇宙の支配者である神の僕(しもべ)だ。これは議論の余地がない。天使がもつ聖なる力も神によってつくられたものだ。これも疑う余地のないことだ。私は世界の終焉を見て取ることができる。今世紀には世界は崩壊するだろう。全人類はう死滅する。既存の聖書にはあまりにも誤りが多い。私が完璧なものを書く。永遠のメシアであるメフメト・アリ・アージャ」
注)アージャが配布したメモの内容に関し記事中で矛盾した表現がみられるが(神の子かどうか)、記事原文は翻訳のとおり。
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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:18289 )